第四話 告白
ブライアントはポーリシアの話を真剣に聞いてくれた。
「そんなことがあったのか……。つらかったね。解放されて本当に良かった。本当に。婚約者をなんだと思っているのか。僕なら婚約者をそんな扱い絶対にしないよ」
ブライアントの眉間にシワが寄っている。真面目な性格のブライアントには受け入れられない話だったようだ。
「お兄ちゃんはそんなこと絶対にしないね。あーあ、お兄ちゃんが婚約者なら良かったのに」
「んーそうだなぁ。ポーが婚約者なら僕も嬉しいな」
ブライアントは笑顔になり、眉間のシワはいつの間にかなくなっていた。
「もう! 冗談だと思って合わせてるでしょ? わたし本気だよ! そんなこと言われたらお兄ちゃんのこと諦めなくなっちゃうよ」
(お兄ちゃん好きだよ。本当に好き。好きだよ。好き)
ポーリシアはブライアントの服を掴んで可愛らしく怒ってみせた。
「ポー、そんなこと言われると僕も勘違いしちゃうよ?」
ブライアントは照れながらポーリシアの頭に手を置いた。
「勘違いしてよ。お兄ちゃんと結婚したい。小さい頃からのわたしの夢なの」
(もう駄目。もうここまで来たらお願い、届いて。この気持ち)
「ポー……。ありがとう。ポーがそう思ってくれてるって本当に嬉しい。ずっとお兄さんとしか思われてないと思ってたから」
「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ? 大好きなお兄ちゃん。結婚したいくらい大好き」
「僕も好きだよ。ポー」
ブライアントは急に真面目な顔になった。ふたりの間に少しの沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのはブライアントだった。
「結婚しよう。お互いの両親にはちゃんと話そう。僕らの家柄なら反対はされないさ」
「お兄ちゃん……うん。結婚したい。ありがとう」
ポーリシアは泣きだしてしまった。そんなポーリシアをブライアントは優しく抱きしめた。
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