シーン(6-3)

【夢で会おう】

ジョージが眠そうにしだすとレイチェルは帰ろうとする。

帰らないでとジョージはレイチェルを引き止める。


◯(レイチェルの回想)ジョージの部屋(リビング)(夜・くもり)


BGM 大人びた子供のような曲(ピアノ)


レイチェル[ジョージがうつらうつら眠そうにしだすと、あたしは帰り支度をしようとした]

レイチェル[でも……]


ジョージ「帰らないで」


レイチェル[ジョージがあたしを引き止めた]


レイチェル「でも、寝る時間じゃない」

ジョージ「さよならもしたくない。おやすみも……言いたくない」

レイチェル「なんで?」

ジョージ「おやすみを言ったら、明日になるでしょう」

レイチェル「それじゃあ、こうしよう。君の夢に出るよ。夢でいっしょに遊ぼう」

ジョージ「そうしたらお姉さんは帰らない?」


レイチェル[「帰らないよ」とは言えなかった]

レイチェル[あたしにも家がある。家族がいる。だから、家に帰らないといけない]


レイチェル「夢で会おうよ」

レイチェル「君が目を閉じたら、手を握ってあげる」

レイチェル「そうしたら夢で会えるよ」


レイチェル[そう言うしかなかった]


ジョージはベッドに入って、目を閉じる


ジョージ「帰らない?」


レイチェル[たぶん、ジョージはわかってたんだろうな]

レイチェル[目を閉じたら、あたしが帰っちゃうって]


ジョージ「……ぼく、嘘ついてた。」

ジョージ「ジョージはホントの名前じゃない。ホントの名前、教えたげる」


ジョージがレイチェルに耳打ちする

レイチェルはジョージの本当の名前を繰り返す(音は消して)


ジョージ「夢で会おうね」

ジョージ「夢じゃお姉さんは友だちじゃなくてお嫁さんなんだ」

ジョージ「お姉さんがぼくの名前を呼んだから」


レイチェル「……おやすみ」


レイチェル[あたしはそのまま帰った]

レイチェル[それから、ジョージのことが忘れられない]

レイチェル[いままでの恋人よりずっといい男]

レイチェル[……なんてね]

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