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「僕の、じゃないよな…」
クラスの誰かから貰ったものかもしれないと、一瞬考えたが、こんなものを貰った覚えはない。
誰かの荷物が、自分の鞄に間違えて紛れてしまったのかもしれない。
躊躇いはしたが、このままにする訳にもいかないので、一思いに封を切る。
中には、封筒と同じ、淡い水色のチケットが一枚と、メッセージカードが入っていた。
メッセージカードには、癖を感じさせない無機質な文字で、こう書かれていた。
ー 御招待券
友坂紫苑様
貴方様を、今宵上映されるレイトショー「卒
業式」に御招待致します。
開演は、星が目覚め始める、二十時丁度に。
御入場の際は、こちらのチケットをお持ちに
なって、桜川中学校の正門前に咲く、桜の木
の下へお越しください。
その場で、時間きっかりに、このチケットを
半分に破いて頂ければ、劇場内へご案内致し
ます。
それでは、
友坂様の御来場、
心よりお待ち申しておりますー
チケットには、今日の日付と、二十時という時刻、そして、レイトショー『卒業式』、という文字が記されている。
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