第5話「メッサーシュミット発進!」

 団地若妻シリーズ。

 

 有閑ゆうかんマダムのれた体を間男がウリウリしまくるという、中学生大絶賛? の素晴らしいラインナップを誇る不朽の名作。


 近頃のロリ風潮なんぞ知ったことかと言わんばかり。

 イケイケ、アンアン路線をひた走る、若妻とは…そして、熟女じゅくじょとはこれだぁぁぁぁ!!

 という、監督のこだわりを全面に押し出した長期シリーズものである。


 当然、斉藤ママ似の女優も勢ぞろい!


 だからこそ、

 この股間のエレクチオンをしずめるためにも、熟女をベッドに組み鎮魂歌ちんこんかが必要なのだ。


 あ、鎮魂歌って、なんかやらしい響きだよね(笑)

 ひらがなで書くと「ちんこん歌」──ブハス。

 カタカナで書くと「チンコン歌」──ボッフ。

 両者織り交ぜると「ちんこンか!?」──グハハ。

 

 いや~、一人暮らしをしてると、こういう…どーでもいいことを口に出して言えるのがいいね!

 時々、人前でも出してしまうのが玉に瑕(きず)だが。

 

 あ、玉に瑕…(以下略)──ブハス! ボッフ! グハハ!(←略したところに何があったかは想像に任せます…──下種げす顔)


 っとぉぉ、

 しょうもないことで時間を無駄にしたぜ!


 危うく、我がバベルの塔が、時間とともに傾いてピサの斜塔しゃとうのようになってしまうところだった…

 いや、まぁ、普段から左寄りに絶頂ぜっちょうむかえるので、…ピサの斜塔と言えば、絶頂時は常にそうなのだがな!


 ここはあえて、スカイツリーのごとくまっすぐに立っている…起(た)っていると宣言したいではないか! ──そうだろ? 全国の男子よ!?


 なんか、曲がってるって…嫌じゃん?


 っと、また横道にそれたぜ…

 待たせたな、マイ嫁。


 俺的に「斉藤ママ」と呼ぶ、この女優の出番だ。

 そう、俺は、やはり斉藤ママ似の女優が出てるやつを選ぶ。

 イエェェス! 最近は、こればっかだぜぃ!! ──ふっふぅぅぅい


 ウィィン、ガチャコンと80年代ロボットアニメを連想させる音とともに、VHSが四角い口に飲み込まれていく。


 っと、

 ここで油断してはいけない。


 大音量で、いきなり濡れ場から始まることなんてザラだ。


 …男は一発で十分なのです。

 故にヌイた場面で止まっていることなんてザラなのでね!


 いきなり「アッアァ~~~ン」なんて嬌声(きょうせい)から始まるのだわ、これがまた。

 大音量での喘(あえ)ぎ声だと、速攻で守屋さんから壁ドンされるから慎重に…


 さて、始まりますよ!


 フフフ!

 期待感から、すでに股間には操縦桿が聳(そび)え起(た)ち、いつでも右に左に上下に運動可能だ!

 素早く、パン一(いち)になると、反動でナニがビヨヨ~ンと飛び出る。


 ほらほらダメだぞ~


 田舎の交差点のようにね、坊や・・が飛び出します!

 飛び出し注意っ、てね。──だろう? 飛び出し坊や。


 それではいざ逝(ゆ)かん!

 めくるめく官能の世界へ!

 俺は、改めて操縦桿に優しく手を添える。


 さあ行くぞ、俺のメッサーシュミット!!!


 これから始まるドッグファイトに、操縦桿からは機械油がまん汁がすでに漏れ始めている。

 おいおい、整備不足じゃないかね、君ぃぃ。


 どんどんと期待の上がるボルテージのまま、右手で操縦桿を握りしめると、いざ、発進!


 コォンタァ~ック!!


 ドイツ上空は俺が守って見せる!

 さぁ来いB17斎藤ママ


 ガシリと握りしめる操縦桿が熱い。

 あとはぐんぐん上昇していくのみ。


 戦闘はまだ始まったばかりだ。

 集中集中っ!


 ほんと、一人暮らしで良かった~!


 嫁とかいたら、のんびり操縦桿すら握ることもできずに日々戦闘経験がとぼしくなるところだぜ。


 しか~~し、一人暮らしとはいえ気を抜くなかれ。

 そう、ヌイても気を抜くな。


 守屋さんの壁ドンなど、

 …我が家では、実に様々な奇襲攻撃が予想される。


 そのため、初めてアダルティなヴィデオを入手し、親父のPCかビデオデッキで再生している中学生の様にリモコンを握りしめるのだ。

 

 そう、…左手には緊急着陸のため、四角のボタンに指を添えている。


 緊急時にはこれを押すのだ! ──要は「停止ボタン」です。


(君たちも10代の頃に経験あるはずだぜぇ。母ちゃんにバレない様にアダルティな奴を見たことがね!! その時はビクビクしながら見ていたはずだ! うん、多分)


 いつでも押せるように停止ボタンに手を添えて、抜かりはない。

 ヌイても抜かりはない!


 そうだ!

 パイロット諸君…警戒せよ!


 上を見ろ、

 右を見ろ、

 左を見ろ、

 下を見……


 うん───

 

 大丈夫…まだまだ元気…


 そ、

 それよりも───来たぜ来たぜ…ジョージが来たぜ!!

 くっそうぅ…馬並みじゃねぇか!!


 行くぜ電車ゴッコ!!!


 守屋がどうした!?

 壁ドンなんぞ怖くない───


 邪魔するならやってみろ! 

 ふっふぅぅぅい!


 いつでも来い!

 停止ボタンは我が手にあり!


 これで勝つる・・・っっ!


 何せ、この部屋には色んな邪魔が入るからな。

 守屋の壁ドン、姉貴の乱入。

 そして…


「叔父さん~? …何やってんの?」──オッフ!




 はぁぁん…エミぃぃ…




 音も無く背後に立つ少女。


 川崎エミ

 

 あの狂暴姉貴の娘…

 同じDNAを引き継ぐ姉貴から生まれたとは思えない、可愛い可愛い女子中学生。








 俺の姪だ───



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