第四話


 ◇ ◇ ◇ 四日目 午後六時 二分


「しくじって捕まると思った? 残念。憎まれっ子は、世にはばかるんだよなぁ~」

「自分で言うな。自分で」

 俺は三人組のアジトから脱出して、ホズに指定されたスラムの通りで合流した。

 辺りは既に夕日が降り始め、建物群が赤く濡れている。

 ホズのダークスーツと赤いYシャツの装いは、その景色に交わると死神にしか見えなかった。

 だが今の俺にとっちゃ守護神である。敵チームに見つかる前に合流できて何よりだ。

「立ち話もなんだ。私の行きつけの店に行こうじゃないか」

 俺はタダ飯の気配に頬を吊り上げ、酒を飲むハンドサインを行う。

 ホズはそんな俺の肩を小突いて笑う。

「おっ。奢り?」

「しょうがないな。コイツめっ」

 俺達は路地から出てホズ先導の元、スラムの通りを歩く。

 歩道の傍に並ぶ不法駐車の車が、幾つか爆発炎上していた。

 夕日が降りたパンクシティの治安は、昼間とは比べ物にならない。

 街中のネオンが煌めき、際どい服の老若男女が犯罪行為を繰り返す悪人の楽園だ。

「酷いゲームだ」

 ホズは失楽園の様を見てそう言いながらも、最低でも五年はやっている。

 しかもトップランカーという事は日課になる頻度で。

「それでもやってるのは、人を殺せるからか?」

「良く分かってるじゃ無いか」

 冗談でブラックジョークを飛ばしたら、素直に頷かれちまった。

 その後も同じようなジョークを飛ばし合っていると目的地につく。

 俺はホズの行きつけと聞いていたので、綺麗なカフェテリアだと思っていたが……。

 到着した店はスラムの一軒家だった。

「意外そうじゃないか?」

「そりゃぁ、アンタの普段の言動からするとね」

 ホズの見た目はまさに、できるリーマンスタイルだ。

 ピシっと決めたスーツとネクタイ。鋭い風貌。

 少なくとも普段の言動も相まって、ハイソな好みだと思っていた。

「それはそうだが……私とて食事は故郷のモノを取りたい」

 ホズが扉を開けて入店したので、俺も続いて中に入る。

 扉を潜るとそこは外とは五感の全てが違う場所だった。

「うお、別次元!?」

「そうだろう? 外と内の温度差。これが醍醐味なのさ。ほっとする」

 店内は暖色系の照明で照らされた、十組程の椅子と机がある大衆レストランだ。

 入口部にはレジとショーウィンドが並び、持ち帰り用の焼き菓子が飾られている。

 奥にある厨房も丸見えで、漏れ出す湯気がスパイシーな匂いを店全体に伝えていた。

 ホズが勝手に席に座ると、おばちゃんウェイターに慣れた口振りで二、三品程注文を行う。

「うーん? アジア系じゃないな、何を頼んだん?」

「スペイン料理。その伝統食さ」

 スペインの伝統料理……ってそういえばさっき故郷の料理屋だと言っていたな。

 って事はホズはスペイン人だったのか!?

 ダークウェブ上の違法ゲームなんて場所だから、ホズの身元は諸説あったが……。

 俺の驚いた顔を見たホズは、ニヤリと笑うと俺を見透かす様にこう言った。

「そういう君は日系人だろう? それならイケる筈だよ」

 俺の中でスペインと言えばスパイシー料理の宝庫だ。

 しかも現地人がお勧めする料理……期待度がグっと高まる。

「それじゃぁ料理が来るまでに、君の成果を聞こうか」

 ホズの奢りって事もあり、俺は素直に潜入した結果を吐いた。

 セキュリティは三つ。エレベーターの鍵、その起動パスワード。そして部屋の鍵。

「ふぅむ。中々厳重だな。警備のNPCは?」

「居ないけど警察の交番が近いから、ド派手な戦闘はNGや」

 俺は懐から街の地図を取り出すと、ボールペンで地理を説明する。

 ホズは唸りながらも、難しい顔はしなかった。

 『前科』が高いせいで、この程度は障害にもならないのだろう。

 又は見つかっても、その暴力性で何とかなるのか。

「セキュリティの内、エレベーターの起動キーは今日まで使えるぜ。残り二つは……じゃん」

「おっ、まさか?」

 そのまさかである。三人組のアジトに予備のキーが合ったので拝借してきた。

 これがあればエレベーターの扉を開き、起動キーで昇り、部屋の鍵を開けて……。

「後は殺し合い。私の領分だな」

 そういう事だ。緊急避難階段も無いから、これで本当に俺の領分は終わりだ。

 ホズも完璧な仕事に大満足で、軽く拍手しながら上機嫌に言う。

「でかしたっ。君から見て何か注意事項は?」

「明日以降に行くと起動キーを調べ直さないといけない。そうなると時間がかかるから……」

 俺の渋い顔を見て、ホズは安心させる様に微笑む。

 お互いミリオン・パンクに長いだけあって、ゲームの定石は理解している。

 そしてホズは損得勘定が得意な男だ。でなければ俺を受け入れる事はしない。

 彼は指を鳴らし、俺から鍵を受け取ると懐にしまった。

「鍵を盗んだ事がバレると。予定通り、今日中に仕留めようか」

「そう言ってくれて助かるぜ。バレたら計画の練り直しやからな」

 やり直せとか言われなくて良かった。流石に次は怪しまれる。

 俺はほっと一息つくと、ウェイターが現れたのを見て姿勢を直す。

 その手に持った料理盆から、美味そうな匂いと湯気が漂っていた。

「おぉっ! 待ちかねたよ。マッシュルームのタパスに、トマトのブルスケッタだ」

「うわぁ。メチャクチャ美味そうじゃねぇか!!」

 運ばれてきた二皿は、それぞれ俺の想像していたスペイン料理とは違った。

 一皿目はマッシュルームを六つ程、傘を仰向けにしてあるアヒージョだ。

 軸部分が取られており、中には具材が詰めてある。

 二皿目はバケットの切身が六つ程並んだ皿で、トマトの和え物が載った料理だな。

「いただきまぁす!」

「存分に食べたまえ。明日からも働いて貰う事になるからな」

 俺は爪楊枝が刺さっているマッシュルームを手に取ると、半分程を口に含む。

 そのキノコを噛みしめた時、俺は味覚障害か視角障害を煩ったんじゃないかと錯覚した。

 噛む度に溢れる汁と弾力、ソレは分厚いステーキのソレだ。溢れる旨みが止まらない。

 詰物のオニオンガーリックのスパイシーさも混ざり合えば、甘みが一層増すのだ。

「……っ!」

 洋食に良くある大味ではない。オリーブが混ざる度に、口の中で味が変化する。

 この料理には一口で、肉の百グラム分の食べ応えと旨みがあった。

「うっまぁっ!! うまっ、うめぇっ!!」

「はっはっはっ、良く噛みたまえよ。はっはっは!」

 続く半分を口に放り込み、ほっぺも使って食事を楽しむ。

 スパイスによって甘味と塩味と辛味が無限に変化していく。

 慣れない味付けに、俺の脳が脳内麻薬をドバドバ出していた。

 何でも良いから寄越せと叫んでいた腹は、この料理をもっと寄越せと暴動を起こす。

「タパスだっけ? 何でこんな美味いのが日本じゃ無ぇんやろ?」

「タパスは小皿料理の意味でね。本来はメイン料理では無いからな」

 俺はホズのアニキの話を聞きながらも、口と手を忙しく動かす。

 ワインが欲しくなる味だぜ。欲しくなるが……殺し合いの最中に飲む訳にも行かない。

 生き残れば、幾らでもコレが食える。我慢我慢。

 俺がタパスのお代わりをウェイターに要求していると、ホズが二皿目を差し出してくる。

「こっちも食べなさい。オリーブを食べれば次はコレだ」

 ホズから俺に差し出されたのは、二皿目のバケットだった。

 トマトが上に乗っている所がスペインっぽい。

「成程、成程、成程成程」

「一口食べれば、私がこの料理を頼んだ理由が分かったろ?」

 あぁ……コレはご飯だ。スペインではパンをご飯代わりに食べるらしい。

 濃口の味付けで口から水分が奪われていた俺の味覚が生き返る。

 そしてパンがご飯ならば、上のトマトは味噌汁か。

 トマトに凝縮された爽やかな味。それがパンに滲んで、口内の油を拭ってくれる。

 俺が夢中になってる姿に、ホズはご満悦だ。

「そういやアニキは、どうしてこのゲーム始めたん? そういうタイプに見えないけど」

「前にも言ったろう? 人を殺す為……いや、正確にはリアルで人を殺さない為だ」

 う、うぅん? 何言ってんだコイツ。

 ホズは俺が目を白黒させている事に気づいたのか、躊躇った末に補足してくれた。

「君には話しても良いか……私は生まれつき、殺人衝動を抱えていてね」

 凄ぇ。のっけから全く共感出来ない言葉を吐かれた。

 ホズも自覚はあるのか、淡々と話し始める。だが何かを恥じている様子は無い。

 彼にとっては長く付き合ってきた問題なのだろう。

「幼い頃は動物を殺して誤魔化したが、耐えられなくなってね。その時に出会ったのが……」

「ミリオン・パンク?」

「そうっ! リアルと変わらぬ空間で人を殺せる……今でも初めてのPKを思い出すよ」

 まぁ偶にだが、このゲームにはこういう奴も居る。

 人を殺す事に、何か特別なモノを感じるタイプだ。

 だがホズは更にそこから一歩先を行っていた。

「だが数年続けていると、徐々に飽きも来るものだ。私は随分と恐怖したよ」

 俺は料理を口に詰め込みながら、ホズの表情を観察する。

 長年溜め込んでいた悩みなのだろう。彼の言葉は喉から絞る様につっかえていた。

「このゲームに飽きたらリアルで人を殺してしまうんじゃないかと。だけどそうはならなかった」

 運営がホズの異常性に気づいたせいだ。

 ホズは運営の招待を受け、デスゲーム初参加から通年五年の間。勝利し続けている。

 俺が知ってる情報と一致している。だけど……

「こう言っちゃなんだけど、リアルで人殺しは……」

「無いよ。デスゲームで、という意味なら三十名以上を殺しているが」

 はぇぇ……俺はホズをリアルでも、バコバコ人殺しまくってると思ってたよ。

 だけどお陰でホズに感じていた恐怖心が、少しだけ薄らいだ。

 俺達はそれからも夢中になってお喋りを続けた。具体的にはこれからの作戦タイムである。

 悪巧みしてる時間が、このゲームでは一番楽しい。

「さてこれからの話だが、予定通りだ。私は攻め込むから、君は自由にしてて良いぞ」

「うぅっす。明日からの為に情報収集でもしてま~す」

 ホズがあっけにとられた顔で「えっ」と言葉を漏らした。

 完全に俺が真面目に動くと思っていなかった顔だ。

 俺はフォークをねぶりながら、抗議する。

「何だよその顔は。俺が小遣い貰って、何すると思ったんだ」

「クスリでもキメて、風俗にでも行くのかと……」

 このゲームは表社会では禁止されている、あらゆる行為が出来るからな。

 当然だがそこら辺を外す運営じゃない。

 その気になればドラッグカルテルをプレイヤーで作る事だってできる。

 但し俺に商才は無いので、もっぱら消費者側だ。

「普段はね。命がかかってる状況でソレはきついわ」

「本当に君は日系人か??」

 ホズはそんな俺を訝しむが、まぁ良いと頷いた。

 失礼な奴だな……日本人の大半はゴハンキメて、寝ながら携帯いじれれば幸せなんだぞ。

 俺はそこにちょっと、スリルを求めるだけなんだ。

「そういやアニキ、俺の『お隣さん』はどうする?」

 一定時間後にパーティやフレンドをその場に呼ぶ事が出来るスキルだ。

 他のオンラインゲームには良くある機能だが、このゲームでは珍しい移動スキルでもある。

 問題は他のジョブならば上位互換が幾つかある事だろう。

 それと関係は無いだろうが、ホズは俺のスキル使用に首を横に振った。

「えぇ。意外と信用ないなぁ~」

「そうでもない。君は良くやってくれた。驚く程にね」

 ホズのアニキは机上の空皿を見ると、突然、自分のキャラクタービルドについて話し出した。

「私は『殺人狂(シリアル・キラー)』により、四十八時間に一度はPKをしなければいけない」

「おおう……あのスキルか」

 人を殺せなかった場合、ステータスが永続的に減少するデメリットスキルだ。

 俺が大嫌いな、行動制限スキルの類である。

 人間はルーティーンを守るのが苦手な生き物だから、このスキルは外れ扱いされていた。

 ホズの場合は人を殺すのが日課だから構わないのだろう。それに何より……。

「君は行動制限を嫌っているが私は違う。デスゲームに勝つ為のビルドだからね」

「ふぅん。となるともう一つも?」

「いやそっちは違う。一般人系のジョブを『隷属』させられないモノだ」

 あぁ、アンタにとっちゃどうでも良いわな。

 『魅力』が低いステータスなら、誰かを『隷属』させる事も出来ないし。

 俺が羨まし気に見てると、ホズは口元を拭いてフォークを机に置く。

 既に俺達は食事を終えて、飲み物も飲み干している。これが最後の会話だろう。

「俺にそんな事を話して良いのか? 裏切るかもしれねぇぜ?」

 デメリットスキルは時にプレイヤーを殺すきっかけになる。

 ホズは俺の質問に目をしばしばさせるが、口元を緩めて答えた。

「裏切る奴はそんな事を言わないさ。それに……私が弱点を晒した事には理由がある」 

 用済みだから死ねぇっ! じゃない事を祈るぜ。

 俺の顔色が青くなったせいか、ホズがぷっと噴きだした。

「私が君を、組むに値するプレイヤーだと認めたって事さ」

「……フヘヘ。正面から世界一位のプレイヤーに褒められると、照れくさいぜ」

 実際に俺もホズを友達として受け入れている。

 頭はおかしいが、会話は面白いしゲームも強いし話も分かるからな。

 もっと早くに出会っていれば、フレンドとして共にゲームを挑んでいたかもしれない。

 そして……ホズも俺に対してそう思っている。と思うのは傲慢だろうか。

「それじゃぁ、食事も終えたし出ようか。またな、オノイチ」

「あぁ、さようなら。ホズ」

 そんな簡単な言葉で、これから殺し合いに向かう友達の背を見送った。

 かといって手伝いに行ったり、こっそり様子を見る事もない。

 俺にはやることがあるからな……急いで新聞社に行こう。


 ◇ ◇ ◇ 四日目 午後一○時 五一分


 スラムの深夜は血と硝煙の匂いで満ちていた。

 星空は冷たい寒風を吹かせて、路地裏を走る一人の男を見下ろしている。

 男の名はホズ。ダークスーツと赤いYシャツを纏った『殺人鬼』だ。

 彼はこの世界の生態ピラミッドの頂点に君臨している筈だが、今の彼にそんな威厳はない。

 腹から流れる出血を抑え、顔には冷や汗を満遍なく掻くばかりだ。

「やろぉ……雑魚の分際で、この私に恥をかかせるとは」

 ホズは恨み節を吐くが、背後から車のエンジン音が迫るとダストボックスの影へ身を隠す。

 通り過ぎた車両は、俗に言う一般NPCのモノだった。

「逃げ切……ったか?」

 ホズは周囲を注意深く観察し、追手の姿が無い事を確認して携帯電話を開く。

 数秒後、電話口に出たのはホズのパートナーのオノイチだ。

「あれ、アニキっ!?」

「おぉっ、オノイチ君。起きてたか、良かった」

 電話越しのオノイチが、ホズの電話を出るなり驚いた声をあげる。

 重傷のホズには毒なのか、不愉快げに携帯電話を離すが声音には安堵の色が滲んでいた。

 少なくとも出血多量で意識が朦朧としているホズには、救いの神に違いない。

 ホズは襲撃先であった事を手早く報告する。

「奴らのアジトに『首領』が待ち構えていてね。手傷を負ってしまった」

 絶句しているオノイチに、ホズは眉間を手で揉んで苛立ちを抑える。

 紳士的な態度を取っているが、ホズはメッキが剥がれる程に消耗していた。

「とりあえず迎えに行くわ! アニキの現在地は?」

「奴らのアジトからそう離れていない。場所はスラムの南寄りだ」

「スラム南西なら……俺のアジトで合流でええ?」

 その言葉にホズは一度訝み、次に頷いた。

 このゲームでは四十八時間毎に、所持品が消えて初期アイテムは復活する。

 つまり二日目にホズが破壊したアジトは、既にリスポーンしている筈だ。

 オノイチが提案したからには、アジトに治療道具位は置いてあるのだろう。

「気をつけろ。敵は集団だ。しかもシステムアシストを無効化してくる」

「集団って……敵チームと組んでるとか?」

「分からん。だが私は十人以上の狙撃手に狙われている。何が起きてるのか……」

 通常のホズのステータスならば、不意打ち程度はシステムアシストで気づける。

 だが彼の全身に穴を開けた狙撃には、何故かシステムアシストが通じなかった。

 ホズはその身を以て脅威を理解しているが、オノイチの反応は鈍い。

 それが一層ホズを苛立たせるが、喧嘩してる余裕さえないのだ。

「うーん。それだけの情報じゃなぁ」

「分かっている。とにかく君は、車のエンジンを暖めておけ」

 ホズはそう言うと携帯電話を切って路地を進む。

 足下もおぼつかず視界も滲むのか、彼の表情は追い詰められていた。

 そして裏路地を出て、ホズが大通りに顔を出した瞬間……。

「またかっ!?」

 顔の真横の生垣が、突然弾ける!

 続けて周囲の建物が、赤く点灯がしては次々に穴が空く……狙撃だっ!

「クソったれぇっ!」

 ホズは道路に飛び出すと、道行く一般人を『殺人鬼の盾』で壁にしながら走った。

 当然だが街のいたる所から、彼に向かって罵倒やスラングが飛ばされる。

 そんな些細な事さえ気にかけられない程、ホズは追い詰められていた。

「あの『首領』のスキルかっ!? こんな強力なモノがある筈……ッ!」

 ホズは数分前に、敵対チームのアジトでとある男性プレイヤーと対峙した。

 敵は『首領』と呼ばれる強ジョブである。それは良い。

 三人組だというのに、一人しか居なかった事も、襲撃に気づいていた事も許せる。

 問題は戦いの後から、おかしな事ばかり起きる事だ。

「何はともあれ、合流だっ!! その後は反撃に転じてやるっ!!」

 最強のプレイヤー。ホズの瞳は疲労と焦燥感で濁りながらも、的確な動きで射線を切る。

 それでも弾丸は虚空から放たれる様な機動力で、ホズを狙い続けた。

 濃密な十字砲火の嵐をくぐり抜けるのは、歴戦プレイヤーであるホズでしか出来なかっただろう。

 彼が合流地点に辿り着くまで、そう時間はかからなかった。

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