第11話 戦闘スタイル
おじさんが説明するにはこうだ。
【エーテル】を使用することによって、新たな【アーツ】と【スキル】のプログラムを機能させることができる他に、現状習得している技能や【アーム】の強化も可能とのこと。
【アーム】と【スキル】は一度習得すれば効果は永続的に。
【アーツ】は使う度に体内の【エーテル】を消費するので、乱発はできない。
しかし通常の攻撃とは比較にならない威力の物が多いようだ。
そこから好きに【エーテル】の容量が許す限りは、能力の強化も拡張もできるので、自分の思い通りに、好きにカスタマイズができる。
だが【エーテルマスター】で使用できる【エーテル】と自身の【エーテル】は別物らしく、これらの機能には影響しないとのこと。
後は自分のイメージが全て。
どんな能力を使い、どんな風に戦いたいのが重要らしい。
「とりあえず、現在のタクの【エーテル値】を確認してみるか。どれぐらい強化できるか、数値を見てから決めようぜ」
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ジャスティスイグナイト2号
エーテル 77 力 51
防御 48 体力 49
素早さ 55 魔力 45
アーム
パワー 0 ガード 0
スピード 0 マジック 0
アーツ
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スキル
エーテルマスター
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「「ええっ!?」」
俺とおじさんは、パソコンに映し出されたステータスを見て、素っ頓狂な声を上げる。
なんでこんな急にステータスが上がってるんだ……
俺は目を点にしたまま、パソコンの数字に釘付けとなっていた。
「どうなってるんだ、これ……?」
「……多分あれだな。エリアマスターを一人で倒したからだろ」
「ああ……そういうことか」
レッドオークを一人で倒したあの時、急激に成長をしたということか。
「普通はネットゲームのレイドバトルみたいにさ、大勢で倒すべきモンスターだったんだよ、レッドオークは。でもそんなボスをタクは一人で倒しちまった。だから全ての経験値を一人占めしてるようなもんだろ」
「そう考えたら……中々のことだったんだね、あれって」
おじさんは画面を見ているうちに、肩をプルプル震わせていく。
何か怒ることでもあったのだろうか?
そう考える俺におじさんは大声で言う。
「こんだけ急成長したら、メチャクチャ目立つぞ! これから……これなら有名【ウォーリア】になるのも夢じゃない! いや、夢どころかもう手の届くところまで来ている……これで俺たち大金持ちだ!」
「ちょっとそれは気が早いんじゃない?」
「何言ってんだよ、コノヤロー! もう確定したようなもんだ! 約束された成功だ! もう大船に乗った気分でいていいぞ。俺たちの【ウォーリア】人生は、順風満々だ!」
どこまでもテンションを上げるおじさん。
まだそんなことに対して実感が湧かない俺は、肩を竦めて言う。
「その話は置いておいてさ、それより強化の方を進めようよ」
「おお、そうだな! さらに強くなって人気者まで一直線! これが最強【ジャスティスイグナイト】の始まりだぁ!」
伯父さんは興奮したままパソコンに向く。
「で、どんな風に強化する? どんなカスタマイズする? どんなヒーローになるんだよコノヤロー!?」
「んん~そうだな……」
俺は自分が戦う姿を想像する。
どんな力を持って戦うのか。
どんな戦闘スタイルを取るのか。
……しかし、中々イメージが湧いてこない。
そもそもどんなスタイルがあるのかも分からないし。
「おじさん、戦闘スタイルってどんなのがあるの? ほら、武器だったり【アーツ】だったりさ。そういうの、全然分からないんだよね」
「なんだってあるぜ。武器ならソードにライフル、鎖鎌。【アーツ】は魔術があるし、必殺技みたいなのもある。【スキル】も豊富にあるし、ちょっと見てみるか?」
「うん。見せてみてよ」
おじさんはパソコンでゲームの攻略サイトみたいなページを開く。
それは【ウォーリア攻略】とブックマークしていたページのようだ。
そこに表示されていたのは、基本的な能力の数々。
敵の情報も書かれているし、【ウォーリア】としての情報がてんこ盛りのようだった。
そこには実用的な能力から、ネタ枠と言われる能力まで、数々の情報が網羅されていた。
全身鎧姿にチェーンソーを武器にしている騎士。
馬に乗って刀で戦う
パンツ一丁の姿にナイフだけで戦う変態紳士。
戦闘スタイルはまさに人それぞれ。
自分が戦いたいように戦う、まさに自由な世界だ。
それは見た目と戦闘能力が比例しないというのも要因の一つであろう。
変態の恰好をしていても、高い戦闘力を持っている者もいるようだ。
と言うことは、見た目よりも戦うための技能の方が大事ってことだよな。
だからこそじっくりと考えなければいけない。
俺は時間をかけて情報を視認し、自分の中でイメージを膨らませていく。
「……よし。決まったよ」
「おう。じゃあ俺がプログラム組んでやるから言ってみろ。俺みたいな天才が叔父で良かったな」
「本当。感謝してるよ、おじさん」
色々とね。
本当におじさんには感謝することばかりだ。
もちろん、迷惑をかけられる時もあるけれど。
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