第32話 手遊び歌🎶

『♫♪ トントントントンひげじいさん♪♪♪』

今、お孫ちゃんとデバネズミ二人の流行ソングはこれ。


ご存知の方も多いかもしれない。

赤ちゃん、子ども歌の定番ソングだから。


ひげじいさん。こぶじいさん。天狗さん。メガネさん。


ひげじいさんの時はアゴの下に拳✊を二つ。

こぶじいさんの時は両頬に拳を一つずつ。

天狗さんは鼻の先に拳を二つ。

メガネさんは指を丸くし👌の形にしてメガネにする。


この手遊び歌が大好きなお孫ちゃん。

まだ私の真似はできないけれど、

かわいいおててが動くのが分かる。

一生懸命に真似しようと頑張ってるの。


「じょうず〜上手ね」

一曲終わるたびに頭を撫でて抱きしめる。

得意満面の笑みのお孫ちゃんが愛おしい。


たくさん遊んだあとはの時間。

眠くなると目をこすり始める。

この仕草もキュート。

つい抱っこしてゆらゆらしちゃう。


「〇〇ちゃん、だーいすき。

〇〇ちゃんはの大事。

〇〇ちゃんはばあばの宝物。

……〇〇ちゃん、生まれてきてくれてありがとう」


音痴な子守唄のあと、必ず言うフレーズ。


30分ほどの昼寝から覚めるお孫ちゃん。

パワーアップしている。

ハイハイ。

触って欲しくない物ほど触る。


私のプロット用のノートを見つけるとにしゃぁと突撃。

表紙がメルヘンチック絵本みたいなノートだからだ。


ノートを手に取ると上下に振りたくる。

気が済むまで振りたくってぐちゃぐちゃにする。

い、いいのよ。目につく所に置いていた私が悪いもの。


振りたくった後は端っこカミカミ攻撃が始まる。

ひっ。やばい、ヤバい。ヤバい。


「〇〇ちゃん、こっちにおいで。風船で遊ぼ!」


無視するお孫ちゃん。カミカミ攻撃がお気に入りなようだ。

無理に取り上げるのはかわいそうだ。


そこで考えるデバネズミ。考える。考える。

プロットノートを簡単に手放す方法。


『♫♪トントントントンひげじいさん♪』


慌てて歌うと……ノートを捨てて私の方にハイハイしてきた。


成功じゃん。ノートはヨダレでぐちゃぐちゃになったけど成功。


続きを歌うデバネズミ。

『トントントントン……ひげ婆さん』


お孫ちゃん、キョトン。


になってるよ」


夫に間違いを指摘されるポンコツデバネズミ。

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