化かし愛

破竹

第1話

「そのねー誰にでもいい人ぶってる感じがひっじょー…に気に入らない!」


「…急に理不尽な事言い出した。あぁ、もうほら、ビールこぼしてる」


「君は嘘つきなんだよ!?誰に対しても本音言わにゃいし、大概の事はニコニコ笑って流す!!ホントを言わないは嘘ちゅき!」


「噛んでるよ。ほらおしぼり、あと烏龍茶頼むから飲みなよ」


「この前も後輩の子の誘いを上手くかわしてたじゃん!なにあれ!なにあれ!断ったのに好感度上がるとかチートかよ!」


「いやぁ、今後も職場で会うのに気まずい感じは避けたいでしょ。てか、好感度上がったりはしてないと思うけど」


「いーやー上がったね!私は知ってる!あがっ…あ、烏龍茶こっちでーす。ありがとうございますー」


「それ飲んだらもう出るよ?」


「…っとっと、へいへーい」


「足元ふらついてんじゃん、一旦トイレいってきな。会計は済まして外で待ってるから」




「おっまたせー!ベロンベロンでございまぁす!」


「あ、うん。知ってる。ほら潰れる前に帰り着くよ」


「にえっへっへっ。ホテルでもいくー?」


「………冗談言ってないで。ほら行くよ」


「なんだよもー!ノリ悪いなぁ!」




「…いやいやいや、まさか…歩きながら寝だすとは」


「…zzz」


「背中に当たる感触は男子の特権かもしれせんが…チョットオモイカモー」


「…zzz」


「…狸寝入りでもなさそう…かな?」


「…zzz」


「流石にタクシー拾って家まで送らないといけないよなぁ」


「…」


「俺の家の方が近いんだけどなぁ…いやいや、ダメだ。そういうのは、ちゃんとしてる時にはっきり伝えてからじゃないと。そういうのはきちんと…」


「めっちゃ伝わってるけど」


「………やらかしたぁ」

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化かし愛 破竹 @hachiku

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