2話 アスタリスク

アスタリスクは5年前に活動を始めたボーイズアイドルグループで、最初は地下の小さな会場だったが

次第に人気で出て、数ヶ月前メジャーデビューを果たしたばかりだった。


メンバーは全員下の名前の1部を切り取ったものを呼び名として活動していて、フルネームは公開していない。

赤担当のコウ

黒担当のレン

青担当のアイ

緑担当のセイ

黄担当のヒロ

の5人組

人気もこの順だった。


最初に連絡を取ったのは、アスタリスクのメンバーカラー黄色のヒロだ

本名は松蒲公英まつうら ひろひで


最初に彼を選んだ理由は簡単だ

軽薄で口が軽そうだから

ある事ない事ペラペラ喋ってくれそうという期待からだ。


私は正直、松浦の事は好きではい

人気がないのも本人の努力不足な面が大きい。

顔はパーツの配置は悪くないけれど、他のメンバーに比べれば華がなく、地味な印象だ。

それを補うためか髪色はいつも派手にしているけど、顔の地味さを悪目立ちさせている。

それでいてダンスも歌もメンバーの中で1番下手。

それなのにファンへの対応は可愛い子を露骨に優先することで有名で、気に入られれば繋がれる可能性が1番高いからと、顔に自信がある子は彼のファンを装って近付くが、本当に繋がったら他のメンバーを紹介してと言われるパターンばかりだ。

彼をアイドルとして推してる人が居るのか正直疑わしい。


彼が居なければ、アスタリスクはもっと早く人気が出ていたのではないかとすら思っている。


そして全ての始まりで、全ての元凶

無自覚で無知で無責任

居なくなるなら、コイツの方が良かったのにと、私は心から思う。

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