第10話 ラストバトル


「ッ!?これは激昂化か、短時間で勝負を決めに来た、魔力がない?いや消耗度返しの諸刃の剣、今回を耐え切れば勝機があるなら、こっちもリスクがとか言ってるわけにはいかなくなったな、文字通り極振り、全力でやらないとな」


『グラ゛ァァァァァァア゛ア』

「ハハっそうだな、此処までは様子見、これからが、第二ラウンドからが本番だ」






そこからの戦いは熾烈を極めた。

やがて神楽は二回死に魔竜の腕は捥げ魔力も半分以上無くしていた。

更にはダメ押しとばかりに殴られた箇所の内側はグチャグチャになっていた。

勿論再生により戻るがそれよりも消耗と的確に同じ場所を攻撃する神楽の戦いの最中にもどんどん上がっていく技術力により消耗は外見以上だった。

だがそれでも神楽が不利な事には変わりなかった。

それは威力換算や岩石、炎換算に搾取のスキルにより常時魔力と生命力が供給されていた、勿論スタミナや瞬間的な攻撃力もだが。

そのせいもあってか消耗は魔竜の方が激しいが回復も凄まじくあんまり削れないのだ。

それに比べて神楽は回復手段は竜よりも高レベルの再生と数回使うのがやっとな復活、復活をするとステータスが初期に戻る為魔力消費も少ないが、今は極振りにしている為再生も殆ど役割を果たしておらず再生させたい時は無理矢理魔力を込めて使っている為精神的な疲労も溜まりつつある今神楽は何一つとして良いところがない。




「ハァハァハァハァ、クソ、やっぱり思ってた通りの結果だ、まだまだ負けてはないけどな、あんまり良くない、疲労も溜まってる、それに比べてアイツは機械かよってぐらい消耗がねぇ、威力換算、か通りであんまりダメージが入ってないわけだ、俺の攻撃の4割分ダメージを回復してやがる、それに岩石は特定の巨大な岩だが自分で作れるから戦闘中にも量産されるしなぁ、炎なんて自分で出せる、これ詰みか?まぁ唯一の救いはあのいかにもなスキル黒炎之創獄ってやつが使われてない事だな、」


『グラァ?、ドォラ゛ァァァァア゛ッ!!』



「あぁ成程、やりたくても出来なかったのか、黒炎は一度に何度も使えない、若しくは消耗が激しすぎる大雑把な即死技ってとこか、成程一回やってみたかったんだよな、刻印付与、毒牙の短剣に生命の守護、鬼神、そして吸収を付与」


『グラァァァァァァァ゛ア゛ッ!!』

「来た、避けれるんなら避けてみな、


神楽が一閃、と言い放った後黒炎がその隙は逃がさんとばかりに一直線にやってきた。

が、しかしさまざまなスキルを付与された短剣とそしてその本人の放つ一つの技、一閃は黒炎を切り裂き更には魔竜本体にもその一撃は届かんとしていた。

更には吸収のスキルにより吸収された黒炎が一つの刃として魔竜に襲い掛かった。

黒炎は触れたものの殆どを消滅させる威力を持つ炎でありそれは使用者も例外ではない。

魔竜はおまわぬ攻撃から避けるのを失敗し足を一本斬られてしまった。


『ガァ゛ァァァァァァァ゛ァア゛ッ!!』


「なぁ、スーパーボールって知ってるか?投げたり落としたりすると凄い勢いで跳ね返ってくるんだよ」


神楽は突如地面を全力で殴った。

その結果大小問わず大量の岩が出来た、その事に頷いている神楽はそのまま刻印付与で鬼神、生命の守護、そして条件反射(岩同士、地面、壁にぶつかった時)、そして何より新しく岩に触れた時に彼らと全く同じ刻印付与するというものを付与した。

そしてその工程を数回繰り返して出来たのがスーパーボールだったと言うわけだ。

まぁ普通のではなく攻撃力防御力共に底上げされた殲滅用のであるが。

その出来に満足したのか次はそれらを全力で蹴り飛ばした。

それで起きる事は大体想像がつくかも知れないがその通り、大量のスーパーボール達が飛んでいき壁が、地面が削れ新たなるスーパーボールを量産し続けると言うものだ。

その結果は直ぐに現れた、そうその空間がスーパーボールが常に二個は跳ねている状況になったのだった。

そして神楽は一時的に刻印付与の刻印を止めた。


「これで流石のお前も自由には飛べないだろ?俺も自由じゃなくなったけど、こうゆうのはちっさい方が有利なんだぜ?」


『グラァァァア゛ァァ゛ア゛ァァァッ!!』


流石にイラついたのか黒炎を使い一掃しようとするがスーパーボールを優先しようとすると神楽が全力で攻め、逆に神楽の方に注意を割くとスーパーボールから少しずつダメージが蓄積されると言う悪循環に囚われた、だがしかし忘れてはならない。

魔竜には纏炎之装と岩石之竜装の二種類の形態があると言う事を。

因みに岩石之竜装は周りの岩石を自身に引き寄せ鱗や翼、腕などの親和性を高い部位に特殊な付与のされた岩石を鎧の様にして岩石の武装を重ねる様にする事で実現している。

岩石を武装する事の限界は無いが段々と引き寄せる力は無くなっていく。

ただし一度くっ付いたものの強度は変わらない。




そして形態を変化させ、そこらじゅうに跳ねていた全てのスーパーボールを武装した結果。

それは小さな——「小山、」だった。




「グッ!?引っ張られる?これは、磁力操作か、物体が大きければ大きい程磁力を持つ物 ものの引っ張る力が上がるのか、じゃあこの短剣、か、本当に、いつなにを考えて何をしようといつも一枚上手を取られる」


そう、今の魔竜は約数十メートルの辛うじて原型が分かるだけの岩に包まれた何者かになっていた。

そして魔竜はその磁力を操る力で神楽の武器を引っ張り捨てざるを得なさ状況にさせしかも魔竜側からは磁力によって加速、強化された岩石による遠距離攻撃と地割れ、岩の雨を降らせるなど、神楽専用だった刻印付与を磁力操作で擬似的に再現し、他にも随分とふざけた攻撃を繰り出して来た。



「クソッ待ってけ泥棒!!魔力の塊ッ魔力の塊ッ魔力の塊!!ステータス操作で攻撃全振りッほらッテメェが欲しがってた鉄の塊だッ!!」


神楽のステータスの攻撃力全振りと、短剣のステータス攻撃力全振りによる全力の投擲はステータスの力と鉄製による磁力からの加速の効果によりその速度は既に音速を超えていた、そんな速度で放り投げられた短剣は僅か五十メートル程の間を進むまでに圧縮され原型は留めておらず小さな鉄の塊となって魔竜に直撃した。

だが魔竜的にはよろしくなく、当然岩なのだから斬撃とよりも打撃が圧倒的に効きやすく大きく飛ばされていた。

更には岩石換算で小山程あった岩石は全て消え代わりに傷が無くなった魔竜の姿があった、ただし無い面までは直す事はできなかったみたいだが。


「やっぱりダメだったか、、、内側は治ってないか、よし、幡劍ばんけんそんな驚くなよ、得物が一つなんて誰もいってないだろ?、やっぱりお前は空中戦のが得意なタイプだったか、」


『グラァァァァ?』

「いや、そんなの関係無いなッ壊之太刀、技名はまだ決まってないんだけどな、」


神楽の使った技がまりゅに当たるとその部位から崩壊していった。

またその攻撃は軌道を読む事が出来ず奇抜な劍の動かし方をしておりそれも軌道を読む事が出来ない要因の一つだろう。


「あっぶねぇ、黒炎か、これは刻印は付与出来ないんだよなさて、どうするか、死之太刀ッこれもなまえはまだ無い、だが殺しに特化してるんだッガハッ!?」


『ガァ゛ア゛ァァァ゛ァァア゛ァ゛ア゛ッ』

そう叫ぶと魔竜は高速飛行をし始め千刃之羽嵐せんじんのはらあしというスキルを発動した。

内容は簡単なもので高速で飛行している時周囲に無数の斬撃の嵐を撒き散らすと言うもの

だがこれが意外に難しい、まずこのスキルは副産物として飛行の速度が格段に上がる、更には斬撃のせいで近づくことすらできないと言うもの。

つまり負傷覚悟で突撃するしか無いのである。


「これ、は、、、不味いな囲まれてる、このままじゃ斬撃の竜巻が出来上がる、その前に抜け出すなら、スゥ〜覚悟を決めろよ、俺、大丈夫、まだ見切れる、斬撃が来ない瞬間を狙って一閃で駆け抜けるだけ、」


そして遂にその時は来た


成功、イレア、出て来てやっ!?まさかッ読んでいたのか!!」


神楽が出て来たところを狙って黒炎を使い竜星で仕留めに来たのである。







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