第3話 友達
「友達になってくれませんか?」
彼女の言葉に陽太は驚いた表情をした。
さらに疑問に思いながらも訊ねる。
「お、おう!…友達になるだけでいいのか?」
「うん。私ずっと病院にいて、なかなか友達がつくれなくて。…ダメ、かな?」
彼の反応をみた月夜は急に自信がなくなり、俯きながら話す。
「いや、初めて言われてびっくりしただけだから大丈夫!これからは友達としてよろしくな!」
「うん!」
陽太は彼女の面持ちをみて、慌てて訂正をした。
そしてにっこりしながら、友達になることを承諾したようだ。
そんな彼につられて月夜もいつのまにか笑顔になっていた。
「そうだ、俺のことは陽太でいいよ!」
「へっ?」
「ほら、名前で呼び合うほうが親しみやすいだろ?」
突然の言葉に驚く月夜。
名前で呼ぶことなんて想像していなかったのだろう。
「うーん、呼び捨てはハードル高すぎたか。それなら皆からよく呼ばれる陽ちゃんとか?」
「よ、よう…ちゃん…よう、ちゃん。」
「そうそう!じゃ決まりだな!」
陽太の提案にぎこちなく声を出してみる。
すぐは慣れないが、彼女のなかでもしっくりきたようだ。
「それなら、俺は月ちゃんって呼んでいいか?」
「うん、ありがとう。」
彼の言葉に頷くと、嬉しそうに月夜はお礼を言って微笑んだ。
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