第3話 初めてのダンジョン
「よっ翔吾昨日ぶりだな」
「なっ神楽じゃねぇか!!昨日ぶりだなッそれと、どうだった?、適正」
「よっ佳奈昨日ぶりだな」「神楽じゃ無い、どうしたの翔吾も?」
「おぉ、佳奈じゃねぇか、今日は神楽の結果発表だろうが!!」
「そう言えばそうだったわね、んでどうだったの?結果は多分想像できるけど」
「あぁな、それはご想像通りやっぱりダメだったよ、」
「ふぅん、まっいんじゃ無い、いつもの事だし、それにまだ完全にってわけじゃ無いんだしまだ基本属性以外にも可能性は有るわよ」
「お前はまた厳しい事言うなぁ〜今かけるべき言葉はそうじゃ無いだろ普通」
「てかそういやあ神楽、お前なんで髪の毛の色変わってんだ?——「あっそれ私も思ったぁッ」
そう言い隣の席から肘をつき目を光らせながら子供の様なワクワクした表情をしながら見てくる翔悟と、これまた神楽の机に手を付き——「どうなのどうなの!!」
と急かしてくる佳奈の対応に追われつつも簡潔に一言で———「染めた」
と言い何としても昨日起きた出来事を悟られないようにする為についた嘘であった
「ホントにぃ〜?「マジで」でもまぁそっちの方が似合ってると思うぞ、俺は」
「そう?、なんか普通だけど、てかッ今までの薄い紫の色が神楽に壊滅的に合わなかったのよッ!!」
「(いやまぁ確かに俺も思ったけど直に言われるとなかなかに来るものがあるな、これは)」
「いや確かにそうだけどよ!!なんかそりゃ言っちゃダメだろ!!
ガハァァァッ!? はい逝ったコイツのせいで逝った逝ったよ逝っちゃったよッ!! てかコイツの一言が一番余計だよ!!」
「わっ悪いな、悪気は無かったんだよ、ただ、「ただ?」ただ、ただ本当に白髪の方が似合うぞ?」
「はぁ、まぁいいけどさ、てかもうすぐ授業始まるんぞ?」
「あっやっべ「それもそうね、私はクラス違うし、じゃっ元気でね」
「「あぁ」」
「お〜いお前ら席につけぇ、金矢様の授業が始まるぞー」
「おっ、始まったな、それと今日の授業内容覚えてるか?」
「んっ?、そんなの、、、あっ」
「思い出したか、そうだッ今日は「ダンジョンでの実習訓練だ」
「あっあっあっ、、忘れてたぁァァァ!!」
「うっさいぞ神楽、お前十点減点な、あっ因みに初期が100でそれがゼロになったら補習な、お前の今の数は20、んで10引いて10」
「ッ!?謎のハリーポッター方式!!」「はい、さらにマイナス10点、これでお前は補習確定な、」
「んな横暴な!!」「私はゆとり教育を断固拒否する!!」
「それ今関係無いじゃないですか!!」
「先生、そもそも、神楽に補習なんてどうやってやるんですか?、別に成績悪いわけでも無いっていうかいいですし」
「ん、そんなの決まってんだろ、トレーニングルームでむっさいオジサンに混ざって筋トレだ」
その瞬間、空気が凍りついた、様に感じた。
何故ならそれは先程の言葉の狂気性をそのクラスの誰もが一度は通った地獄なのだから。
そしてそれは神楽も同じで、今までのふざけた様な口調ではなく、本気でそれはもうとても清々しいくらいの土下座をし、半ベソかきながら許してくれと懇願していたのだ。
——「許してくだァさァァイィィ」
とても高校生とは思えないくらいの醜態を晒し、プライドも
だが、それでも少し引いているだけで誰も陰口などは叩いてはなく、哀れみのこもった目で見つめられていた。
それだけで
「だって、自分があの立場になったら流石にあそこまではしなくとも土下座は絶対に全力でするもん」、と。
因みに謎のハリーポッター方式を行なっていたことが校長にバレ、夜中一度の休憩も無しにぶっ続けで補習、を金矢先生が受ける事になるのだが、これはまたいつか。
あっと、もう一つ、結局神楽は地獄の補習を回避することが出来たのでした。
めでたしめでたし
「ギルティィィィィィィ……………
「さぁーてと、寝るかぁ」
「いやねんなよ、神楽、めんどくさいのは分かるけど、あっ、サボったら補習だぞ?良いのかぁ、これ先生にチクッ——「どうした?、俺はもう今からダンジョンに行くことが楽しみすぎてどうにかなってしまいそうだ」
「あの、嘘つくのやめてもらって良いですか?、足震えてますけど」
「大丈夫だ、問題ない、これは武者振るいなんだよ」
「へぇ、じゃあっえい」
その途端翔吾が神楽の足を指で少し突くと、あら不思議——バタン
倒れた神楽の出来上がりっ!!
「やっぱ震えてんじゃん、ほら、手、貸すから、「、、、」
なんだよ、おい、「、、、、、」やっぱり肩の方が良かったか?」
「やっぱりッ!!「やっぱり?」
「やっぱり持つべきものは永遠の親友だよなぁ!!」
その時、神楽は初めて友という存在の有り難さを知った
それから少し離れた所に移動し、ひと段落つきやっと先生からの話が始まった。
「さて、此処はダンジョンとは名ばかりの、人工訓練公立施設だ、基本的に勝手にダンジョンを作り替えるのは禁止だから、まぁ私立なんて無いんだがな、、、
まぁでも、全くって訳でもないけど基本は語呂合わせだ」
「ふぇェェェ〜にしてもやっぱこのダンジョン少しちっちゃくないか?」
「確かに——「ハァ〜貴方達、何にも知らないのね、これだから凡人は、」
「そうだなぁ〜確かに、でも分からんもんは分からんからなぁ〜」
「やっぱ馬鹿ね貴方、仕方ないから教えて上げなくも無いわよ?」
「えっ?、マジッ!!頼む」
※このダンジョン実習訓練は三クラス合同でやる事があり、今は皆んながある程度の範囲内で自由にしている。
話が出来る状態とは一体?
「えっ?、ちょっと待って神楽、こんなよく分からん奴とそんな急に話せんの?、てかなんで此処にいるん、そもそもなんで神楽は挨拶も無しの奴が急に話しかけて来てんのをスルーしてんの?」
「アレは?、」
「あぁ、アイツは俺の親友で、少し失礼だけど根はいい奴なんだ、どうか勘弁してやってくれ、頼む」
「ハァ分かったわ、じゃあ神楽に免じて許してあげるわ、」
「ありがとな、
「あっれれぇ可笑しいな可笑しいな、なんで俺が悪いみたいに言われないといけ無いの?ッてか誰!!そもそも誰?ッなんで神楽は普通に会話できてんの意味わかんないんだけど!!てかお前神楽なんでお前はその人の名前を知ってんの何?何ぃッこの人有名なの?そうなのかッ?おいッ無視すんな!!なんだよ!!二人して!」
「うわッ何こいつキモッみたいな顔してこっち向くのやめて!!——「「うっさいなぁ〜」」
「シンクロすんな!!そんなの俺が一番わかってるわ!!てかこいつマジでなんなんだよ!!おいッ神楽、コイツのこと何か知ってんだろ?」
「いや知らん」
「ふざけんなぁッ!!じゃあなんでアイツの名前知ってんだよ!!
何?ッほんともう何?コイツら何なの二人してコミュ力お化けなの?ッ」
「「お前は(貴方は何も分かってない、これくらい、同じ学生なら当然」」
「無駄に完成度の高いコンビネーションすんな!!てかそのポーズ痛いわ!、超痛いわ!!香ばしすぎるんだって!!てかマジでコイツ誰なんだよって思うんだがそこんとこ神楽さんどお思ってるんですかッ!!」
「ふっ」
「ふっ、じゃねぇんだよふざけてんじゃねぇよ!!てかなんでお前の方も平気なんだよ」
「ふっ」
「お前も同じかよぉッだからふっじゃ無いんだって!!もうヤダこの人怖い」
「急に話しかけて来て怖いとは、少し失礼にも程があるわよ、貴方」
「お前がいうなよぉ〜……………
翔吾のこれからは如何に!
「あぁ゛ア゛ァァァッ!?助けてぇェェェ死ぬ死ぬ死ぬしヌゥッヘルプミー翔吾ぉ」
「悪いっ神楽少しだけ耐えてくれ、こっちもやばい!!、万が一の時は先生が居るはずだから頼む!!」
「あっ私も無理、ごめんなさいね、神楽君、」
「このッ白状者どもがア゛ァァァ……
何故この様な事になっているのか。
それはダンジョン実習を始める少し前の事
神楽達はそれぞれ班に分かれた、班員は全て六人班で作られており、
班の数は全部で二十四班、因みに三クラスの合計人数は七十二人、
これでも小さくは無いが、余り大きい学校だ、というわけでも無い、あとこの三クラスは他と比べても人数が多い。
これでも一応ちゃんとエリート学校しているのである。
「あっ、花音、如月、彼方、遠嶋、葛葉の五班は三回層スタートな、三階層から一番上の階層を目指してもらう、
他は一階層から二階層に、そんで地上を目指してもらう、」
この実習用ダンジョンでは一から三層まではモンスターの種類は変わらず、下(三層近く)に行くほど量か質が上がる
そう、これだ、コレなのだ!!、これのせいで今頃神楽は生死をかけた本気のチェイスをしているハメになったのだ
因みに選ばれた五班の生徒は自主的な辞退を認められている。
実際花音班の翔吾花音神楽以外は全員辞退していた、その為他の生徒も、あと神楽は強制参加だった(人権とは?
「何処に行こうと言うのだね、カァ〜グゥ〜ラァ〜クゥ〜ン、、、絶対に逃がさんッ!!花音、回りこめ!!」
「はぁ、まぁ良いわ、ちょっとした準備運動として使わせてもらうわよ?」
「ア゛ァ゛ァァァ…………
そして今に至るのだ
「このッいい加減にィしろッ!」——暫くゴブリンから逃げていた神楽だが痺れを切らし距離を取って振り向くと、
突っ込んで来たゴブリンの攻撃を敢えて懐に行き、肩を逸らすことで避け、右の掌で敵の顎をアッパーの様に叩き付けると容赦無く脛を思いっきり蹴り、中くらいの石を顔に投げた
「死ねッファックッ!!ギルティィィィィィ」
だが流石の3階層ゴブリン、だけあれだけ喰らっても死ぬ事はなく片目から血と眼球を垂らし、鼻が折れた状態でふらふらと覚束無い足取りで神楽に向かっていった。
「わぁ〜お、バイオじゃんマジでグロすぎん?、俺まだゾンビにはなりた無いんだが、足で蹴っちゃったしな、あっそういや武器あるんだったわ、
ゴートゥーヘルじゃあな小鬼、ヘブンには、いけないだろ?」
そう言い、最早力の無いままに向けられた腕を無造作に払うともう片方の手で短剣を首に差し込んだ。
ゴブリンが倒れた後再度短剣を抜くと赤黒い鮮血が吹き出した。
その様は正に行き場を無くした激流が一つの欠けた穴から溢れていく様であった。
「わぁ、ファンタスティックッスゲェな、容赦なさすぎだろ。」
なんて事を言いながらも翔吾自身三体いるゴブリンの内二体を切りつけつつ、追撃は体を右に捻る事で避けそのままの勢いで遠心力により剣の端の方で首を刎ね、魔石のある部分(人間でいう心臓)を二体同時に刺して此方もフィニッシュ
花音に関しては質重視のゴブリン二体を相手にし、レイピアと呼ばれる魔力通しの良い劍に火属性魔法を付与し周囲に一度火の斬撃による回転斬りの要領で首を二つとも飛ばしフィニッシュ。
コレには実は見ていた教師も——「これ程とは、、、」と称賛の声を挙げていた。
『トントン』と、そんな教師の肩を叩く者が一人、そのことに気付いた教師は後ろを向いた、その瞬間閃光、
そして不意だと言うこともあったが不覚にも溝打ちを喰らってしまい咄嗟に逃げろっ!と叫ぼうとしたその時、指で喉を潰され終いにはウウィンドブレスを喰らってしまい敵の存在を知らせることも出来ずに倒れた。
これまでの事でわかる通り、敵は確実に喉をを潰し、眼をを使わせなくする事で迅速な無力感を行なっていた、
これはただのテロでは無いのである、と言う事を知らしめた。
「じゃあ先生、一回死んでいてください、まぁ起きなくてもいいんですけど」
その時勿論神楽達もそこに居る、つまりその放たれた閃光を見た
「ッ!?翔吾ッ敵だ!!——「なっあっおい教師がやられてる」
「動揺し過ぎです、ほら、もう此処まで刃が来ッ——「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます