第10話 新しい仲間
「潜水艦…恐ろしいな。しかしどの様に攻撃する物なんだ?」
「どうとでもなる。」
「どうとでもなる、とは?」
「衝角付ければ潜ったまま突っ込んでも良いし、爆雷を置いて逃げても良いし、浮上して砲撃しても奇襲になるし、魚雷を遠くから放っても良い。」
「爆雷と魚雷は何だ?」
自分の話す事に興味を持ってもらえるのは心地が良い。
「どちらも火薬の塊と思えば良い。爆発で船に大穴を開ける。爆雷はそれだけだが、魚雷は自ら魚の様に敵に向かって進んで行く。これはまだ難しいがな。」
「…恐ろしいな。」
「だから何よりもまずは火薬を大量に作りたい。」
「なるほど。それで懸命に鉱山を探していたのか。」
外から群衆の声がした。
「何だろう。外に行ってみるか。」
外に出ると辺り一面が人で埋っていた。すると岩の上に一人で立っている男が言った。
「お前達はフェリテ様と共にこの国を帝国から独立させる力がある!やる気はあるか⁉︎」
『オー‼︎』
答えとしては宜しくないが、それが群衆だ。
感極まっている隣のフェリテに聞いた。
「もしかしてあの人が…」
「そうだ。トネ殿だ。」
トネがこちらに気づいた。
「私、トネはそちらにいらっしゃるフェリテ様と今後について話す‼︎皆、しばしの間、待っていてくれ‼︎」
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