第13話 「そんなの有りかよ、、、」——地上サイド

「数万の魔力込めた一撃だッ喰らいやがれ!!魔廻まかいッ!!」


『!?強化の音色ッ風域之盤刻ふういきのばんこく

魔力が地を走り空を駆け今までに無い強さの暴風が吹き荒れ龍を中心に守る様に神楽の放った魔廻と言う魔力を自由な斬撃の形を取りながら飛翔していく神楽の中で対物最強の魔力撃の嵐が風の障壁とぶつかった。


幡劍ばんけんッ限界越えるぞッ雷光一閃一閃ッ貫けぇぇぇ!!」





ガリガリッと障壁と魔廻のぶつかり合う様な音を奏でながら更に神楽の放つ一閃により——パリン—『なっ!?』——と飴細工の割れる様な音がその空間全体に響き渡った。









『断解』New




「ッ!?ラぁ゛ァァア゛ァ゛ッ断ッ解!!」

『クククッ面白いなぁッ人間!!——「この野郎がッ黙ってその首寄越しやがれェ゛ェェェ!!」


宙に舞う鮮血は色濃く鮮やかで何処か不思議な見惚れてしまう様なものだった。

だがその鮮血ですらも飾りにありその根本にあるのは神楽により斬り飛ばされた龍の生首であった。





「ハァ、ハァ、ハァ、油断、大敵、、、『ほんとだよな、人間、』


「は、?ガハッ!?いつの間に?鑑定ッ!!」


——ステータス—————————————

 【種族】 幻想龍

 【名前】 フロガレイア

 【年齢】 576

【レベル】 無し


 【生命力】 235597

 【攻撃力】 225186

 【防御力】 175642

  【魔力】 375435

【魔防御力】 128151

  【俊敏】 186557

  【幸運】 130042


【装備】 

【装飾】 


———スキル——————————————

幻想の現実

————————————————————

———称号———————————————

幻想種

————————————————————


「偽りの姿か、、そんなの有りかよ、、、」

『創造の力だからな』
















——学園サイド—————————————




その教室は酷く暗く誰もが何をすれば良いのかが分からず項垂れていた。

それもそうだろう、先のダンジョンで起こった悲劇が誰も忘れられないのだ。

唯一その場に出会わせた翔吾、花音は学園長に事情聴衆を、佳奈は親友がいなくなったと言う事が未だに受け入れることができずに、そして安全だと思っていたのを裏切られた様な気分になり唖然としていた。







コンコン—「「失礼します」」

「あぁ、来たか、入ってきてくれ、、、」


「学長、?」

「いや、済まない、今回君達二人を呼んだ理由は当然あのダンジョンでの出来事についてだ、酷だろうがどうか何があったのか、説明をしてくれはしないだろうか?」


「、、、はい、分かりました学長」


「済まない」

「いえ、大まかな話だと3階層にいた教師がやられその後襲われましたので俺、花音、神楽と共に交戦しました、幸い花音が実力者だったお陰で瀕死まで追い込みました、ですがトドメを刺そうとしたところで反撃されそうになったところを神楽が俺の事を庇い壁にぶつかった所が崩れ落ちていきました」


「崩れた?、」

「はい、その壁が脆かったのかは分かりませんがその穴は底が見えなく壁はどちらかと言うと最初からあった物というよりも作られた物という感じらしいです」


「?、それはどうゆう」

「あ、えと——「それは私が保証しますよ、学長、」


「成程、な、、、花音が言うなら、じゃあ聞くがアレは降りられるか?若しくは神楽は生きていそうか?」


その言葉は無情だった。

何故ならその質問に答えると言う事はそれがどんな事でも考えてしまう、生きてはいないと、そう考える。


「無い、でしょう、、、」

そしてその言葉も残酷だった。




「なっ!?「そう、か、、」

「違うッ絶対違う!!神楽は生きてんだっアイツはッアイツは!!」


「魔法適正の一つも無いあの神楽があそこから落ちて生きていけると?」


「それ、は、、、」

とでもごもっともな意見に口を紡ぐ翔吾だったが次の学長の一言により希望を持った様なそんな目になった。

「そうだな、もっともだ、だが、あの穴の事は全く調べずとはいかない、そうゆう理由もあって近々高ランク帯の探索者達がその穴の下を調べに行く、その中にはSランク探索者屈指の詩永見浅緋しながみあさひもいる、そうそう全滅になる事もない、」


「ッその探索、私もついて行っても良いですか?、いえ、行かして下さいお願いします」


その言葉からは大きな責任と自分へのけじめが感じられた。

花音とて内心穏やかではない、『自分が早くトドメを刺さなかったから』『もっと早く気づけていれば』『もっと冷静でいれてたのであれば』そして何より『自分があんな敵なんか瞬殺出来るくらいに強ければ』どうしてもそう考えてしまい大きな不安に駆られていた


「ダメだ、ただでさえもう一人行方不明者が出てしまっている、確かに花音は強いがそれでも万が一がある、探索者や冒険者は金で連れてこられた雇いものだ、こう言っちゃ悪いがもう犠牲者をうちで出す訳には行かないんだ、分かってくれ」


「ッ学長!!そんな言い方しないで下さい!!神楽はまだ生きてる!!」


「分かっている、それで確かに、仮に神楽が生きていたとしても無事あのダンジョンを踏破し地上に帰ってくるのは無理だ!!それも運良く出来るとしてもそれまでに疲労と飢餓で、、、これ以上は此処でする話じゃ無いな、協力有難う、もう帰ってくれて結構だ」



「失礼、しました、、、」「失礼しました」

それから二人はそのまま帰ったが翔吾の方は不服そうに顔を顰めていた














「そう、そう、成程、そんな事があったのね、まぁ確かに簡単には割り切れないけどダンジョンだもの、それ位の覚悟はアイツも出来ていたんじゃ無いの?、それにその班には強い人もいたんでしょう?それで防げないんなら他にやりようなんて無かったわ、それにもう何が揃ってようと過去は変わることは無い、翔吾、貴方が今するべき事は大人しく安全な場所でアイツの帰りを祈る事だけよ、それで帰って来たら好きなだけ、満足するまで叱ってやると良いわ、翔吾はアイツの親友なんでしょ?なら自分が信じなくてどうするの?分かった?、そう、なら良いわ、それと報告有難う、それじゃあね」


電話が終わり、今回の事の話を聞き、翔吾と話した事を思い出しながらそっと神楽のトーク画面を開きただ一言——「早く帰って来なさいよ」と送信した。

だが当然いつもの様なふざけた返信、既読すらも当然着くはずもなくただ薄暗い部屋を科学的な光が佳奈を照らしているだけだった。










「守れなかったダメだった失敗したまた失った目の前で失ったなんでどうして何の為に強くなって何の為に何の為にッ…………












「神楽、お前いつまでも何してやがんだよ、、、何で、だよ生きてんだろ?生きてん、だよな、……………………






















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る