第38話 ビタミンB群って大事。

「ちゃんとシートベルト締めてね」

「ちょっと待って。蚊がいるから……」

お出かけに行く車の中、娘と私の会話である。


ひゃーびっくりした! まじビビった。

車中で騒ぐデバネズミ。

ボボンビの再来? 斜め掛けバッグのベルトと勘違い?

違うんです。

膝蓋腱反射。もう一度言うね。

しつがいけんはんしゃ。

ほら、膝小僧の下を叩くと膝がポーンって勝手に上がるでしょ。

それだよ、それ。

膝にとまった蚊を一発で仕留めようと叩いたら。

膝が勝手に上がって悲鳴あげちゃった。

そりゃもう大騒ぎさ。

「ぷぷっ……健康でなにより」

娘はどんな時も冷静で生温かい。残念。


◼︎🔳◼︎◼︎

「お帰り。あのね、シナリオ書きの仕事受けることにしたから」

「Googleドキュメン◯が使いこなせなくて辞めたんじゃないの?」

「私、キーボード打つのが遅いでしょ。行き違いになった」

仕事から帰った夫に開口一番の報告。


そうなのよ。ご辞退させて頂く連絡がスルーされちゃったのだよ。

違う形式で原稿を読んで頂き……発注されたのだよ。


慣れるまでは週に一本納品。

ターゲットは60代以降の視聴者。

水戸黄門のような勧善懲悪ストーリー。

飽きられないように綾小路きみまろの笑いを入れる。


提示された条件を読む。読む。読む。


私、水戸黄門、暴れん坊将軍で育った世代だからね。

綾小路きみまろのCD聴いてガハハ笑っていたからね。

今年56歳だからね。年配者に笑いを提供できる場所ゲット。

これも何かの縁だとありがたく承諾するデバネズミ。

(50代以降のライターさんならすぐに採用してくれる感じ)


だけども……Googleドキュメントだけじゃなかった。

Googleシープ、スー、すーぷし、い、言えない(泣)

Googleスプレッドシートも使うんだよ。

何じゃい、それは。半泣きで名前を入力するデバネズミ。


トライアル後、一本書いて送る。差し戻される。

直して送る。繰り返す……やっと納品。ちゅかれた。


そんなこんなで、脳が刺激されっぱなしのデバネズミ。

ビタミンB群補足しまくって頑張る幸年期♡

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