ユートピア

あきかん

第1話

酒でも飲まねえか


今から呑んだら明日まともに動けねえぞ


いいじゃねえか。こんな時に呑まずにやってられるかよ。


そんなお前に良いことを教えてやる。どんなに怖ろしい事でもこれをやれば吹き飛ぶっておまじないさ。


そんなもんあるわけねえだろ。


いいから聞けよ。まず全裸になり、自分の尻を両手でバンバン叩きながら白目をむき

「びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!」

とハイトーンで連呼しながらベットを昇り降りする。


やれるかよ、そんなもん。


やってやるよ。いいから見てろ。


「びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!」


はぁはぁはぁはぁはぁはぁ。疲れた。もはや全てがどうでもよい。


マジかよ。マジで全裸でやるとは思わなかったよ。


お前もやってみろよ。不安も吹き飛ぶぜ。


「びっくりするほどユートピア!びっくりするほどユートピア!」


はぁはぁはぁはぁはぁはぁ。マジでどうでも良くなるな。全部が。


そうだろ?東洋に伝わる最強の呪文さ。


これは大統領も大爆笑だろうな。


そうだな。そうなればまさにびっくりするほどユートピアだぜ。


アハハハ!!意味わかんねえよ。


俺もだ。


ちょっと思ったがよ。こんな馬鹿なことができる今こそユートピアなのかもな。


そうだな。しばらくはこんな馬鹿なことできやしない。


ちょっと早いが、戦場へと向かうか。


そうだな。既に戦争は始まってしまったしな。


景気づけに一杯どうだ?


いいね。


俺たちのユートピアのために

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ユートピア あきかん @Gomibako

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ