2022/01/29

 現在ロシア軍の侵攻の脅威にさらされているウクライナであるが、関係各国にはいろんな意味での温度差がある。先頭に立って煽り立てているのはアメリカとイギリスだが、相変わらず「軍事侵攻したら経済制裁だ!」などと間の抜けたことを言っている。


 先般8500人規模の米軍部隊がヨーロッパ派遣の準備に入ったと報じられたが、いまだ米英の首脳の口から「何としてもウクライナを防衛する」との言葉は聞こえてこない。武器はウクライナ側に渡しているとはいうものの、ドズル中将ではないが「戦いは数だよ兄貴!」である。陸軍兵士の数が圧倒的に違い過ぎるのだ。この部分が解消されない限り、ウクライナ軍や民兵がどれだけ頑張っても結果は変わらない。「もしかしたら欧米はロシアを非難する口実が欲しいだけで、ウクライナがどうなろうと構わないと考えているのではないか」と、ウクライナが疑心暗鬼に陥ったとしても仕方あるまい。


 27日、ウクライナのゼレンスキー大統領とアメリカのバイデン大統領が電話会談に臨んだのだが、ウクライナ側からは「不調に終わった」(CNN)との声が漏れているそうだ。


 バイデン大統領はゼレンスキー大統領に対し、


「ロシアが2月にウクライナに侵攻する可能性は十分ある」(ブルームバーグ)


 と警告したが、ゼレンスキー氏はロシアの侵攻に対し「危険だが曖昧だ」との見解を示した模様。そらまあウクライナとすれば、「危険だ危険だ」と煽り立てるだけ煽り立てて、「でも経済制裁しかしないよ」とか言うくらいなら黙っていてくれと思うだろう。


 いったいアメリカはどこまでウクライナを助けるつもりがあるのか、もしくはないのか、いい加減に明確にすべきではないか。どうもいまのアメリカには西側のリーダーという自覚がないように思える。まあ、バイデン氏にリーダーシップを求めるのが無理なのかも知れないが。




 ウクライナの情勢緊迫化を受けて、日本大使館も一部職員の退避を始めた模様。取り越し苦労に終われば良いのだが。

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