第3話 転移したのは誰?
地震の影響で地磁気が乱れている電源オフにしてバッテリーを持たせなければ後で困る
雪がチラチラ降り始めて居たので堤防に上がり周囲を見渡す、電力タワーが見える
新幹線の車両が見えたが人影がない?
イヤーホンラジオのスイッチを入れたら震災を放送している
少し安心したが、津波が来ている!
不味い早く川から離れないと生死に関わる
人家を探しても全く見つからない
津波の一波二波と放送しているがここまで来ていない、助かったと思ったら土砂崩れで進めない困ったぞ
家屋も人も全然見つからない
アマチュア無線機の周波数を2mに切り替える緊急通信が行われ入る通信局の数が少ない
こちらはバッテリーの残量から無理はしない
1時間ほど聞いたが途切れるので40mなら全国が入る筈と勇んで周波数を切り替えたが不感地帯と思われ80mに切り替えたら普通に非常通信が行われていた
スマホはダメでもアマチュア無線はきれぎれでは何ともならない、ピバーグを念頭にトボトボ歩く上空を飛ぶヘリコプターが高度を下げてこちらに向かってきた
日本手拭いを右手に持ち上にかざすと風向きを見て手信号を寄越した
救助してくれそうな雰囲気が感じられる
助かるかな?
拾って貰えた(要救助者として)
緊急事態で医師が足りないなら自衛隊の医療団に参加する意思を表した
レジデント時代から数回参加していた証明のワッペンを見せるとほっとしたみたい大声で
「二佐殿!回収!」
と対策本部連絡を入れる、ローテーションに
入り
10日間寝る間も惜しんで医療を提供し交替要員と交代して愛媛の自宅に帰宅して転属届けに上司は
『大変だったなお疲れさん3日の休みだ』
3日間眠る事に専念した
新幹線と乗員と300人の乗客は行方不明となったままだが何も言えないマスコミのエサになりたくない、あれは悲惨だ
転移の可能性を否定出来ず口を閉じる
それから一切語らず過ごし家内にも言わずに享年69歳を閉じた筈だった
地獄の閻魔大王さまの前で全てを報告した
『大変な思いをしたな、だがその方は地獄には未だ入れない、今度は確実に転移して貰うそして被害者の救済を命ずる!』
『それからお前は何ゆえ地獄を目指しておるのだ?』
「私の研究で地獄の血の池を題材と決め地獄研究を行いたいと願い此所に参りました」
『それは残念だったな生き返ると思わなかったろうが今回は諦めてくれ』
あれ・・・生き返るの?
「責任を問うのでは無いのですか?」
『見捨てられた民衆の魂の回収してくれ!』
「それでスキルとかは戴けますか?」
ラノベを読み異世界を楽しみにしていた
『医師と無限収納と鑑定と言語付与する』
「ならば年齢を少し若くして下さい」
『検討しよう』
「検討使総理大臣と同じか」
ボソッと呟いたら聞こえたらしく
身体と健脚な足腰を授けて戴いた
「連絡方法は如何しましょうか?」
『発見次第収納から魔方陣を出し乗せれば此所に到着する、魂だけでも回収して救済しなければならない、鑑定にエリアサーチを付属してある早く頼むぞ!』
ド⚪ゴン⚪ールレ⚪ダーみたいな探知付き
切実な実情がありそうな雰囲気は恐い
脱衣婆さんに支払った六文銭は返却して貰う
日本円で600万円と救急セットが6人分
収納した医療用サバイバルキットもある
医薬品は強心剤を6箱と
酸素は無いけど魔力を入れたボンベ6本
この辺になると誰も口を開く気が起きない
ニトロの6本は狭心症と心筋梗塞の患者に
緊急用マウスが2個(使用したくない)
Cレーションが6パックを常時使用する
デザート付きなら地獄の徒歩がありそうだ
靴はスポーツタイプの登山靴を希望する
消耗品は自動追加システムが作動する
解剖キットがあるならカルテも書くか
「準備が整いました」
閻魔大王様が
『この魔方陣に乗れCレーション以外食してはならないぞ』
「何か問題でもあるのですか?」
『血の池地獄の研究が出来なくなるぞ』
「それは困ります」
『約束は守れよ』
「承りましたm(_ _)m」
そして俺は魔方陣の上に乗った
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