第11話 中間管理職の採用

「久しぶりだなトネ殿。」


「何年ぶりでしょうか。」


「30年は下らないな。」


「ところで隣の変わった服装の方は?」


「赤原です。」


「帝国との技術格差による問題を解決すべく招いた。」


「赤原殿。この国にどうか昔のような繁栄をもたらして下さい。」


「恐縮です。ところでトネ殿、あの群集の中から文字が読める者を玄関の中に連れて来れますか?」


「できます。その他の者はどう致しますか?」


「兵士、職人、坑夫のどれになるかを選ばせて、そしてそれぞれの希望者人数を教え下さい。」


「勿論。では行って来ます。」


「あっ、集計したら、三日以内にここに戻って来れる人はあらゆる道具を買い取るから家に取って来いと伝えてくれますか?家は倒れていても、道具は残っているはずです。武器・工具・調理具とか何でも。」


「なるほど。そして帰ってきた所で組織に。」


こいつが王様で良いのではないかと思ってしまったフェリテであった。




あれだけの人数が外に居たのに、玄関に案内されたのは少なかった。50人程だろうか。


「文字が読める君たちには他の者を率いる立場としてこれからそれぞれが働く分野について学んでもらう。今日から三日間で一通りの事は身につけて欲しい。君たちには海軍士官、陸軍士官、工場長、鉱山管理の何れかを選んでもらいたい。」

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