第8話 隠れた「思考」錯誤
万単位の敵が来るのか…。ゲリラ攻撃をひたすら繰り返したとして、一回で100人程殺せたとして、2万なら200回か…。
平均して1日1回なら200日。こちらが一万の兵士を確保できたとして、半分の100日ぐらいで決戦に持ち込め…無いか。100日も有れば相当な人数が回復してしまうな。その他に毒の混入、野生動物の突進、火事とかを使って1000人位から毒の混入を効果的に成功すれば、更に2000人は殺せるか。いくら士気の問題があちらにあったとしても、こちらも装備や練度で大幅に遅れを取っている。そもそもその間に援軍が呼べてしまう。かなり危ない賭けだな。そもそも訓練を2ヶ月ぐらいで終えられのか…?
武器も相手はマスケットを持っていると見て良いだろう。大軍で行進、射程に入り次第一斉射撃といったところだろうか。せめて地雷を作れれば撃退出来そうだが…火薬や信管から作らなきゃいけない。地球にいた頃、民間人の被害を報道で知って心から憎んでいた地雷がここまで欲しくなるとは…。黒色火薬が作れれば導火線を使った手榴弾で陣地防衛に徹するか?でも戦列艦があるなら野砲や攻城砲、迫撃砲とかはあると考えるのが自然だ。陣地がそれらに耐えられるという前提が崩れれば一気に壊滅する。大掛かりな仕掛けを作ろうにも、一帯が平原だ。仕掛けようが無い。
海軍の戦力に関しては絶望的だな。一隻も軍艦が無い。そもそも漁船もあるのか?ここから見える海には一隻も船が無い。相応な技術で作ったら草船とか、木の幹をくり抜いたカヌーとかになりそうだ。もしそうだとしてどう戦えば良いんだ?漆かセメント、最悪木タールを使って隙間を詰めて「艦」を作れたとして、砲はどうする?鋳造技術はないらしいのに?錫の鉱山が有れば青銅という選択肢があるが、初めて作るものが大砲だというのもリスクが高い。そもそも、一般的に完成度が低いと言われるような砲でも、1キロは大体が飛ばせるし破壊力もある。万が一相手に榴弾があったら…やめておこう。とにかく良い砲は作れないし、大量生産などもってのほかだ。少なくとも120門掛ける10で1200門の砲が来ると言うのに、より少数の同じ武器で戦おうとする方がおかしい。この国本来の国力ならその数を何とか出来なくはないだろうが、そもそも地方には工房すら無かったりするし、この無駄に広い国で伝えている間に敵が到着してしまう。
そういえばゲームの中とはいえ、昔、高速砲艇で戦艦を相手に善戦した気がするな。どうしてだろう、魚雷も無かったのに。あっ、接近して爆雷を投下からの逃走で沈めていたんだっけ。…「高速」砲艇だからできる荒技だな…第一に時間的な余裕を考えて、たったの2ヶ月で高度な操船技術が必要な僕の必殺技を「現実で」できるとは思えない。
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