第163話 参加出来ない理由
投稿が遅くなり、申し訳ありません
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「なんで風見は文化祭には参加できないのよ!! もしかして当日サボるつもりじゃないでしょうね!!」
「そんなことするわけないだろう」
「だったら他にどんな理由があるのよ。ちゃんと理由を説明してくれないと納得できないわ」
「そう言われると思ったよ」
だからずっとその話をすることを俺は避けていた。
夏休みに入る前や夏休みの時結衣から文化祭の話を振られた時曖昧な返事しか返さなかったのはこの事が理由である。
「俊介君、何で文化祭が出れないの?」
「実は文化祭と部活の大会の日程が被ってて、当日参加できないんだよ」
「それって本当なの?」
「本当だよ。文化祭があるのが前日準備も含めて10月の頭の金、土、日曜日。部活の県大会は木、金、土、日に行われる事になってるんだ」
なので準備を手伝う事は出来るけど、文化祭当日は出席できない。
これは去年も同じ日程で大会が行われたので、変更されることはないだろう。
「その大会って必ず参加しないといけないの?」
「必ずではないけど、たぶん地区予選は通過すると思うから、必ず参加することになると思う」
3年生が出場した今年のインターハイの地区大会でさえ危なげなく突破出来た。
なので1、2年生しか出場できない今年の新人戦は余程のトラブルがない限り、確実に県大会に行くと思う。
「なるほど。それで文化祭は出場できないのね」
「わかってくれたか?」
「うん。ちなみに部活の地区大会はいつ行われるの?」
「地区大会が行われるのは9月の3週目。土曜日と日曜日に行われる」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!? それって体育祭の日程とも被ってるじゃない!?」
「確かにそうだな」
「それならそうと先に言ってよ。この後体育祭の種目決めもするんだから!?」
「ごめん、言うのが遅くなって」
「別にいいわよ。貴方が出場しないことを前提に人数調整をすればいいだけだから。気にしないで」
さすが委員長だ。俺の話を聞いて、すぐさま体育祭の方も調整を始めたようだ。
「一旦話を戻すけど、こういった理由で俺は文化祭当日は参加出来ないんだ」
「一応質問するけど、例えば自分の種目がない日はこっちの催し物に参加できないの?」
「俺達部活単位で行動しているから、勝手に抜けてこっちの催し物に参加するのは無理だな」
「なるほどね。風見の事情は大体わかったわ」
「あぁ。俺も大会が近いからあんまり準備に参加出来ないけど、出来ることがあれば率先して手伝うから言ってくれ」
こう言っておけばクラスでもそんなに風当たりが強くないはずだ。
去年も文化祭前は色々と手伝っていたし、当日出れないというだけで他に変わった所はない。
「わかった。そしたら風見は比較的に楽な所にまわしておくわ」
「そうしてもらえるとありがたい」
「最後に聞いておくけど、もし風見の部活のメンバーが全員大会で負けたら文化祭に出れるのよね?」
「たぶん。そうだな」
「そしたら貴方達の部活が大会で負けるのを祈ってるわ」
「そこは勝つことを祈っててくれよ。委員長がそんなことを言うと不吉だろう」
「冗談よ、冗談。もし貴方が大会で負けたら、劇で王子様役をしてもらうから覚悟してね」
「わかった」
委員長が言ってると冗談には聞こえないんだよな。
彼女が負けろって言うと、本当に負けてしまうような気持になってしまう。
「とにかく貴方の事情はわかったわ。説明ありがとう」
「こちらこそ。俺の事は気にせず、体育祭も文化祭も楽しんでくれ」
これで俺も一休み出来るな。
去年は事情を説明するのが大変だったから、理解が早くて助かった。
「それじゃあ風見の代役を決めるわね。王子様役をやりたい人は手をあげて頂戴」
『はい!!』
それからクラスの男子で役の取り合いをした結果、葉月が王子様役を射止めたのだった。
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