魔王城最終攻略作戦①
ー魔王城周辺ー
人類軍の残り全ての戦力が集結する。
「攻撃を開始する!」
人類は、魔王城に群がる魔族の殲滅を開始した。
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ー魔王城 玉座ー
人類が攻めて来た......!
戦力はかなり多い。このままだと押し負ける。
でも、奴らは私にそれなりの知性があることを知らないはず。
いざとなれば、心臓の時間遡行装置が発動する可能性もある。
群がる魔族と戦う人類に、一発お見舞いしてやろう。
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ー魔王城 周辺ー
「まずはこいつらから叩き潰すぞ! 魔王はこの先だ!」
「人類の力を見せつけてやれ!」
魔族の群れに、人類軍が突撃する。
そのときだった。
闇魔法、歪みの波動が、人類軍を襲った。
「ぐっ......何だ!?」
攻撃を受けて混乱が広がる。
(よし、混乱を招けた! このまま、ここから魔法を撃ち続けられればいいけど)
「おそらく、魔王の攻撃です! 方向から見て、城からかと!」
「わかった。私たちで魔王を始末する。お前達はこいつらの相手を頼む」
「必ず、後から行きます......!」
人類の選抜、三人が部隊から離れ、魔王の元へと向かった。
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ー魔王城ー
中は、人類が使っていた王城のままの、煌びやかな内装そのままだった。
そこに魔族はおらず、真っすぐに魔王のいる玉座へと進む。
そして、アルフレート少佐、ブリュンヒルト中佐、バルタザール大佐の三人が玉座へと辿り着いた。
====== BOSS BATTLE ~Demon King~ ======
「ようこそ。人類の皆さん」
玉座の上、高貴な立ち振る舞いで、魔王は言った。
(三人、か。おそらく人類の中でも強い奴らだろう。正直、勝てるかはわからない。それでも、誇りを持って立ち向かう......!)
「もう一人、いないか。お前の他に」
会話が可能なことを知った大佐が、いち早く脅威について質問する。
「まだ戻ってきていない。どこにいるかもわからない。質問は以上か」
「ああ。答えてくれて感謝するよ」
「では、始めようか。人類と魔族、どちらが生き残るか決める戦いを」
魔王が開戦の合図を執る。
「気を付けてください。アレの心音は変です。何か仕掛けがあるかもしれません」
心音の異常を感じ取ったブリュンヒルト中佐が忠告する。
「了解、気を付けます」
その警告にアルフレート少佐が了解する。
「いくぞ、戦闘開始だ!」
そして、魔王と人類の精鋭がぶつかり合おうとした。
そのとき。
天井の一部が、真っ二つに斬られたように崩れた。
「勇者!?」
そして、人類に光の剣が下された。
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ー魔王城 周辺ー
魔族と相対するのは、ここまで生き残った人類軍の全戦力およそ数百人。
「数が多いな」
魔王城には上位個体が二体いた。つまり、魔族の数も多い。
「でも、やるしかないだろッ!」
無数の歩行型が、人類を取り囲んで、突き進む。
人類軍と魔族群の数の差は、もはや言うまでもなく歴然だった。
「やるぞ。まずは風で動きを止めろ!」
空を飛び回る飛行型を、風魔法の全勢力で牽制する。
だが、その隙を突いて闇魔法の砲撃が飛んでくる。
「来るぞ、防げ!」
今広げられる限りの氷の防壁を用いて防ぐ。
そして、人類軍は、氷の上に乗り、高所を取った。
「撃て。一匹たりとも余さず殺せ!」
「俺達の全てを、受け止めろォ!」
地面に、残存する全ての樽型爆弾、およそ数百が放たれる。
「いけぇぇぇぇ!」
炎魔法が放たれ、地上が大きく爆発した。
「やった......!」
辺り一面が燃え尽き、地上は焦土と化す。
このとき、世界から魔族歩行型が消滅した。
だが、闇の砲撃によって、氷が崩され出す。
「くそっ......!」
その隙を突いて、魔族飛行型が攻撃を開始した。
「ぐあああああ!」
飛行型は、牙で人類の多くを噛み砕いていく。
「お前、だけでも、仕留めるッ!」
身を嚙み砕かれながらも、人類は応戦し、飛行型の数は半分まで減った。
「もう、氷がもたない!」
氷の足場が、崩れ落ちようとした。
「まだだ、落ちる前に、こいつらを落とす!」
足場から落下する寸前、風魔法が飛行型の残りを地面へ叩き落した。
「今しかないっ......飛行型を殲滅する!」
そして、地に落ちた飛行型を炎や剣、あらゆる攻撃手段で仕留めていく。
闇の砲撃による損害を受けながら、人類は、魔族飛行型を全て殲滅した。
砲撃や飛行型の攻撃で、このとき、人類軍の数は作戦開始前の半分を下回っていた。
「残りは魔法型か。分かれて突っ込むぞ。狙いをバラけさせろ!」
そして、人類は魔法型へと駆けていく。
もう、砲撃を防げるだけの氷の防壁を展開できるほどの兵力はなかった。
多くの命が、砲撃によって失われた。
それでも、多大な犠牲を払い、人類は魔法型を殲滅することに成功した。
「終わった、のか......」
後に残ったのは、人類軍僅か十人だけだった。
この瞬間、魔王以外の魔族は、この世から全て消え去った。
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ー魔王城ー
勇者が城を突き破り、侵入して攻撃を仕掛ける。
「勇者!?」
アルフレート少佐が驚嘆の声を発する。
「どうやら生きていたようですね。ですが、ここで仕留めます」
勇者の元まで、氷の足場が連なっていく。
その上を、アルフレート少佐は駆け抜けていった。
「よくも、俺たちを裏切ってくれたな......!」
「それはこっちの台詞だよ、少佐」
(こんな、裏切り者に、負けてたまるか......!)
「『秘剣抜刀、零阿修羅(ゼロアシュラ)』! 」
「第二章、『断罪』」
輝く光に、激しい剣戟が振り落とされる。
(少佐の攻撃にしてはなかなか重いな。一撃に力を込めたか)
(まともにあいつとやり合っても、勝ち目はない。ほんの一瞬でも、あいつを凌駕する......!)
「第三章、『神罰』」
強烈な光が、アルフレート少佐に向かって放たれる。
(このまま打ち合っても勝てない......一撃、何としてでも躱す......!)
壁際まで大きく旋回し、光をなんとか躱した。
「『一刀踏破、改狂薙(カラクレナイ)』!」
「第三章、『神罰』」
光よりも、少し先に剣戟が入る。
それを受けて、勇者は僅かに後退した。
(この機を逃すな......!俺の勝機は、ここだけだ!)
「『因果切断、紅月舞(アガツマイ)』 !」
光よりも先に、剣戟を繰り出す。
勇者はそれを、後ろへ跳んで躱した。
(剣戟を繰り出すのが速いな。だが、それだけだ)
「第四章、『執行』」
裁きの光が少佐へと落とされる。
(勇者は後ろへ跳んで体勢を崩している......今なら、打ち勝てる!)
「『風雷一閃、刹那残影(セツナザンエイ)』 !」
剣戟は、光を跳ね返した。
(少し、侮っていたよ、少佐)
(この剣戟の速さだけ。お前に勝てるのは、そこだけだ。でも、それだけで十分だ!)
「『終極奥義、暁闇(アカトキヤミ)』!」
最速で、勇者を断ち切るべく剣戟が放たれる。
(残念だったな。光は、自在なんだよ)
「第五章、『審判』」
地面に剣を突き刺し、光が少佐の足元から突き出る。
「なっ......!?」
少佐は後ろへ跳んで、その光を躱した。
距離およそ数メートル。
勇者と少佐が向かい合う。
「どうして、そんなに才能に恵まれているのに、こんなことしたんだっ!?」
「関係ないな。僕は常に、最善を尽くしてきただけだ」
(勝ちの目を探せ。勇者は光魔法の才能があって、剣の腕も研ぎ澄まされている。そんな奴に、どうすれば勝てる......?)
剣を構えて、思考を加速させる。
(俺はあいつより弱い。それは、他でもない、勇者自身がよくわかっているだろう。でも、だからこそ、あいつは俺を下に見て、無意識のうちに手を抜き、力を温存するはずだ。だが、俺は違う。あいつに勝つために、俺の全てを出し尽くす!)
(少佐との距離は数メートル。この距離は僕の間合いだ。勝ったな)
「聖典、第一章、『救済』」
全てを包み込むような光が一つに収束し、十字の形を成す。
「消え失せろ」
光輝く十字架は、少佐を消し飛ばす勢いで振るわれた。
ーその全てを、切り裂いてやる。
「『
その一閃は、光を切り裂き、勇者に届いた。
「ッ!!」
少佐の剣は、勇者の頬に掠って、僅かに傷を負わせた。
ーこれは、いつか、お前を超えるために編み出した技だ。
その剣は、才能の産物、魔法の全てを切り裂く。
両者は再び向かい合い、次の攻撃を放とうとした。
「っ!?」
そこへ、歪みが放たれる。
(仲間内で揉めてるのか? なら、利用させてもらうッ)
人類の異変を察知した魔王が、玉座から歪みの闇魔法を放った。
「どこを見ている」
バルタザール大佐が魔王に風の斬撃を放つ。
右手首を三十度回し、抉り取るように風をぶつけた。
歪みと風がぶつかり合い、相殺される。
その力は互角だった。
(この風、とても強い! 少しでも気を抜いたら斬られるッ)
そして、一人になった勇者に、氷の山が迫った。
「『天を穿つは氷雪山(Blizzard Lost Sky)』 !」
「っ!」
それを剣で受け止め、そのまま壁に激突していった。
氷は壁を破壊し、勇者共々城の外へと出される。
「あなたは、私が殺します」
ブリュンヒルト中佐が勇者を追って外へ出る。
魔王城の外側、薄く草が生えた大地で、二人が対峙する。
「僕を殺す?そんなこと、できるわけないだろ」
The braver advents and destoroys everything............
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