#180 猛禽は戦場に集う
上を見れば流れる雲と広がる空。
左右を確かめれば無数と言える数の翼があり、ハルピュイアが舞っている。
そして眼下には――。
「くくく、なんということかねぇ。どこにも与していない良い巣があると聞いてきてみればだよ。どうやら少々手遅れだったというわけだ?」
鬱蒼と茂る木々の合間にわずかに拓けた場所。
それはハルピュイアが暮らす巣、あるいは村と呼ばれる場所であった。
「人間どもがいるならまだわかるよ? 我々も一戦やってきたところだからね。しかしまさかだ!」
ハルピュイアの群れにあって唯一の異物、蟲のようでありながら奇妙に人型めいた姿をもつ魔獣――“魔王”がその節くれだった指を地へと向ける。
「
“魔王”あるいは魔王を操る者である
「忌ま忌ましきは我が景色!
その姿は人間のようでありながら、四つの瞳を持ち身の丈たるや
巨人族、カエルレウス氏族の四眼位の
「はは! 全て斃したとはまた大きく出た! だが誤りだねぇ? なにせこの“魔王”がいる。おやおや、真ならざる物言いは
「ぐ……しかし! ここでお前を倒せば景色も真となろう!」
「はは! いいぞ最高だ! いかにも巨人族の口から出そうな言葉だなァ!!」
巨大な敵意を受けて、しかし“魔王”は悠然とした構えを解かず。
逆に小魔導師は今にもその手から魔法現象を放つかと思われた――実際に
「うむ? どうした。四眼位にもなろうものならば
小魔導師は答えず四つの瞳を厳しく細める。
その頃になってようやく、押っ取り刀で駆けつけただろう幻晶騎士の足音が響いてきた。
村の守りにと残されたシュメフリーク軍の騎士たちである。
とはいえ彼らは彼らで、空を埋め尽くさんばかりのハルピュイアの群れを目の当たりにして動揺を覚える有様であった。
「おっと、うーんっふっふっふっふ。
“魔王”がわざとらしい仕草で嘆いてみせる。
そうしてすっと手を上げて魔王軍のハルピュイアたちを押しとどめた。
空から降り注ぐ敵意は時とともに高まりつつある。
異様な沈黙が場に満ちた。迂闊な動きひとつ、言葉ひとつが戦いの火蓋を切りかねないとあっては騎士たちも及び腰になる。
そんな中で最も自由に振る舞えるのはやはりこの男であった。
「おおそうだ、巨人族の娘よ。ふふふ、なるほどキミにとっては言いたいことも山とあろうが、まずは自己紹介といこうじゃないか! 私の名は
「小鬼族だと……その景色は既にない。
小魔導師の返事を耳にした瞬間、小王がたまらず噴きだした。
「っふは! ……くっ、あはははははァ! なんという傑作だよ! まさか師匠と言ったのかい? あの小さな彼が? よりによって巨人族の!! なぁるほど全て承知したよぉ、四つ目の娘! キミはエルネスティ君がここまで持ってきたというわけだ。確かに大仰な船を使っていたからねぇ! 良い船旅だったかい。くっくっ」
しばらく無遠慮な笑い声が空に響いていたが、やがてぷっつりと途切れる。
「はぁ。つまりキミもこの村もエルネスティ君の仲間であり、ゆえに私の敵というわけだ。面倒だねェ」
「!?」
“魔王”が地上を睥睨する。
日差しを遮らんほどのハルピュイアの群れが一斉に翼をざわめかせた。
小王が一言告げれば、すぐさまそれらの爪が村に襲い掛かるであろう。
シュメフリーク軍の幻晶騎士が盾を空に向けた。
どれほど意味があるのかわからないが、心理的にないよりはマシというものである。
「しかしだよ! 巨人族も人間もどうでもよいがねェ? 我らの友たるハルピュイアと争うというのは、どうにもこちらの本意ではないのだよ。どうかな、キミたちも我らと翼を並べこの空より無粋な侵入者を追い出しはしないかい? そこな人間など気にすることはない、風向きが変わることなど良くあることだろう?」
小王の言葉を聞き、村に住まうハルピュイアたちにさざ波のような動揺が走った。
ハルピュイア同士で相争うことなど当然彼らにとっても望むところではない。どうすべきかを悩み囁き合う。
翻って人間たちの表情は絶望の色を濃くしていた。
戦力差は数えるのも空しいほど。争いになればひとたまりもないことは誰の目にも明らかである。
かといってハルピュイアを積極的に引き留める手立てもない。
親交を深めつつあるとはいえ、所詮人間たちは新参者で村に間借りしているに過ぎなかった。
「かつての空の色を思い出すといい。人間たちの使う目障りな船もなく、風と
「それは……」
上空に集まったハルピュイアたちが一斉に羽音を鳴らす。
もはや圧力すらともなった轟音に飲み込まれんとしていた、その最中。
妙に不器用な羽音と共に巨大な影が飛んだ。
よたよたといかにも危なっかしい飛び方で、自慢の速度も見る影なく。
だが確かな意志をもって最前まで向かう。
その姿を確かめた瞬間、小魔導師が四つの瞳を見開いて叫んだ。
「ワトー!? 何故ねぐらにいない! 傷に響く、百眼神にお目通り叶うよう今は翼を休める時であろう!」
「大丈夫、あたしが頼んだからだよ」
若き鷲頭獣、ワトーの代わりに幼い声が答える。
小魔導師は驚き、しかしすぐに納得した。忠勇なるワトーが乗り手を置き去りに勝手をするはずもない。
「……
ワトーの背にちょこんと乗ったエージロが小魔導師を見上げた。
「うーん。でっかい人の言ってることはなんだか難しくてよくわからないけど! ここにいる皆は、あたしたちの村に用があってきたんだよね? じゃああたしたちが答えないと」
「それは正しい景色であるが、だからとお前が来る必要はないだろう」
「いまこの村にはお父さ……
「小さき翼よ、それをお前が背負えるのか?」
「わかんないけど……でもここに集まった皆も、巣がなくて困ってるんだよね? 助けてあげないと!」
小魔導師は思わず四つの瞳を瞬いた。
穢れの獣――“魔王”に率いられているからとすっかり全てが敵であるかのように考えていた。
しかしハルピュイアにとっては巣を失った同胞たちの群れでもある。
「……そうだな、小さき翼よ。やはり我はまだ眼開ききらぬ者。こうも新たな景色を見せられるとは。真の敵を見定めねば、百眼神に誤りをお見せするわけにはいかない」
掌をおろし“魔王”を睨む。
その“魔王”の中では小王が不満げに腕を組んでいた。
「ほう、風切がいないのかい。歯切れが悪いと思ったがそういうことねェ。ともあれ決められないというならそれでも良いさ。我々としてもそこの巨人族、そして西方人たちを掃ってしまえば事足りるからね」
「嫌いなの?
「好ましく思っているハルピュイアなぞいるのかね、お嬢さん」
「あたしは好きだよ? キッドとか!」
「……いやそういう話ではない」
やりづらい。小王の嘆息が漏れ聞こえてくる。
「悪いが知ったことじゃあないのだよ、お嬢さん。我々の群れは人間たちと爪を交えた後。もはや手を重ねることなどないん……」
小王の台詞が途中で途切れた。
村の奥から鷲頭獣とハルピュイアたちが進み出て、ワトーと小魔導師の周りを守るように集まり始めたからだ。
それが意図するところは明白であった。
「はん? これまでは雛の戯言と見逃してきたけどねぇ。君たちは一体全体どういうつもりなんだい?」
「我々とて地の趾の全てが翼を並べられるとは思っていない。しかし全てが敵とも思っていない。ただ彼らは我らを助けるため炎に飛び込んだ。野鳥ですら一羽ばたきで受けた恩を忘れることはあるまいよ」
「うん! ワトーだって、蒼いでっかいのが助けてくれたし!」
ついに小王は頭を抱えだす。
「蒼い……くっ、なんと嫌な単語だ! 読めてきたぞ、またエルネスティ君だな! まったく巨人族といいハルピュイアといい、彼はどうしてこう隙間に入り込むのがうまいんだ! 小さいからか? しかも毎回私の邪魔ばかりしてくれる! ええい、ならば良かろう!」
若干の勘違いがあるが、それを正せるものはおらず。
“魔王”が腕を広げた。
それまで推移を見守っていた魔王軍のハルピュイアたちが一気に動き出す。
「風向きを合わせられなかったのはとてもとても残念であるよ。君たちの意見は我が群れとは食い違っている。風は常に巨大なるものの味方なのだよ。いかにも不格好ではあるが、ここからは力で押し通らせてもらおうか!」
地上も応じて動き出す。
幻晶騎士は
小魔導師が傍らのエージロとワトーに囁く。
「小さき翼よ、あの穢れの獣は我が瞳と引き換えてでも倒す。後は空の民同士、任せて良いか」
「うん。皆ちょっと怒ってるけど、なんとか話してみる!」
「ひどく困難な目であるな。しかし問いが難しいほどに百眼神はお喜びくださろう。挑む価値のあることだ」
“魔王”はついに攻撃の命令を下さんと腕を持ち上げ――。
そのまま動きを止めた。
空のみならず地上にも疑問が広がってゆく。
「なんだ? あれは……」
むしろ当の小王ですら、じっと空の彼方を睨み困惑の表情を浮べていたのである。
彼の視線の先、流れる雲をかき分けるようにして巨大な舳先が現れる。
それは空を進む船――もはや空の大地でもありふれた
ただ一点目を惹くのは、その船が異様に巨大であったことだ。
船体長は通常の船の倍はくだらない。
そんな巨大船の周囲を囲むように何隻もの飛空船が現れる。
まるでパーヴェルツィーク王国軍に並ぶかのごとき堂々たる大船団であった。
「なん……だあれは!」
「飛空船!? あんな規模が……どこの国が!」
船団の接近に気付いた者たちがざわつきだす。
そうして“魔王”の中では小王が完全にキレていた。
「これはこれは……またも懐かしい顔ぶれじゃあないかね? ああ、ああ。そうだとも、私にはわかっていたよ。エルネスティ君がいるということは貴様らもいるだろうということはね! だが! 本当にいるとはどういう了見なんだい!? ええい! 彼が現れてから本当にロクなことが起こらないんだよォ!!」
空に響いた小王の慟哭などつゆ知らず。
巨大船――銀鳳騎士団旗艦、
「前方、ハルピュイアの群れが……おそらく数百羽はいるものと! また魔獣と思しき巨大な影も多数あります!」
「どういうことだ? ここは確かにハルピュイアの村なのだろうが、聞いていたのは友好的かつもっと規模が小さかったはずなのだがな」
報告を聞いたエドガーが眉を跳ね上げる。
問いかけられたノーラがわずかに思案した。
「状況が変わったのでしょう。群れの中身がわかりません、味方とは判断しかねます」
「やれやれ。大団長閣下の後を追っていればこの有様だとは、つくづく波乱な人生をお送りでいらっしゃる。さてもどうする? いずれにせよ無防備に接触するわけにはいかないと思うね」
一緒に報告を聞いていたディートリヒが問いかければ、エドガーが頷いた。
「ああ、少なくともイズモの周囲には防御陣を敷くべきだ。しかしどう接触するといってもな。全軍で進むのは威圧的に過ぎるが、あれが敵であるかもしれない以上戦力を渋るわけにもいかない」
そうしてエドガーが戦力の割り振りについて考え始めたところで、ディートリヒがひらひらと手を振った。
「ふむ、では任せたまえ。我らが出てちょっと話を聞いてこよう」
「ディー? 力押しでは務まらない役目だ、ここは藍鷹騎士団に任せるべきだと思うのだが」
ノーラも頷いている。
しかしディートリヒは何故か自信満々に胸を張った。
「何を言うんだい。少数で殴り込むなら我々向きだろう?」
「待て、殴り込むと決まったわけではない」
「それに“新兵器”の慣らしにもちょうど良さそうであるしね」
「そっちが本音か。ちったぁ取り繕えや馬鹿野郎」
ディートリヒは意気揚々と船橋を後にする。
「では行ってくる。朗報を期待していたまえ。ようし紅隼騎士団! お待ちかねの出撃だぞ!」
「イェエア!!」
団員たちを引き連れたディートリヒが去ったところで、船橋に残ったエドガーが諦めたように息をついた。
「……白鷺騎士団。おそらく大事になる。いつでも出撃できるように準備しておいてくれ」
「はっ!」
エドガーが伝声管を閉じると、心配そうな表情のノーラが問いかけた。
「クーニッツ団長があの様子ではこちらから喧嘩を売る形になります。大丈夫でしょうか?」
「ああは言っているがディーとて色々と考えている。そう悪いようにはならないだろう」
「しかし……こう言っては何ですが、クーニッツ団長の行き当たりばったりさは非常に見覚えがあります」
どこで見た動きなのかは言うまでもない。
その上でエドガーは珍しく肩をすくめた。
「ならばいつも通りということだな」
彼もまた確かに銀鳳騎士団の出身なのであった。
“イズモ”の上部甲板へと
「団長騎、出撃準備! 上部甲板開放します!」
紅隼騎士団団長騎グゥエラリンデがせり上がってきたところで、通信用の伝声管から声が響いてきた。
「団長! “紅の剣”号からともに出るかと聞かれてます!」
「あん? あれは地上用だ、今回出番はない……いやゴンゾースが騒いでいるな? 勝手に動くなと厳に命じておきたまえ。今回のパーティは空で開かれる。こちらも相応しい装いをしなくてはね」
いかに“イズモ”が巨体を持つとはいえ、ほんの少し走ればその先は空中。ただの幻晶騎士では落ちるばかりである。
「“エスクワイア・ファルコン”準備、持ち上げます!」
そのための秘策がこの船にはあった。
グゥエラリンデの後方にあるハッチが開き、新たな機体が甲板へとせり上がってくる。
それはおそらくは幻晶騎士であり、だとすれば非常に奇妙な機体であった。
およそ銀鳳騎士団にまつわる機体はどれも一癖あることで知られているが、それは飛びぬけて異様な形状をしている。
なにしろ“幻晶騎士の上半身だけ”しかないのだから――。
「手順を開始します! 連結用
伝声管から緊張感の滲む声が聞こえてくる。
グゥエラリンデの真後ろに位置したエスクワイア・ファルコンが細い補助腕を伸ばし、グゥエラリンデの背を掴む。
「接続を確認! 制御移譲します!」
計器の表示を見ていたディートリヒが頷く。
「ようし操作が来た。続いて
補助腕を通じて接続された二機が、強化魔法の適用範囲を書き換えたことで“ひとつの機体”と化す。
それはかつて銀鳳騎士団団長エルネスティが編み出した秘儀の再現。
“イカルガ”と“カササギ”がひとつの機体、“マガツイカルガ”となったように。
“エスクワイア・ファルコン”は“グゥエラリンデ”の新たな一部となる。
「さあてこれがお披露目だ。気張っていこうじゃないか。“グゥエラリンデ・ファルコン”出る!!」
力強い踏み込みと共にグゥエラリンデ・ファルコンが空中へと飛び出す。
エスクワイアに搭載された
さらに追加された
強力ではあるが大喰らいであるマギジェットスラスタを、グゥエラリンデとエスクワイアを合わせた二基の炉の出力によって支える。
そうしてついに
「うん、よい加速だ。これならば問題なく空中で戦えそうだね!」
エスクワイアに搭載された、安定翼を兼ねる
飛翔するグゥエラリンデの周囲にすっとトゥエディアーネが並んだ。紅隼騎士団の機体である。
ディートリヒが拡声器の出力を目いっぱいまで上げた。
「今回はまず探りを入れる。いきなりかましてはならないぞ、殴ってよい相手かどうか確かめてからだ。では突撃!」
「了解!」
空を切り裂き、紅の双剣が飛翔騎士を引きつれて進む。
地にはハルピュイアの村、空には魔王軍の群れ、そして飛空船団から放たれた剣が突き進む。
そんな最も危険な交点を目指して飛ぶ、小さな影があった。
それは魔獣。三つの大鷲の頭を持つ獣が大きな翼を広げている。
「いったい! これは! どうなってるんだよ!」
「私が聞きたい! どうして魔王軍がここにいる!? というかあの船はお前たちの群れのものなのか!?」
「ああそうだよ! 銀の鳳を描いた旗なんて西方諸国のどこ探しても他にないけどさ! しっかし俺も困ったことに、飛んでる奴の何一つとしてまったく見覚えがねぇんだよ! でも魚みたいな幻晶騎士を飛ばしたのは確実にエルだ! 他に居てたまるかって!」
「なんでもいいからどうにかしろ! それがお前の役目なのではないか!?」
「出来るんだったらなんだってやってやるよ! でも俺にも出来ねーことはあるからな!?」
そんな獣――
無理もない。
ただの伝言役であったはずの彼らが、何を間違ってか史上最高に危険な戦場に突入する羽目に陥りつつあるのだから。
無益な言い争いはしばらく続き、やがてお互いに疲れたところですっと終わった。
「コレ絶対、今こそエルがいるべき奴だろ。つーかアイツ以外に誰がこんなの収められるんだよ……」
キッドは頭を掻きむしりたい衝動に襲われる。
しかし嘆いていても始まらない。彼は一息で気合いを入れ直した。
「あーでもやっぱ、俺がやるしかないんだよな。なんか最近損な役回り多い気がする!」
「それはお前がお人好しだからだろう。嫌なら避けて飛べばいいだろうに、好き好んで首を突っ込んでばかり」
「否定できないよなぁ。……というわけでさ、ホーガラ。これからけっこう危ないところに行かないといけないんだけど」
ホーガラはふんと翼を一羽ばたきし。
「誰に言っている。この私は風切の次列であり、跨がっているのは三頭鷲獣だぞ。いかなる危地も造作もない。お前こそ振り落とされるなよ、拾いになど行かないからな!」
「頼もしいけどひっでぇなぁ。まぁ頑張るよ。どうにも吹っ飛ぶのは俺の役目らしいんでね!」
斯くして三頭鷲獣は混迷の渦中へと飛び込んでゆく。
【後書き】
・エスクワイア
銀鳳騎士団において開発された史上初の支援専用騎体。
幻晶騎士カササギの直系にあたり、いわば制式量産版のカササギともいえる。
本機はカササギの持つ数々の機能の中でも特に“マガツイカルガ”形態の再現を目的として開発された。
カササギ譲りの幻晶騎士の上半身だけといったデザインに、主に魔力転換炉と源素浮揚器、マギジェットスラスタ及び選択武装が詰め込まれている。
本機は
陸上用である近接戦仕様機を飛翔させ、さらには魔力転換炉二基分の出力を用い強固な強化魔法を適用することで圧倒的な防御力を実現している。
まさに簡易的な“マガツイカルガ”といった状態であるが、実質的に幻晶騎士二機分の資材を単騎で食いつぶすという欠点も同様となってしまった。
これは運用上、騎士団長級の実力があるものを対象とすることで一定の成果を見ている。
特筆すべきは本機が操縦席を持っておらず騎操士が搭乗していないという点である。操作は全て合体される側から行われる。
これは“マガツイカルガ”の騎操士を二名必要とするという欠点を改善したものであった。
合わせて操作性も格段の改善をみているが、それでも追加された機能を使いこなす腕前を要求される点は変わっていない。
浮遊大陸における戦いにて先行試作騎である二機が実戦投入された。
エスクワイア・イーグレット、エスクワイア・ファルコンと命名された二機はそれぞれアルディラッドカンバー、グゥエラリンデと合体することを前提とする。
そのため騎操士に合わせた専用の仕様を施された。
余談ではあるが、合体状態を示す名称はそれぞれの機体名の末尾にエスクワイア向けの号を加えるものとなっている。
・アルディラッドカンバー・イーグレット
・グゥエラリンデ・ファルコン
しかし長すぎるため往々にして省略される傾向にあったという。
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