第5話 神探し

 1980年7月22日

 俺たちは、広場へ行き、広場の前に血をおいた。

 さっさと木の裏に隠れコソコソと喋る。

「見つかりますかね。」

 と、俺が言うと島が答えた。

「見つかりますからきっと。」

 話しているとある男が何かにきずいたかのように広場の前で叫んだ。

「わいは神や!」

 叫んでいたのは、引きこもりの河野だった。

 その声が皆に伝わりわらわらと集まる。

 皆河野を拝み皆が呟く。

「神様、この現象を終わりにしてください。」

 村人たちが一斉に言うと河野が答えた。

「わかった叶えてやろな」

 と言っている。

 俺らは、コソコソ話す。

「あいつが神なわけない。」

 島が呆れた顔で、答えた。

「そうですね。」

 雪もいやそうな目で答える。

「絶対怪しい、あいつ絶対神じゃない。別の方法で探そ。」

「そうだな、そうするか、でも何からしよう。」

「書物とかみて見るのはどうですか?」

「いいんじゃね。」

 俺たちは、図書館へ移動した。

「あった?」

と雪が喋ったそれに返事するように島が喋る。

「無いですね。」

 俺は、あたりを見回した。

「これはどうだ。」

 そう言って一つの本をとった誰かの日記のようだ。

 皆で囲みその内容を見た。

 

1970年7月1日

 作物が育たず困っている。

 神を求めて、神を探した。

1970年7月5日

 何をしても見つからない。

 神を探す旅の中で金田家に赤子が生まれた。

1970年7月7日

 村のみんなは、金田家の赤子を崇拝する。

1970年7月9日

 誰かに殺され金田の父親が死んだ。

 皆が泣いて、棺桶に入れた。

 後に死体を埋葬しようと棺桶を開くと血だけが消えていた。

1970年7月10日

 次の晩だった作物が大量に実っている。

 血をささげる儀式ができた。

1970年7月11日

 金田家の子は、神として育たせることになった。

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