第15話 精神世界はテンプレート

「、、、そうだね、僕の名前は敢えて言うなら、タナトス、かな」


「タナトス、か、、何で俺は此処に居るんだ?」

「ん?、それはね、僕が呼んだんだ、僕はこれでも君の、神楽の事、気に入ってるんだよ?その証に何度も助けて上げたし、もしかしてもう忘れちゃったの?死んだ君を助けて上げたのは僕なんだよ?」


「、なッ!?まさか君はあの宝石の?」

「うん、まぁ正しくは僕の力の一部なんだけどね」

「ありがとうな、それにしても何で君は此処に居るんだ?」

「それ聞く?、僕ねぇ、此処からは出られないんだ、僕は遥むかしから此処から出れてない、僕は少しの自由と力を引き換えに本当の自由を捨てた、」

「そんなのって、、、」


「でも後悔はしてないよ、だって今は君に会えたから」

「そっか、それは光栄だな」


「さてと、じゃあ本題ね、本当は神楽をまだ此処に呼ぶ気は無かったんだけど事情が事情だね、中々に際どくてさ、無理矢理呼んだんだけど」

「?、何で俺の事を呼んだんだ?そもそも事情ってなんの事なんだ?」


タナトスと名乗った女の子はわざとらしく指を立て、前屈みになり神楽に近づくと今何が起こっているのかを話し出した。


「まぁ待ちたまえよぉまず一つ、これは大した問題じゃ無いね、神楽が龍を倒した事で急激に強くなり過ぎて一度での力の昇華?譲渡?なんでも良いけど神楽のキャパシティをオーバーしちゃったんだよね、今はその力が制御出来ずに身体の中で暴れてる状態、これは私でも何とかなる、それでね、もう一つの現象がキツくて、——「まさか俺、なんかしちゃったのか?、そう言えばアイツダンジョンが崩壊するって、、、」


「ハァー全く、困ったマスターだなぁ、そう、その世界で一番大きな力を持つ五大ダンジョンと言われるものの一つが崩壊した事によって世界のパワーバランスが崩れたの、さらに龍、アレを倒した事で君は強くなり過ぎたって言ったじゃん?でもその受け取った力は全体のほんの少しでしか無いの、——「まさか、また俺、なんかやっちゃいました?」


「笑い事じゃ無いの、神楽のキャパシティがオーバーしちゃったように世界のあちこちで力の流れに対応出来なかったのが崩壊、又は汚染されていっている、ダンジョンの急成長、魔物の強力化や知性化もその一つ、更に凶暴性も増してる、極め付けはその力が物体化して新たな幻想種が不完全ながらも出来上がってしまった事、——「あぁーーーでも俺が倒せたんだし他にやれる奴も、、、「馬鹿ッ!?それが出来たら苦労しないよ!!」


「あっ成程、俺に倒しに行けと?、そうゆう事ね、——「ッ!?、神楽、事態は更に深刻化してしまったみたい、さっき言った龍の力はあちこちで凝結して龍脈(仮)が出来、世界全体の魔力濃度が上がり続けている、今だと約30%、本当にギリギリだったね」


「?、でも魔力は有ればある程良いんじゃ?」

「そうだよ、でもそれは相手からしても同じ事、相手はこの世界に目を付けた、侵略が始まるよ、魔人族による人類が淘汰される時代が、」

「なっそれは、、どうにかして止める方法は無いのかッ?俺は強いんだろ?」


「まぁまぁ落ち着いて、そうは言ってもあと数年は後の話、それに侵略が始まっても戦争が暫くは続く、とは言ってもダンジョンからしか来れないからそんな焦る必要も無い、それにダンジョンならどれでもって訳じゃないし、」

「何か条件があるのか?」

「薄々、気がついて入るんでしょう?そう、五大ダンジョン、あれからしか侵略は出来ない、でも今は四大ダンジョンになったんだけどね幸い、あとはもう何が言いたいのか、分かるよね?神楽なら」

「五大ダンジョンの踏破、——「そうだよ、後は幻想種の討伐もだけど他にも諸々、やってもらわないとね、あぁ惜しいなぁ、もう時間なんだ、、、」

「時間?どうゆう、それに他にやっ——「これから神楽は現実で学校のグラウンドで目が覚める、そしたら全てのものに対して赤子に対する接し方、優しい様に、を心がけてね、バイバイ、またいつか会えるのを期待してるよ、神楽」


「タナトスッせめて最後まで聞かせ…………


神楽は言いたい事を言えずにそのまま霧のように消えて行った。

まるで最初からそこには何も無かったかのように足跡も全てが掻き消され、、、




「ふぅ、もう良いのか?——「うん、大丈夫、心配してくれてたの?優しいなぁ本当にありがとう」


「それで、今回の世界は、救えそうか?あの青年に託した君の力、無尽蔵に貸し出せるわけでもあるまい、精々あと4、5回が人間への譲渡の限界だろう」



「うん、確かにいくら時間を動かせても力は元には戻らない、上げた力は戻って来ないよ、それに貴方が言うように渡せてあと精々4、5回が限界、でもね、私は彼を、神楽を信じる事にしたんだ、私の命の恩人、神をも撃ち破る最強の想い人だからね」


「俺じゃダメかい?やっぱり」

「ふざけないで、それこそ精々知人が限界よ、」

「そっか、そりゃ手厳しい、また出直すよ」

「是非そうしなさい」









「ンッんぅ、、ぁ、あぁ夢、じゃ無いか、、、ってえぇぇぇぇぇ……………





ざわざわ—ザワザワ——「なっ、なに?あれはなんなの?人?でもどうしてこんな所にこんな時間に?まさかうちの生徒な訳はなぁァァァッ!?—「なぁあれうちのダンジョン実習の時に使ってた防具じゃね?」——「それそれ、わかるッ何であんなとこに着てる奴がいんのかは知らないけど…………ザワザワ


ざわざわ    ザワザワ

               ざわざわ

     ざわざわ         

 ザワザワ        ザワザワ





「何で俺此処に飛ばされてんだよって、あぁそういやなんか言って——「ねぇ、退きなさいよ」たなぁ、ふわぁ〜眠——「ねぇ聞こえてないの?」うぅ〜ん、でもまぁいっか、なんか強くなったって聞いてるけどどんなんなんだかな——「ダァカァラァッ!!貴方よ貴方ッ早く其処を退きなさいよと言ってるの聞こえてない訳!!」

「、、、ん?あぁ悪い気付かなかったよ、んで、なんだ?」

「なっ気付かなかったって、私がッ「うん」其処をッ「うんうん」退きなさいッと言っているのッ「あぁ〜でも此処グラウンドの中央——「うっさいッ何で私が他人に気を使ってやらないといけないのよ!!」


「て言ってもなぁ俺が今動いたらどうなるか分からんし、、、せめてステータス確認はしてからじゃ無いと」


「そう、良いわならそこまで言うんなら私があんたが自主的に退きたくなるようにして上げるわ」


「別に良いけど、なんかなぁ、、、」

「後悔しなさい、『地獄の業火よ創世の炎よ大地を照らす永遠の焔よ今此処に権限せしそれは全てを焼払い権威を示し選抜を行う汝の命は生か死か世界の意志は今此処に収束し精霊となり現れん、イフリート』」




「なっ!?オイちょっとお前理穂ッヤメロッ「知りませんよそんな事、アイツが悪いんですもん、それにああゆう奴が私は一番嫌いなんですよ、て事で貴方には悪い、とは思ってすらも無いけどそれじゃあね、奇跡的にでも生きていたならあの世がどんな所だったのかを教えて頂戴」

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