シーン(6-1)

【ジョージとの出会い】

高校時代、レイチェルはサンタ代行業のボランティアをやっていた。

そのときにプレゼントを配達しに行った家にジョージの家があった。


◯『ウエストサイドストリート』(夕方・晴れ)


BGM 暗すぎず、明るすぎない曲(ピアノ?)


レイチェル(あたしが高校生のときから、あの落書きはあったと思う)

レイチェル(たぶん、この落書きを書いた子とあたしはあったことがある……と思う)

レイチェル(確信はしてないけど、たぶん、そう……)


レイチェル[高校時代、あたしはボランティアでサンタクロースをやっていた]

レイチェル[あたしがやってたボランティアは、ひとり親家庭で親が忙しかったりする家や、クリスマスプレゼントが頼めなかったりする家、もしくはその両方でサンタサービスが頼めない家にクリスマスプレゼントを配達するってことをやっていた]

レイチェル[サンタが来ない家の子はいじめられるから]

レイチェル[親は無理をしてでもサンタサービスを頼む]

レイチェル[でも、頼めない家は無料で来てくれるボランティアのサンタに頼むしかない]

レイチェル[ジョージの家もそんな家の一つだった]


レイチェル[プレゼントの配達先を見たとき、あの落書きの住所だ、と思った]


◯(レイチェルの回想)ジョージの家の前(夕方・くもり)


BGM 大人びた子供のような曲(ピアノ)


レイチェル「こんばんは。ごめんください、サンタサービスです」


玄関のドアが少しずつ開く


ジョージ「こんばんは……(やや驚く)お姉さん?」

レイチェル「おじいちゃんのサンタさんじゃなくてごめんね。サンタサービスです」

ジョージ「(徐々に声色が明るくなっていく)サンタさんが友だちをくれた!」

レイチェル「えっと、友だちがプレゼントじゃなくて……」

レイチェル「あ、そうだ! 良い人たちが君にプレゼントを用意してくれたんだよ」

ジョージ「(徐々に悲しそうになってくる)サンタさんが友だちになってくれるんじゃないの?」

レイチェル「あぁー……えっと……」

レイチェル「お姉さん、サンタさんに頼まれてね。ジョージくんと一晩だけ遊んでって頼まれたんだ」

ジョージ「そうなんだ! 寒いでしょ、家の中に入って! あったかいよ!」

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