第4話 腕のリハビリ

あれからすっかり仲良くなった様子の2人は、談話室でお喋りをして日々を送っていたようだ。

今日も談話室からは楽しそうな声が聞こえてくる。


「あ!そういえば気になってたんだけど!月ちゃん、いつもなんのゲームしてるの?」

「あぁ、これはね。ツミツミっていうスマホゲームなんだ。」

「ツミツミ?」

始めに話始めたのは陽太だった。

彼女が遊んでいるゲームに興味津々らしい。


「カラフルなたまごがあって、それを同じ色でマッチさせるとひよこが生まれるの。」

「あ!ほんとだ!」

「全部マッチするとニワトリが来るんだよ。」

「あー俺も利き手が使えたら遊べるのに!」


月夜は実際にやって見せながら、説明をしているようだ。陽太もその様子を楽しそうに眺めている。

だが自分はできないことに悔しそうに嘆いていた。


「あ、いたいた!三倉くん。」

すると楽しそうな2人の側に看護師がやってきた。

何かを伝えに来たのだろうか。


「どうしました?」

「そろそろリハビリ始めようと思って。」

「お!でもリハビリって何するんだ?」

一旦月夜はゲームをやめ、2人とも看護師の方を向く。そして話を聞いた彼は待ってました!という様子だが、同時に不思議そうに首を傾げる。


「そしたら、指の関節の曲げ伸ばしをしてみましょう。」

「こんな感じか?」

「そうそう!今日からは無理しない範囲で指を動かしてね。」

看護師は自身の手で左の指を曲げ伸ばしして、陽太にやり方を教えているようだ。

彼もその様子を真似て指を動かす。

どうやら痛みはあまり感じないようで、看護師からのお願いに頷いた。


「よーし!早く治るように頑張るぞー!」

「陽ちゃん、張り切りすぎて無理しないようにね。」

陽太の元気な宣言を聞いた月夜は、無茶をするのではないかと思ったのか釘を刺すように言った。

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