2月29日

夜1時

唐突に聞いていたライブ配信を切り上げて、窓際に向かった。

外を眺めていると街の遠くの灯りはギラギラと揺れている。なにかそういう気象現象なのか。

ベランダに出て、煙草に火を付け、また不快な煙が脳に拡がる。

今日はそんなに寒くなかった。

遠くからは救急車のサイレンの声。コロナ患者かもしれないし、もっと違う病気で倒れた人かもしれない。

「うちの周りには病院たくさんあるしな」

煙草を右手に持ったまま再度外を見た。誰も通っていない道路の信号は点滅してまた変わる。すっごく時間を余らせたときなんかには椅子に座ってストップウォッチで青信号の時間を測って、地図にそれを書き込みたい。時間を余すことなんてそうそうないんだけどね、この文明には無限のコンテンツがあるから。

どこか文明なんかと隔離されたポツンと一軒家で本とともに生活したいね。そこでも、なぜか生きていける自信がある。根拠はないけど。


さすがにこの時間には列車もバスも終電をとっくの前にむかえて、勤務体制はわからないけど、終電のバスの運転手や鉄道の運転手はこのぐらい時間に家に帰るのだろうか。

私の新聞店の朝刊の配達員はこの時間に出勤して、うちのマンションには2時半頃に車で配達に来る。前にコンビニに行ったときにすれ違ったことがあるけど、スーパーカブじゃないんだ。ワンボックスカーだった。それにスーパーのカゴをたくさん詰め込んでいて、各カゴに各マンションの新聞が入っていた。

配達員は良い感じそうの人だった。

「こういう人にこそ感謝すべきだよね」

僕の親や友人は市民と名乗るが、彼ら肉体労働者を軽蔑の目で見る。

彼らが社会を回していることを理解していない。


今回の不和の件なんか考えたりして、みんな敵の敵は味方論に基づいて、昨日まで悪口を言い合ってたのを突然やめて、悪口言ってたやつと言われてたやつが仲良くしてるよ。

じゃないのかお前は君のことが嫌いだったんだろうよ!」

「利己で考えを捻じ曲げるのか?」

でも、それが人間の本位なのかもしれない?

言われてみれば、自分にも当てはまるな。


煙草の煙が温かくなってきたので、ベランダの柵に押し付けて火を消して捨てた。


すこし、フラフラしながら、ぐちゃぐちゃの部屋に戻ってきて、キッチンに置いてあった生温いグラタンを食べる。

温かいとか冷たいとかあんまり、僕は横着でそういうのは気にしてないから、というか凍ったまま食べようとする人だから。

親の作るグラタンは白米の上にグラタンソースをかけただけのやつだ。今回は白米は少なく、マカロニがずいぶん多いような気がする。


某配信者のライブ配信はまだ続いていて、パパ活の話をしている。

裏ではさっきかけた昭和維新の歌が流れている。

みんな、女の子にうまれて、パパ活してお金を稼ぎたいと。もちろん、セックスは無しで飯だけ食ってってことらしい。都合のいい話があるもんか。

まあ僕だったら話が続かずがっかりさせて相手を帰らせちゃうかもねきっと。


次の日は銀行に口座を作りに行かないといけないからはやく寝ようと思う。

ほんとは今日行く予定だったんだけど、朝眠くて行けなかったんだよ。

肺がずっしり重い気がする。

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