第31話 探索者の仕事——力試し
——それから暫くして
ダダダダダダ………
「ここか、てかマジかよこれ!でっけぇ穴、これをやった奴もだけどそれは置いといて黒間、魔力痕はあったか?」
「うんあったよ、でもイレギュラーモンスターが産まれたのは此処じゃ無いっぽい」
どこか手慣れた様子で辺りを調べ始める一行
「リーダー、凄い悪い報告とそれよりも凄く悪い報告がある、どっちから聞きたい」
黒いローブに身を包んだ女性が指を立てリーダーと言われる男に聞いた
「じゃあ一番悪い報告から教えてくれ、今はそっちを元に作戦を立てる、最悪イレギュラーとの戦闘も覚悟しておいてくれ」
「分かった、一番悪い報告は七十階ボスがイレギュラー化した、
B級上位からA級下位の層のボスモンスターのイレギュラーだから、
大規模パーティーを組まないといけない、けどボス戦は人数制限があるからS級が来るまでどうにも対処出来ない」
「なっボスがイレギュラー化ですか!?そんなの、前例が無い………
このパーティーの回復を担う貴重な回復魔法を使える魔法使いだ
「それはオレたちにはどうにも出来んな、あとで千堂さんにでも掛け合ってみるか、それでもう一つは?」
「イレギュラーは、一体じゃなかった、もう一体いたんだ!
幸いもうその反応は無くなってるけど一度に複数のイレギュラー、
リーダー、これは私達が思っている以上に不味い状況なのかもしれない」
「あっありえません!そんなのっ、だってイレギュラーがどうゆう存在かなんて自分が一番知っているでしょう?
もしそれが二体同時になんて、それはもうダンジョンの、世界の意思なのです!」
取り乱した様をそう叫ぶ魔法使いにみんなで諭す
これがただのイレギュラーであるとは誰一人として思ってはいない
だがそれでもやはり信じたくは無かったのだ、イレギュラーの出現、これは稀にあるダンジョンの機能停止に良く似ているのだ
「ちょっちょとまて!じゃあお前は、
こんなにもイレギュラーを生み出してまでやらなければいけない事があったって言いたいのか?」
「特定の誰かを殺す為、それもイレギュラーを使わないといけない程の力を持った冒険者の、、、それこそS級とか?」
思わず固唾を呑んだ、だがこのダンジョンにS級は入っていない
「それよりもこのダンジョンが機能停止の前兆に似た事をしているってとこを心配した方が良いよ、
こんだけ大きいダンジョンなんだし機能停止の際にイレギュラーが一体じゃ無くて二体になったのも分かる」
「機能停止は困るな、
永遠ダンジョンは全世界と通じてる、もし機能停止なんて起きたら永遠ダンジョン内にいる無数のモンスターが世界を覆い尽くす事になる」
機能停止とはダンジョンがそのダンジョンとしての機能を失う事
だがそれだけでなく機能が停止する事で魔素が排出されなくなりモンスターがそこで生活出来なくなる
そうなれば無数のモンスターが新たなる生活圏を求め永遠ダンジョンから飛び出し世界中にモンスターが放たれる事となる
永遠ダンジョンは何階層まであるかも分かってない為モンスターが外に出ていったら一体どれ程の被害が出るのかなど想像も出来ない
「それはそうとして、どうする?イレギュラー追うか?」
「そうだな、、、いや撤退しよう、オレらは冒険者じゃ無くて探索者だ、今回は此処に調査に来ただ——誰だ!?コイツオレらの索敵に反応しなかった!
「戦闘準備ッ!」
「了解!」
各々が敵の存在に気づき臨戦体制を取る
「アル!お前は敵の撹乱、黒目は全体の指揮を取りつつ強化魔法かけて!」
アルと呼ばれた黒いローブに身を包んだ
「煙幕行きますッ!その前に
党日
シスターの様な格好をしており回復魔法も使える魔法使いとして貴重な戦力
「分かりました!ライトニングボルトッ!」
雷属性魔法の中でも速い速度で飛んでいく魔法、威力は低いが軌道を少し変える事もでき、かなり汎用性が高い魔法
「我が名は天——バチンッ
「我が名——「先手ッ必勝デモンスラッシュ!!」
雷魔法が直撃しA級のモンスターを一撃で倒すことの出来る火力特化の大剣のスキルをくらう天津
「我——「毒刺しッ刹那!」
アルによる刹那を併用した超高速の毒刺しのスキルにより天津に毒が回っていく
「ガフッ貴様らッ!!千斬」
いい加減ウザったらしく思い無数の斬撃による広範囲攻撃で敵を離そうとする
その思惑はうまくいき——「下がって下さい!視覚共有」
咄嗟の判断で二人とも下がったが身軽なシーフとは違い大剣を扱うこの剣闘士には少し遅く、下がり遅れ腹に斬撃を浴びてしまった
「ヒール!シャイニングピラーッ」
魔法での牽制は全て斬り捨てられた
「不味いですよ、、、皆さん!準備まで時間を稼いで下さい!
どんなに強いモンスターでも魔石を撃ち抜けば倒せます!」
ヒールにより傷を癒やされたリーダーは大剣に力を込めると——「アル!俺らで足止めだ!俺に合わせろ」
「オーケーリーダー、じゃあ相手からの攻撃は私に任せて、分身!透明化、刹那」
完全オートで動く魔力体の自分のコピー、分身体もスキルを共有していて強化スキルなんかは片方が使うだけで両方に反映される
透明化のスキルにより自身を完全に相手の視界から消えるスキル
ただし索敵は完全に防ぐことは出来ない
「悪魔付きッ1分稼ぐぞ!」
「党日さん!とにかく手数とバフで皆さんのサポートを!
私は感覚共有で皆さんの情報処理を行います!」
黒目は感覚共有と呟くと目を瞑り魔力を高めていく
「地獄落としッ俊歩!瘴気」
縦に上から下へと振り下ろす技、
当たりにくいというデメリットとこの系統のスキルを使うごとに戦闘中憤怒のゲージが溜まっていき、
ゲージがマックスまで貯まると敵味方関係無し(自身含め)の強大な一撃を放つ、そんな欠点ある意味ではジョーカーの様な切り札に成り有るスキル
瘴気
黒い霧を放つ、その霧に触れた敵は毎秒固定五十ダメージを受ける
また自分はそのスキルを使っている間は無条件で毎秒固定二十ダメージ受ける
ふらふらと避けていき三対一の状況下で剣を合わせていく
やがて一分程がだったからだろうか
後方から——「準備完了です!」と言われ直ちにシーフもリーダーも後方へと下がる
「ん、もう終わりか?そろそろあったまっ——バァンッ!
空気を破る一撃が天津を穿つ
その事にホッと一息付く一行だが、、、S級で無ければ対処不可のモンスターがそんな簡単にやられるはずもなく
既の所で弾を避け弾道から相手の位置を導き出し襲いに行った
土煙で姿が隠され、気付いた頃にはもう遅く——「仁さんっ逃げてッ!」
「なっ!?お前もうここまで!」
ダンジョン用の銃で応戦するものの当たる訳もなく短剣で三度ほど斬り合ったのち胸を大きく切り裂かれた
バァンッ——すぐさま先の所へ戻り四人を蹂躙しようとした天津だったが
その直前灼熱の炎で燃やされ始めて悶えた
——シャキンッ
「拙者も混ぜてみては御座らんか?」
刀を持つ天津と似た喋り方をする少年、そして——「イフリート、今回のは中々に歯応えがありそうよ」
『おっ!良いじゃねぇか、まぁ全部燃やしちまうから歯応えなんて何もかも一緒なんだけどなッ』
炎の精霊姫が君臨したのだった
————————————————————
皆様どうもこんばんは!ナメコです!
今回もいつも通り夜遅くに失礼します………
一応毎日投稿殆ど出来てますね凄すぎて涙が、、、
まぁ多分これからは二日に一回の投稿になると思います
何故なら他の作品が無になってるから、完結までの道筋が立ってるやつとマジで何もかもその場その場で考えてる作品が2個、
なのでいい加減にしないと一生おわんないんですよねはい、この話終わり
て事で今回はA級が出張ってきましたね負けたけど、でも探索者なんで、
戦闘は冒険者、調査は探索者って感じの解釈でオッケイです
最後の天内理穂登場は3秒で考えました、侍少年は前に少し出したシロウ君です
剣聖の一番弟子、恐らく神楽君が冒険者登録するときに出てました
今回、神楽君要素全く無くて戸惑った方も多いとは思いますが、ご了承下さい
書く直前まで神楽君とA級探索者とが会ってまた僕何かやっちゃいました?
てやろうとも思いました
その後に田中さんと合流して、、、みたいな流れにしようかとも考えましたがやっぱダンジョンに居るんだから戦闘しようぜと、
天津さんの強さ、
ボスなのに自由奔放なその行動を意識しました本当にイレギュラーですね
はい、今回はこれで終わりです!
この作品が面白いな、ピンチの時にやって来る助っ人の圧倒的猛者感が好きだなって方は
是非是非いいねやフォロー、星評価をして下さると幸いです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます