第31話 習いごと。

「そろばん塾の手続きしてきたから、月曜日から行ってね」

母親ミヨ(仮名)から突然言われたのは小学四年生の春。

昭和世代の小学生の習いごと第一位。だったと思う。

行きたいって一言も言ってないのに。

スポーツ少年団の空手やりたいって言ったのに。

泣く泣くそろばん塾に通ったちびデバネズミ。

案の定、一年でやめた。四級まで取得。

うん、履歴書にも書けないじゃん。



「そろばん塾に入りたい」

小学二年生の時、娘が言い始めた。

平成の子だよ。今は電卓だよ。

そろばんやっても意味ないかもよ。

しかし、娘は三年間続けた。二級取得。

同時に英語(ジュニア)もやりたいって言い出した。

英語はやらせて良かったと思う。リスニング大事。

高学年になると公◯もやるって言い出した。

英会話教室を辞め公◯の英語と数学。

高校受験まで続けた。英検二級取得。


やはり、自分からやりたいって言う方が

長続きするんだろうか?

きっとそうだよね。



「体操か公◯やらせようかな」

娘がお孫ちゃんの習いごとについて呟く。

「まだ赤ちゃんだから、先の話だよね?」

「ベビー公◯ってあるんだよ!」


読み書きも出来ない子が何するの?

遊ぶの? お歌? 絵本読み聞かせ?

ママがやっても同じじゃないの?

戸惑うデバネズミ。


「四月から通うから……準備したんだ」


ベビー公◯かな? 


「自分が苦労したからやらせたかったものだよ。

写真送るね。これ着てやるんだよ」


ピンク色の洋服? 可愛いけど、帽子は何?


はい、お孫ちゃん、今日デビューしました。

習いごとデビュー。スイミングだって。

赤ちゃん。八か月でスイミング!


令和の習いごとに驚いたデバネズミ。

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