第三話 大好きなお兄ちゃん
婚約破棄騒動から三か月が経っていた。ポーリシアは幼馴染のお兄ちゃん、ブライアンのところへ遊びに来ていた。
「お兄ちゃん本当に久しぶり! もしかしたら聞いてるかもしれないけどわたし色々あったんだよ」
ポーリシアはブライアントと話す時だけはついつい子供っぽい口調になってしまう。
「久しぶりだね。少しなら聞いてるかな。大変だったみたいだね。まだお父様とはケンカをしているのかい?」
「もしかして心配してくれた? もうケンカはしてないよ。お兄ちゃんどこまで聞いてるの?」
「えっとね、僕が聞いているのは、ポーが友だちに嫌がらせをしてるっていう噂がでて婚約破棄されたってこと。それでお父様と口を聞いていないってことかな。もちろん僕はポーが友だちに嫌がらせをしていたなんて信じてないよ? 噂よりポーのことを信じてるから」
(噂を信じてないってわざわざ言ってくれるなんて、やっぱりお兄ちゃんは優しいな。お兄ちゃん大好きだよ)
「わたしのこと信じてくれてありがとう! 大正解! 嫌がらせなんてしてないよ! 婚約破棄された後に少し意地悪なことは言っちゃったけど……。婚約破棄されてわたし本当に良かったと思ってるんだ」
「良かったの? ポーが良かったんならそれが一番だね」
(本当にお兄ちゃんは優しいなぁ。お兄ちゃんにならエルヴィンの秘密言っても黙っててくれるよね?)
「お兄ちゃんあのね、実はわたしエルヴィン様の秘密の趣味のせいで苦しめられていたの。だから婚約破棄されて本当に良かったんだ」
「秘密の趣味? それは僕が聞いても良いものなのかな?」
「うん。本当は秘密にしないとだけど誰かに言いたかったの。お兄ちゃん誰にも言わないでいてくれる?」
「わかったよ。もしポーが僕に話して少しでもスッキリするんだったら聞くよ。聞かせて欲しい。もちろん絶対に誰にも言わない」
「ありがとうお兄ちゃん。じゃあ言うね……」
そうしてポーリシアはブライアントにすべてを打ち明けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます