第3話 さとるの異変

咲月の心は、合格発表の日よりもドキドキしていた。

「さとっちと一緒のクラスになれたらいいな。」そう言いながらクラス表を見た。咲月は自分の名前を探すより先にさとるの名前を探した。

「えーっと、さとっちは1年d組か〜。私は〜、あ!1年d組!ヤッター!!」

私はウキウキ気分で教室のドアを開けた。すると、もう中には30人くらいの人がいた。その中にさとるはいなかった。きっと遅れてくるんだろう、咲月はそう思った。ついに初回の授業が始まった。なのに、さとるはまだ来ない。咲月は、どんどん心配になってきた。いつもなら授業に遅れたくないって耳にタコができるほど言ってたのに、絶対おかしい!咲月はそう思った。

やっと授業が終わり、咲月は学校を飛び出してさとるを探しに出た。そして1時間ほど探し、もう諦めようと思ったその時、さとるの声がした。

「さとっち!!」咲月は嬉しさのあまり鳴き声で叫んだ。しかし、そこに居たのはさつきの知っているさとるではなかった。「さっつー?なんでここにいんの?」そこにいたさとるは、さつきの知っている優しくて明るい『天使』のようなさとるではなかった。

「さ、とる?」

そのさとるは、ボロボロの服装の眼鏡をかけている男子をいじめていた。咲月は絶望と悲しみで、心がはち切れそうになった。

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