第18話 Aランク探索者——白銀の血塗れ姫

「成程、相手への帰属、一生の忠誠、、、成程じゃあその手の甲に跪いたままキスすれば良いんでしょぉ分かったわよ」



理穂が神楽の手を持ち遂にその甲にキスをした。

その事に色んな意味で様々な野郎どもが湧きたったがまぁ大丈夫だろう………






後日談



無事聖戦に勝利し天内理穂という存在が帰属(奴隷)としてついてくる様になった。


「ハァ〜、アレからそこそこ調べたけど結局紋様は消えなかったし、なんならアイツは俺から五百メートル以上離れられないって事が判明した、マジでなんでこうなった、、、まぁ幸い家が近っかったから大丈夫だったけど、あとは翔吾と佳奈に会いに行かないとな」







 



——翔吾視点——————————————


「ふぅ〜ん俺が休んでる間にそんな事が、、、」——???側『そうそう、マジで凄かったんだわッ!やっぱり天内さんも凄かったけど』


「天内さんと言ったら火属性の使い手だろ?確かに凄いけどそんなにか?世界的に」


『あっ〜んとそうだな、なんか召喚魔法?てのが使えたらしい火属性のな、ロキってヤツを使って戦ってた』


「成程召喚魔法、でもそんなの聞いた事ねぇぞ俺——『俺も』


『なんか戦いは良くわかんなかったな、ブワァーッてなってゴゴゴゴォって感じで凄かったってのは覚えてる』

「いやいや、だからその相手は誰なんだって言ってんだよ」


『あぁその事な?、えぇ〜ッと俺も詳しくは覚えてないんだけど確か、、、かん、かん、かんざ、、さき?ざき?うぅ〜んと、か、ぐ、?そうッ!?そうだ甘咲神楽だよ!!甘咲神楽!!』


「はぁぁ゛ぁぁぁぁぁぁ゛あ゛ッ!?………






——氷花視点——————————————



タタタタタタタタタトゥルンッタタタタタタタタタトゥルンッ


そんな愉快な初期設定のコール音を鳴らした張本人は翔吾だった。

恐らく前日の聖戦騒ぎの事だろう。



——翔吾側『あっおぅ繋がった、よう佳奈、元気してたか?お前アレからずっと休んでるだろ?まぁ俺もだけど』

「それは嫌味?それとも本音?まぁ良いわそれで、どうしたの?」


『昨日の聖戦、知ってるか?佳奈は』

「知っていると言えば知ってるわね、昨日生徒同士で聖戦が起こったんでしょ?その内容まで知ってるかと言われれば残念だけど、、、」


『だよな、その事で話があんだけども、——「はぁ要件は、早くしてくれるかしら?私忙しいのだけども」


『そうだな、勿体ぶる必要無いし、昨日の事を友達から聞いたんだけどどうやらその聖戦に神楽が出てたって聞いたんだよ』

「ふぅ〜、、、相手は?情報が間違ってないのなら天内さんだったはずだけど?それにもし神楽だとしても天内さん相手じゃ接戦なんてあり得ないと思うの、それは本当に神楽なの?」


『今んとこはわかんねぇでも神楽ならって言う期待がないわけでも無い、ただ白髪だったてのがあるから、な、、?』

「確かに、白髪は神楽じゃ無いわね、でも髪の色なんて誰でも直ぐに変わる物よそう、例えばなんかね、可能性が低いとは言え石板が無ければ魔法適正が測れない、と言うわけでも無いしね」


「確かにな、それで、これからどうするんだ?」

『これから?それは勿論学校登校を再開するわよ、当然でしょ?』


「そうだな、俺はもっと強くならないとな、俺が油断したから、、、今回の事で自分未熟さがよく分かったからな、」


翔吾は電話越しでも分かる少し大きな声で決意と覚悟を決めた、そんな意思のある声を自分に言い聞かせるように呟いた。


「そう、じゃあ明日にでもアイツのケロッてしたムカつく顔面を思いっきりぶん殴ってやればそれで良いでしょ?」


『おいおい、そりゃ俺に対してどんな勘違い起こしてんだよ、でもまぁ佳奈も裏から、やってたんだろ?割と一番心配してたのは佳奈だったりすン——ドゴンッ

そんな衝撃音が通話越しに聞こえた、そして少しすると深い息を吐来ながらスマホをゆっくりと持ち上げるとさながら死刑宣告のように絶対零度の声色で——「」そう言うとブツっと音を境に通話が終わった。




「悪いな神楽もしかしたら俺、お前にもう一度会う前に死ぬかも知れねぇ、だってさ、ほらあのを怒らせちまったんだぜハハハッ、、、あっ課題ヤベェー死ぬわ、これ」


——白銀の血塗れ姫———————————


白銀の血塗れ姫とは現在日本ランキングに載っているAランク探索者として活動している聖属性、光属性そして氷属性という女性探索者として日本唯一のトリアエレメンタルマスターなのである。

これが男だとトリスエレメンタルマスター。

そして彼女は白銀により生み出す氷結とそれにより弾け飛んだモンスターの鮮血が余りにも美しく、またその容赦の無さと恐ろしさから付けられた異名だ。

また、氷花佳奈と言う存在のファン達がその異名をどうするかで熾烈な争いを制し、見事その名を世に轟かしたのだった。



————————————————————




そしてその後、神楽の事を話題に出した翔吾を素材に、氷結佳奈によって白銀の氷像が作り出された事は言うまでも無い。






「ねぇ、最近ううん、この学校が、か、なんか寒く無い?今夏だよね?」 

「ん?そんなのってそういえばあんた知らないんだったねまぁ転校生だしねどうせ誰かがだけでしょ」


呆れ顔を浮かべながら隣にいる転校生、霧島伊津佳に「早くなれなよぉ〜」と言って去っていった。

それに対して伊津佳は何も言う事が出来ずにただただ立ち尽くしていた、——えっそんな事が慣れないといけない程に起きているの?と一抹の不安を掲げて。






そしてその少し前………


「結局、学校には来たけど、アイツ本当にいんのかなぁそれに、スゥ〜ハァァァん?あんた、翔吾まさか今私に会うとかもしかしてふざけてると思ったの?」

そう言い階段の上段に冷気を吹きながら睨み付けている氷華佳奈がいた。

そしてその反対、下段側に異様に冷えた汗を垂らし続けている西鶴翔吾の姿があった。


——翔吾は階段をジャンプしてその持てるステータスを全て駆使して逃げようとした。


よく見たら足が凍って階段にくっ付けられていた。


——血塗れ姫は話しかけて来た!拒絶は出来なかった!


「ねぇ、

「えっあぁ〜えと、、、そのナント言いますか、氷は、ちょっと」


「ふぅ〜ん、じゃあ嘆きの川か三途の川、どっちがいい?」

「そっそれも遠慮したいかなぁ〜なんて、、あっアハハ」


「じゃあ0か100、どっちがいい、これが最後よ自分で決めてね、」


どっどうやらこの姫の前には返事なんてもんは「はい」か「YES」しか無いようだぜ


「はっはい、姫じゃあ0、で、、、」


姫、と言った瞬間に冷気が一層強くなった気がしたが気のせいだろう多分きっと絶対……


「、、、そう、凍らない体の割合が零と、いいわ、


「えぁッ、?——そんな間抜けな声と共に視界が暗転した






——神楽視点——————————————


「うぅ、さっむ」

「そう?あんま私は寒く無いけど、『まぁ俺のお陰だけどな』」


「良いなぁ、俺も魔法使いたいわ、」

「あんた寒がりなの?手でも握ってあげようか?一応主人だし」


二人は今、横断歩道の前に立っていた。


「なぁ、なんでお前さり気無く俺の何処にいんだ?」

「そりゃあ勿論神楽は一応主人だから、近くに居ないと、」

「じゃあなんでさり気無く手を握ってんだ?冷たいだろ」


「別に、ロキがやってくれてるから『たく、神使いが荒いぜ』」

「そういえばなんでロキは顕現してるんだ?半霊状態だけど魔力消費も無いし」


「それッ私も気になってたんだよね〜ねぇ、どうしてロキッ!」

『あぁ〜、そのな、理穂が神楽と主従契約しちまってから神楽と霊的パスが繋がって理穂に流れた力が溢れた結果、理穂の炎召喚魔法は更に強化して、常に一体だけ召喚魔を顕現出来るようになってたんだよ、出入りは俺の自由、完全顕現は理穂だけが出来る』


どうやらロキはあの契約のお陰で更に強くなる事が出来たらしい。


「ほへぇ〜でもその状態だと殴ったら直ぐに消えそうだな」


『やっやっやめろよッ!それお前だとマジで洒落になんねぇから!この霊体クソ脆いんだからなッ!これ壊れたら俺マジで死ぬから!本当にやめろよ!』


ロキは強くなった代わりに4倍弱点が出来た

——こんなの強化じゃねぇ!







暫くして………


「なぁ、最初からだけどさ、お前の主人にするべきことってなんだったけ?」

「えと、確か主人のためになる事を優先して主人の為にする、これが最低条件」


「そうだよッ!そうだよなぁッでも俺の為になってなんだわ!なってねぇんだわ!」

「そうは言ってもねぇ、寒いでしょ?それにもうあんたとの関係は周知の事実じゃん?ならもっと堂々としても良いでしょ」


「いやまぁそうなんだけどってうっ、これは寒い、ハァ〜じゃあそのロキであっためてくれよてかヤバっ霜出来てんじゃん、なんか冷気が上から流れて来てるし」


「ロキはやだ」

「じゃあもう良いや、「そうッやっと諦めてくれたのね!」

「いや別に、ハァ〜良いや」

「私の勝ちね!」

「何がだ、ょ、、、?——「何これ?氷像じゃない、でもなんでこんな階段にあんのよねぇ神楽あんた何か知らないの?」


「、、、あっァァ?——「ねぇ!ねぇってば!」

「はっ!?そっそれ、——「なに?」だからッ!


そこには腕を十字にしている氷漬けにされた翔吾

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