第7話源氏物語の世界、僕が光源氏!?
衝撃な事実に気付いたけど、乳母の独り言はその後も延々と続いた。
出産で体を崩している母親は未だ実家にいるのに、生まれたばかりの第二皇子である僕一人が御所にいる理由だ。
もうお腹いっぱいなんだけど。
未だあるのか、と心なしゲンナリしたよ。
乳母が話を簡単に要約すると『愛する桐壺の更衣との間に生まれた皇子を見たくて仕方なかった
でもね、ちょっと待って。
息子の顔を見たい、と言った割には全然会いに来ない父親っていったい……。
普通、もっと構うもんでは?
矛盾してない?
乳母が言うには、僕が眠っている時に会いに来ているようだ。
起きてるときに来い!と言いたい。
ただ、父親には父親の想いがあったようで。
僕を最初に見た時に、
「このように、世にも美しい御子を他にしらぬ。
と言い放った。
そのため、僕は目下「桐壺」で軟禁に近い状態でいる。
まあ、赤ちゃんだから何処にも行けないけどね。
しかし意味不明な発言だ。
赤ちゃんなんて猿同然でしょ?
綺麗かどうかなんて分かんないよ?
親バカが
でも、なにが一番驚いたかっていうと、ここが物語の世界だった事だ。
過去の日本に転生した!と思ったけどそうじゃなかった。
かの有名な「源氏物語」の世界だった。
そう、千年前を舞台にした平安時代の世界。
日本が世界に誇る究極の恋愛長編小説「源氏物語」。
しかも、僕は主役の「光源氏」に転生していた!
この場合“成り代わった”とでもいうのかな?
それとも“憑依”?
なんでだよ!
そこはモブにするべきだろ?
まさか、あの世紀のスケコマシ野郎になるとは!!!
ちくしょう!
マザコンのロリコン男になるなんて…許すまじ!
世間じゃあ、モテ男のハーレム万歳!かも知れないけど、そんなめんどくさい事はしたく無い!
ハーレムなんて聞こえはいいけど、要は、同じ家に本妻と妾と愛人と元愛人を住まわすって事だろが!絶対に揉める。間違いない。
自分を捨てた男(光源氏)のせいで生霊になって
彼女を嫉妬深い女の代表のように描かれているけど、あれが普通だ。
寧ろ、六条の御息所なんて分かり易くて可愛い方だろう。
他の女達は陰で鬱々と呪ってそうだよ。
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