第2話
日が昇り今日も1日が始まる。
ラウルは、いつも通り起きるとすぐにジャージに着替え、コップ一杯の水を飲む。そして軽くストレッチをしたら外に出てランニングを開始する。
いつもの決まったルーティーンだ。晴れの日も雨の日も雪の日でも続けてきた。ランニングを始めて5分くらいするとじんわりと汗がにじみ出す。
どのくらい走っただろうか。息が切れてきた頃合いで、「ステータス」と唱える。
そうするとラウルの目の前に数字が表示される。
------------------------------------------------------------------------
名前: ラウル ブラウン
性別:男
年齢:18
体力:95(+1)
力:40
素早さ:38
魔力:25
運:10
スキル:超回復
------------------------------------------------------------------------
体力が増えてることを確認して笑みがこぼれる。こんな世界になってからの楽しみの一つだ。地道な努力の結果が数字で見えるのは嬉しい。もう少し走ろうかと思ったが彼女を待たせるわけにはいかないので家へ戻ることにした。
家に着き玄関を開けると中からおかえりーと声がした。
「今日は早かったのね」
約1ヶ月前の事件で知り合ったクラリスが出迎えてくれた。
「今日は約束の日だからね。それよりもう歩けるのかい?」
ラウルがそう返すとクラリスはお陰様でねと微笑んだ。
ラウルは汗を流すためにシャワーへ向かう。水がお湯に変わるのを手で確認すると頭からかける。自ら出た汗を洗い流しながら1ヶ月前のことを思い出す。
白き騎士団と異獣と呼ばれる者たちが突然攻めてきた時のことだ。
「正義のために」
突然現れた彼らはその言葉を掲げ我々を襲い出したのだ。逃げ惑う人々。純白の鎧に純白の盾と剣を持った騎士たちは人々を追いかけ容赦なく殺していく。死体は虎や鳥のような異獣たちが貪り喰う。
突然のことに頭がついて行かずに立ちすくむラウルに虎型の異獣が襲いかかる。そんな状況を助けてくれたのがクラリスたちだった。彼女らもまた突然に現れ戦ってくれた。
戦いは熾烈を極めクラリスたちの仲間は殆どがやられてしまったがなんとか追い返すことに成功した。
「これ以上は時間をかけられない!」
「ちっ、一本しか完成できなかったが引くぞ!」
「まさかお前らが出しゃばってくるとはな。今回は予想外だったが次来るときは皆殺しにしてやるよ!」
そんな言葉を残し騎士たちは空間を裂き、その中に消えていったのだった。
シャワーを止めタオルで体を拭く。今日ついにクラリス達が何者かを教えてもらう。そしてこれから俺達の世界に何が起こるのかも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます