第4話 木曜日
ロンの散歩を済ませたあと、韓国ドラマを見ていたら辛ラーメンを食べたくなったので今日のお昼はそれにすることにした。
旦那の孝司は辛いものが苦手なのでいつもこれは一人の食事のときに食べることにしている。
具材はシンプルに卵だけとする。
鍋にお湯をいれ、沸騰させる。
麺をいれ、しばらく煮て、麺をほぐす。
麺がしっかりほぐれたら粉末スープのもとをいれる。
私はここにさらにコチジャンを追加する。
最近はいろんな調味料が手軽にかえるのがいいわね。
そうだ、韓国のりもあまっていたわ。
後でそれものせましょう。
追いコチジャンをしたあと、さらに粉末の鶏ガラだしをいれる。これでさらにスープにコクがでるのだ。
ぐつぐつと麺が煮えてきたら、とどめの卵の投入。
白身がかたまり、黄身が半熟の絶妙な状態でどんぶりにいれる。
しあげとばかりの韓国のりをのせる。
これで家にいながらソウル旅行の完成だ。
麺をすすると辛さが速攻で口の中をかけめぐる。
これをごほごほと咳き込みながらたべるのがいいのだ。
三分の一ほど食べたら、黄身をわり、一緒に麺をすする。続いてスープをぐいっと飲む。辛さの中に卵の甘さがひろがり、絶妙なバランスとなる。
スープの匂いをかいだロンが咳き込みだしたので、私はあわてて窓をあけて換気をした。ごめんね、ロン。あんたも孝司君もこの匂いは苦手だったわね。
人それぞれ得意なもの不得意なものがある。
それを否定するのではなく、共存する方法をさぐるのが家庭生活だと思う。
私も孝司君が好きな赤ウインナーが苦手だ。
でも、だからといって彼を否定するつもりはないのである。
スープを最後まで飲み干した私は彼が帰宅するまでの間、韓国ドラマの続きを見るのである。
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