あらすじ(レイチェルの話)
サンタサービスの受付で働くレイチェルは、毎日やってくるお客様への対応に辟易していた。
それでも転職を考えないのはこどもたちの笑顔が見たいから。
レイチェルは今日もいつものように昼業務を終えて、ランチタイムを過ごす。
カフェテリアは大賑わい。サンタクロースとなって働く配達部門の職員や他にも様々な部署の社員が入り混じって、休憩時間を楽しんでいる。
レイチェルは注文を済ますと、ボックス席に座る。その後、後から来た配達部門のビルと新人のジョルジョと相席をすることになる。
ビルは恋人でレイチェルの親友のタビサの様子についてたずねる。タビサはためらうも当たり障りのない内容で彼女の様子を伝える。
レイチェルの恋人についてビルがたずねると、レイチェルは別れたと答える。それを聞いたジョルジョは「僕にもチャンスはありますか?」と言う。
「僕のこと覚えていますか?」ジョルジョは言う。
思い出せないレイチェル。
レイチェルは逃げるようにカフェテリアを去る。
レイチェルは家に帰る途中、ジョージという少年が書いた落書きをいつも見かける。レイチェルはこれを見るたびこの少年を思い出す。
レイチェルは高校時代サンタ代行業をボランティアでやっていた。ジョージの家はレイチェルがプレゼントを配達した家の一つだった。
ジョージの家は落書きに書かれた住所だった。レイチェルがその家に行くと、5歳くらいの男の子が出てきて、「サンタさんが友だちをくれた」と言った。レイチェルは本当のことを言わず嘘をついて、ジョージと一晩だけいっしょに遊ぶことにする。
ジョージが眠そうにしだすと、レイチェルは帰ろうとした。けれど、ジョージが帰らないでと駄々をこねる。レイチェルは夢で会おうと宥めて、ジョージを寝かしつけようとする。ジョージはベッドで嘘をついていたと言って、レイチェルに本当の名前を明かす。
クリスマスが終わり、仕事が一段落したレイチェルはジョルジョにいっしょに帰ろうと誘われる。聞くと、レイチェルと同じ地域に住んでいるらしい。レイチェルは承諾し、いっしょに帰ることにした。
あのジョージの落書きの前を通りかかると、ジョルジョは「あ」と声を漏らした。
ジョージの落書きは消え、また新しく落書きが書かれていた。ジョージと同じ住所に住むジョルジョという男が書いた、ジョージの正体は自分で、小さい頃、クリスマスの晩に家に来てくれたサンタクロースのお姉さんを忘れられずにいたら、彼女が大人になった自分と同じ職場で働いていて、彼女が今でも好きだということと彼女が恋人になってくれたらいい、という内容の落書きだった。
ジョージの本当の名前がジョルジョだということを思い出して、隣にいる男の顔があのジョージに似ていると思うレイチェル。レイチェルはジョルジョの顔が見られない。レイチェルはジョルジョの顔を見ずに、「友だちでもいいかな」と言った。
ジョルジョは「まるで夢みたいだ」とつぶやいた。
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