第12話 人員配置
「どうだ?」
野太いフェリテの声。正直、羨ましい。スピーチをする時にもこれ以上に無い武器になる。
海軍志望が7
陸軍志望が10
工場長志望が28
鉱山長志望が13
「流石に海軍が少なすぎる。」
「だよな〜」
「寧ろ陸軍はまだ小さくて良い。」
そう。数が揃えられない以上、数万もの兵士を全て漏らさずゲリラ攻撃で殺害するよりも、上陸前の数隻の軍艦を沈める方がずっと現実味がある…完遂するには。今回は上陸させない前提なのだから、陸軍は半年以上の猶予がある。国営企業の方は…少し多い気がするがその分には問題無い。戦時に於いては、工業力は国家の生命線だからだ。
「陸軍志望の人は海軍に変更になる可能性が高い。良く考えておく様に。じゃあ鉱山長志望の13人は執務室までついて来てくれ。」
それぞれに大体の仕事を伝え、工場長志望で建築の心得がある者には色んな館を建てる資材と共に3日後までには戻ってくる様に言った。そうで無い人はこの館の空き部屋に泊まるだろう。
「あとは陸軍志望者か。日も暮れているし早く終わらせたいな…。」
途中まではフェリテも授業に付き合っていたが、また誰かが着いたとかで出て行ってしまった。
全員揃ったのを確認してから言った。
「陸軍志望な理由を教えてくれる?右端から言って。」
「閉所恐怖症だから。」
「船に乗った事がないから。気になるけど。」
「船には酔うから。」
「沈没したくないから。」
「泳げないから。」
「同じく。」
「任されるであろう船を信用できないから。」
「海を見た事がないから。」
「目が悪くて足を引っ張るから。」
「直接戦いたいから。」
「言い分は分かった。そして幾つか勘違いがある様だから訂正するけど、陸海関係無く泳げる様にはなってもらう。海軍ならまずどう考えても必須だし、陸軍は今回の戦闘には参加しない…事を願っているから、それまでの間、泳ぐ訓練もする。船に関してだが、おそらく船乗りでもあまり経験が役に立たない物になる。視力もあまり必要無い様な物でもある。どうだ、海軍に入ってみないか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます