第9話 あらゆる資源
まず圧倒的不利を覆すには奇襲は前提条件と言っても過言ではないな。奇襲…外交的、地域、方角、移動速度、陽動、新兵器、裏切り、伏兵、そして時刻と言ったところか。今聞いた技術レベルなら単に夜襲なだけでかなりの効果は得られそうだ。まず夜襲を前提として、海での軍事力は…潜水艦ができればどんな武装であれ圧倒できるのにな…。ダメージコントロールの概念が無い事は保証できないが、歴史はある程度一つの形に収束する。あったとしても、現代の地球の日米二大ダメコン先進国には遠く及ばないだろう。火薬の原料は…資料の方に期待だな。魚雷は無理でも、爆雷でも接近さえ出来れば十分戦える。これは地球でやっていたビデオゲームの体験談だ。機銃だらけの防空駆逐艦とかでなければ…しまった!戦列艦の弾は中々当てられないけど近づくと毎分100発以上の、恐ろしいことにランダムな砲弾の雨に晒される。…何らかの潜水艦は必要だ。こちらは人材も船もまともにないんだ。損害比を無限大に、最低でも5以上するのが理想だが…
そんな事を考えているとけたたましく扉が開けられた。
「ハヤテ!トネ殿が到着したから彼に人集めを頼んだ。そしてこれが館に残っていた資料だ。」
「見せてくれ。」
1枚目は確認されている資源の概要だった。
石炭、鉄鉱石、銅鉱石、錫石、蛍石、硫黄…
そしてその字を見た時笑みが溢れてしまった。
『硝石』
急いで詳細の書かれた紙を探した。
そこには「洞窟の中に動物の一切いない池があり、その一帯は硝石でできており、池も硝石が溶けている。」
「この場所はどのくらい離れているんだ?」
「山脈の近くだから一週間ぐらいか?」
「近くはないか…」
「ところで戦列艦への対抗策は?」
「そんな直ぐには思いつかないよ。水に潜る潜水艦は今の所最有力候補だよ。」
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