第6話 晩から朝まで

GWは仕事でコロナの喧しい海外に出張した

移動中は時間が無いので夕方や夜便を指定

東南アジア諸国巡り久々の大名コースつまりビジネスクラスのシートを使える普通航空券は片道500.000円以上の外交官待遇で大使館に勤務する家族に、予防接種を行う為に、中近東の領事館に勤める従姉から指名で外務省に呼ばれパスポートを交換させられた

緑色のパスポートは外交官特権付きなので海外公館でもフリーパスなのだ

夕方羽田空港に到着、チケットカウンターで席を貰いファーストクラスに変わっていた、少し嫌な感じで年齢差を聞くと3歳~70歳との回答を戴いた、念の為にキャンディ二袋と七味唐辛子2本とチョコレートをCAさんに保管して貰う、私はウェストポーチに高めで小さいのブランデーを3本を入れてラウンジに向かい様子を伺いながら、キャリアケースの聴診器と電池式血圧計をウェストポーチに移動させた

妊婦さんと乳幼児が居ないと判断出来たのでファーストクラスに一番最後に座った

海外旅行で何回か同乗したCAさんと目が合い頷き指でOKサインを出すとCAさんも頷いた

水平飛行になるとCAさんが

『小さなお子様に耳が痛いと・・・』

ウェストポーチからキャンディを出して

「ダメならこれを」と小さいチョコレートを渡す

『ありがとうございます』と言い移動した

1時間経過して

夕食中に

『胸に手を当て顔が青白い方が』と言われ

「ビジネスシート空いてますか?」問うと

『2席が2つあります』

「歩けそうですか?」

『今なら歩けると思います』

「取り敢えず向かいます」

血圧が高く酸素飽和度が低いと判断

「ニトロはお持ちですか?」

『入れ忘れました』

「緊急なので入れ歯を外して下さい」

ウェストポーチから七味唐辛子とブランデーを出し舌先を上げて貰い

「非常時なので手持ちの七味唐辛子を使います我慢して下さい」

と言いながら舌下に七味唐辛子を振りかけ

グラスにブランデーを入れ聴診器から聴こえる心音を聴きながら

「ブランデーをお呑み下さい」伝えたら

『ありがとうございました』と涙声を聞いた

七味唐辛子とブランデーを渡す

「痛みが出る前に使って下さい、到着したら病院でニトロを処方して貰いなさい」

と言って自分の席に戻った

ジェット機の急患はとても困る応急処置しか出来ない、戻るなら機内の薬品を使用出来るが滞在する人に使用せず代替品で対応しないと患者さんも困るので毎回七味唐辛子と飴玉とブランデーは必需品で簡単に手に入るのがとても助かる

同乗するCAさんで患者を特定出来るし対応も早く直接申し出てくる

今回は機長さんからタバコの差し入れがあり感謝しました


これは小説です














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