第25話 バジリスクは意外と高値で売れる
「ふぅ〜悪い今終わったとこだ、ガーゴイル倒したけどどうすんだ?」
「基本的にドロップアイテムの買取で依頼完了扱いよ、にしてもアンタどんな戦闘狂よ、大体はマージン取りながらやるもんだけど」
へぇーでもまぁそれだと強くなれないからさぁって思ってる時点でもう既にだめなんかな
と頭を悩ませている
それからはガーゴイルが来る時はさらに縛りをつけ倒していった
「ふぅー悪い、天内少し遅くなった」
「別に良いわよ、そろそろ慣れた?アンタわざと刻印だっけ、それ使ってないでしょ」
「あぁまぁな俺はスキルとか魔法よりもそもそもの技術が壊滅的過ぎたから」
自分の手を強く握り締めそんなことを言う
そんな時理穂が炎を飛ばしガーゴイルを焼き尽しながら——「アンタは強いわよ、だから今度は私の番、アンタだけが強くなったわけじゃないんだから!」
周囲一帯を炎に染めて決意を口にした
前までの理穂ならこんな炎はイフリートを全力で権限させた時だけだった
だが今は腕に魔力を込め燃えろっ!と声を上げ腕を振るうと炎の壁が出来るレベルになっていた
それを見た神楽は不思議と口角を上げていた
「良いじゃん、」
62階層にて
「バジリスク、私が先に相手するわ今の私は魔剣士よ」
腰に掛けたレイピアを抜き天内の周りに小さな火の粉が舞う
切っ先からファイアボルトという速度重視の炎魔法を飛ばしバジリスクと天内理穂の戦いが始まった
「バジリスクには石化攻撃があるわ、それは特に尻尾の薙ぎ払い攻撃と拡散ブレスによる毒が殆どね」
そう言いながら華麗にバジリスクの攻撃を避けていく
未だ最初のファイアボルト以外攻撃していない、それは余裕の表れだった
「鉤爪で殴りかかって来たら適当に避けなさい切られるとその部分から石化が始まるわ!尻尾の薙ぎ払い、これは前に出て相手の回る方向と同じ方向に動きなさい」
全ての攻撃を紙一重に避けていき火の粉と舞うはまさに炎を操る精霊の姫
ついに理穂からの攻撃が始まる
「そしてブレス、これは予兆として少し周囲の臭いが変わるわ、
来た!このブレスには炎をぶつけて上げなさい、アイテムを使うと良いわこんな風にね」
そのブレスには炎上効果があるのか拳サイズしかなかった炎は半径50センチ超えの大きな炎の塊ななっていた
またバジリスクに当たった時には大きな爆発が起きさらに炎上した
「バジリスクには基本上を取った方が良いわね、そのあとは遠慮なく全力を叩き込むべきね、まぁ私は別に良いけど」
気づいた時には火の粉は無くなっていて理穂が指を鳴らすと火の粉が爆発しさらなる火の粉が舞っていく
「魔法陣は消費魔力が殆どない、でも魔力を使って描くからどうしても無償というわけにはいかない、じゃあ火の神を、精霊を仕える私なら?火は無限に起こせる、魔力を使わず、ならそれで魔法陣を作ればいい」
舞い落ちた火の粉自体が線となり魔法陣を構築していく
その魔法陣は複数の魔法陣からなるもので複数の魔法陣の発動をトリガーに最後の魔法が発動する
「創造魔法 焔」
ある一定の才能と力がある天才にのみ許された魔法を創造し自分のオリジナルとして使うことの出来る全魔法士の一つの目標とも言える創造魔法を天内理穂は行使した
焔、それは理穂がただただ火力のみを追い求めた結果生まれた迷宮すらも燃やし、溶かし尽くす灼熱の魔法
天内のアドバンテージである消費魔力の少なさと魔力制御にものをいわせた当てれば勝ちの魔法
しかし弱点として才能のみで生み出した魔法の為魔法陣を介してでしか発動できず隙はないが時間が掛かる魔法となっている
一発の為に何重にもブラフを貼り敵を欺き自分の思い通りにバトルを進める理穂の新しい支配型精霊姫の誕生だった
「これが私の新しい戦い方よ」
私は全てを欺き勝利を掴む
上下五層ほどが溶けてしまうほどの火力の炎を背にそう宣言した
「こりゃああちぃなぁ全力で防いでも死にそうだわ」
この焔により死によりボスも消し飛び死にかけていたソロの冒険者は命を拾われ
——「これは神の助けだ!」と自分には特別な役目があると勘違いした厨二病の謎のS究極冒険者が生まれてしまうのだがまたそれは別の話………
「なぁ天内これ上の層宝箱ないか?てか宝箱だろこれ」
溶け落ちた事により出来た断層の直ぐそばに宝箱が金色に光っていた
「本当ね珍しいでもどうしよう届かないわ」
本当に困った様にする理穂
「あぁじゃあ俺が連れてくわいくぞ——「えっちょまっえっえぇェェェ………
神楽は問答無用で理穂を抱え上げその穴から直接ジャンプして上の階層に行ったのだった
「アンタッマジで許さないわよ!本当」
「悪かったってでも先にとられたらお前が見つけたのに勿体無いだろ?」
「それはそうだけども!」
そういう事を言いたいんじゃないんですけど!?
と目で問いかけてくる
その理穂に対し気まずくなったのか直ぐに開けようと催促する
「まっまぁそれより早く開けようぜ?」
その宝箱の中には『男なら誰でも使える!なりきりマフィアスーツ』と書いてあった
「神楽のね完全にこれは」
「いやでも見つけたのお前じゃん」
「でも使えるの男だけよ、てかこれアーティファクトじゃないしかも二つ、このアーティファクト使うためのアーティファクトとこの服のアーティファクトね」
割と本当に使える黒服だった、さらに指輪は簡素なものだが見ただけで高級なものだと分かった
「取り敢えず指輪つけたら?多分オンオフ可能よ」
「じゃあ付けるかぁ」
どう付けたところで指輪に魔力が吸われ指輪が最適なサイズに変わったところで変だと思った神楽は直ぐに抜こうとしたが時すでに遅し、抜く事は出来なかった
「はぁまぁじゃあ装備するかおっ意外とピッタリだな、どうだ?」
一見したら裏の人と疑われそうな感じ
「まぁ似合ってるわよ」
「おっバジリスクいた!わざわざ61階層に降りたんだから居なかったら怒ってたわじゃあやるか」
「バジリスク、俺も速攻殺させてもらうぞ?面目立たんからな、こいよブレス、ワンパンしてやる!」
バジリスクは期待通りブレスを放った
俊敏にステータスを振り韋駄天を使い摩擦熱によって起こした炎を使い——「幻想流烈火剣型 龍雲ッ!」
炎の斬撃の道筋が火龍を模したかの様な激しい攻撃がバジリスクのブレスによりさらに激しく燃え炎龍の様に燃え盛りバジリスクを焦がした
「やっぱりあいつは凄いな俺の全力でも全身が殆ど焦げてるってレベルなのにな、
不可視の風刃がバジリスクを襲いズタズタに切り裂いた
「倒し終わったな………
「さてとじゃあ俺バジリスク売りにいってくるわまた後でな」
「分かったわ」と言いながら去っていった
「すみませーん依頼報告しに来ました」
「はい、神楽さん!神楽さん?ですか?本当に?」
それはそう、行きの時と服装が違うし全身黒服だったんだから仕方ない
「あぁはいまぁ偶然宝箱見つけて、これアーティファクトらしいですよ」
「すっ凄いですね、じゃあ冒険者カードとドロップアイテムを出してくださいカードは依頼を意識して下さいね」
「はい、どうぞにしても今日も凄いですねあの列」
冒険者カードからは依頼内容が浮き出て来ており受付嬢が確認し謎のハンコを押すと総依頼完了数の欄に1と表示された
「そうですねぇメチャモテ モテミさんはスタイル良いですしねぇあっこれバジリスクの尻尾の代金と依頼報酬合わせて十五万三千円です」
「ありがとうございます!」
「理穂終わったか」
「やっぱりガーゴイルってだめね5体分でも一万五千よ依頼でも5万だし」
「へぇーバジリスクは一体で五万超えたなぁ、、、案外バジリスクって高いんだ………
そんなどうでも良い事を知れた良い1日なのでしたマル!
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