Episord of Zero part2

 ー帝都 民家ー


 アリシアの能力テストの後、ベッドに寝転がり、レックと話していた。



「なあレック、アリシアどうなるんだろうな」


「さあね、知る由もないことだよ」


 レックは相変わらず素っ気ない反応をする。


 魔族に攻められ、追い込まれていった人類の指揮系統は曖昧で、光魔法を使えるアリシアを頭に据えようとする動きがあるらしい。


「なんか、ここでこうしているのって、まるで俺達が何もできないみたいだよな」


「別にいいんじゃねぇの。偉くなるのは良いことだろ」


 ここは家賃の安い家で、レックと二人で暮らしている。


 アリシアとは幼馴染で家が近かったが、あいつは今は大きな建物にいる。


 レックはまだ幼い頃に住処を追われてここへ来て以来、俺は一応親友だと思っている。


「なあ、何でお前は戦うんだ」


 ふと気になってレックに聞いてみた。


「しょうがねぇな、語ってやるか」



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 俺の故郷は、雪が降り積もる雪原で、一面の白さが綺麗なところだった。


 俺はその場所が気に入っていたんだが、ある日、魔族の四天王、白い竜みたいなのが攻めてきて、そこから逃げなくちゃいけなくなった。


 それ以来、俺は何かに好感を持つことができなくなった、いや、怖くなったんだ。いつか、失うかもしれないと思ってな。


 だから、俺は、故郷と、自分の心を取り戻すために戦うのさ。



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「へえ、そうなのか。まあ、頑張れよ」


「おい、聞いといてそれかよ。じゃあ、お前はなんで戦ってるんだ」

 

「そりゃあ......」


「何だよ」


「誰かを守るため、かな」


「はあ?ひょっとして、アリシアか?」


 ニヤニヤしながらレックが聞いてくる。


「別にそんなんじゃねえよ。それと、人がわざわざぼかしたことは深く聞かない方がいいぞ」


「おいおい、俺は全部話しただろー?」


「へいへい、全部当たってるよ」


 そのまま、俺達は眠った。



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 ー帝都 軍本部(旧)ー


 あー、なんでこんなことになってるの?


 私が今いるのは今の人類の中心みたいな場所だ。


 魔族が攻めてくる前は、人類は王政を敷いていたらしいけど、魔族の侵攻で指揮系統が曖昧になったらしい。

 それで、今戦っている人たちも、兵士とかじゃなく、魔法が使えたり、とにかく戦える人を集めただけだ。

 そして、人々を纏める役割として、私に白羽の矢が立ったわけだ。


 はぁ......やだなぁ......


「あの、どうしても私がやらないとダメですか」


 とりあえず、そこにいた人に聞いた。



 そのとき、



「伝令! 魔族が攻めてきました!」



「なに!? 攻めてきただと!?」


「出撃だ! ここが落とされれば、今度こそ後がない!」




 そして、少年たちの戦いが始まった。

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