作戦会議-Third-

「この辺りじゃないか?」


「見えたぞ、目の前だ!」


 真っ白な雪原を突き進むのは、人類が用意した先行調査隊だ。


「最適ルートと敵の情報を集めるぞ」


「ルートなら割り出しておきました」


「なら、敵の情報だ」


「敵はあそこの遺跡の中心から動きません」


 破壊され、ほとんど外郭だけになった遺跡の中央に居座っている。


「見た目は白い竜のようです。おそらく飛行が可能でしょう」


「把握した。さすがにこれ以上は危険だろう。引き返すぞ」


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 ー軍本部 作戦会議室ー


 いつものメンバーが集められ、会議が始まる。


 最奥の席で、バルタザール大佐が概要を説明する。


「今回の作戦名はセルコー討伐戦。作戦場所はセルコー雪原。討伐対象は四天王No.

 3、呼称『シュニィドラゴン』だ」


 さて、僕は何をするべきか、だが、


 今回の作戦会議で僕は余計なことをする必要はない。

 なぜなら、からな。


「敵の位置、外見、敵までのルートは調査隊が情報をくれた。その情報を元にルートは組んだ。なら、次は、敵をどう倒すか、だ」


 そして、大佐は力強く言った。


「敵は前回と違って一体だけだ。よって、魔法や爆弾、全てを用いた総力戦で仕留める」


 作戦は前回と変わりない。思い通りだ。


「まあ、いいんじゃないですか」


 他からの賛成も得て、作戦は決まろうとしていた。


「いい案ですね。僕も賛成します。やってやりましょう」


 最後に僕が賛成して、作戦は決定した。


「では、これより作戦会議を終了する。各員、作戦開始に備えろ」


 解散の合図が取られ、三回目の作戦会議は終わった。


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 ーセルコー討伐戦 道中ー


「そろそろ着きそうじゃないか」


 ここは既に辺り一面真っ白の雪原だ。


 今歩いているのは、魔族が少ないが、足場が細い山道だ。

 大量の樽型爆弾と、ほとんどの戦力を引き連れている。


 もうすぐ四天王へと到達する、そんな時だった。


「おい、あそこに何か見えないか」


「本当だ。魔族飛行型だな。こちらへ来る前に仕留めるぞ」


 横の崖の上、高いところに飛行型を見つけ、応戦する。


 まったく、思い通りだ。‘‘前回‘‘と同じルートなら、ここを通り、さらに崖の上の飛行型と戦闘になることも知っていた。


「ここから倒すぞ」


 人類軍は炎魔法を発動し、飛行型に攻撃を始めた。


 そのときだ。


 飛行型の足元にあった樽型爆弾に火がついて爆発した。


「なんだ!?」


 足場の悪い場所なら、あらかじめ罠を仕掛けておくのが効果的だろう?


 爆発地点からは雪崩が発生し、人類軍はそれに巻き込まれて落ちていった。


 そして、そのまま四天王がいる遺跡の目の前へと、流れて辿り着いた。


 人類軍は、最悪の形で敵との交戦を開始せざるを得なくなった。



 このまま死んでくれよ、人類。



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 ーセルコー雪原 魔王城側ー



「メルシゲェテ、次の人類の戦いで、人類をできるだけ始末してきてくれないか?」


 アリシデェタ様の言葉を思い出す。



 ー貴方のためなら、何だってやってやります!



 と、人類の様子を見ると、何やらトラブルがあったらしい。


 雪崩に巻き込まれた?


 これはチャンスだ。


 私が、皆殺しにしてあげます。




 Assorted speculation interlace............

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