第242話 カウンターアタック
「俊介君‥‥‥私の事が好きなの?」
「はい」
ついに‥‥‥ついに言ってしまった。結衣の事が好きだと言う事を本人に伝えてしまった。
俺の告白を聞いた彼女はあからさまに戸惑っている。
顔を真っ赤にして視線が右へ左へとせわしなく動かしているのがその証拠だ。
「さっきあんな事があったばかりなのに困らせてごめん」
「私は全然構わないよ」
「結衣が葉月の事が好きなのはわかってるけど、どうしても最後に言っておきたかったんだ」
これで俺に後悔はない。最後に自分の気持ちを結衣に伝えられてよかった。
「えっ!? なんで私と葉月君が付き合ってる事になってるの!?」
「だってさっき葉月に告白された時、OKしたんだろう?」
「OKなんてしてないよ!! 確かに私はさっき葉月君に告白はされたけど、ちゃんと断ったよ」
「えっ!? 嘘!?」
「嘘じゃないよ!? 本当の事だよ」
何だ、一体何が起きている。さっきの織部の話ではここで葉月は結衣をここに呼び出したと聞いている。
情報としてはそこまでは確かに合っていた。だが結衣が葉月の告白を断ったなんて聞いていないぞ。
「ちょっと待て。結衣は何で葉月からの告白を断ってるんだよ!? あいつの事が好きだったんじゃないの!?」
「確かに葉月君は格好いいし面白いよ。だけどそれと付き合うのは別だと思う」
あれ? おかしいな。高校に入学してからずっと俺は結衣が葉月の事が好きだとずっと思ってた。
それこそ高校に入学した時葉月の事を相談された時からそうだと思っていたけど、もしかして違ったのか?
「えっ!? お前が好きなのってあいつじゃないの!?」
「そうだよ!! 私がずっと好きなのは俊介君‥‥‥風見俊介の事が好きなの!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
誰もいない屋上に俺の声が響き渡る。
いや、もしかしたら校舎中に響いたかもしれない。あまりに衝撃的な事を聞いてしまったせいで、それぐらい大きい声を出してしまった。
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ここまでご覧いただきありがとうございます。
続きは明日の朝更新します。
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