なんて邪悪なスキルなんだ……。

 冒険者ギルドに寄って素材を売却し、師匠のところで蒸留器を十台受け取り、第二階層に設置します。

 これで蒸留器は五十台になりました。

 稼働率は半分。

 初期と比べれば五倍の生産量を誇ることになりますが、需要を満たせているかと言えばそうでもないらしいですね。

 店頭に並んでいるブランデーは、片っ端から売れていくようです。

 国境の町以外にも、王都の方から来ている行商人もいるらしく、ブランデーは我が国の主産業として語られているようです。


 また大迷宮から持ち帰った希少な素材も帝国の冒険者ギルドを潤しているようですね。

 ちなみに国境の街の冒険者ギルドは冒険者の急減により依頼が滞っており、遂に帝国の冒険者ギルドに依頼を回さざるを得なくなったらしいです。

 国境の街は今や住民の大半が帝国に移住しており、空き家が目立つようになったとかで、治安も悪化しているらしいですよ。

 なのでミステイン王国からの行商人も、国境の街を通り越して帝国にやって来ているようです。


 さてその我が故国ミステイン王国から、外交使節団が派遣されてきました。

 ミステイン王国も友好条約を結びたいとのことです。

 問題ないので調印することにしました。


 ちゃっかり外交使節団にミアラッハの祖父である前辺境伯が混じっていたのはご愛嬌でしょうか。


 まあキウス王国と国境を接しているブライナー辺境伯領とは、近所付き合いになるので仲良くしておくに越したことはありません。

 お土産にブランデーを持たせてあげることにしましょう。


 ミステイン王国の外交使節団――というかブライナー前辺境伯を歓待するために、明日は休日にしました。

 ミアラッハを前辺境伯に貸し出します。


 晩餐会は好評のうちに終えて、私はオーガ先生のもとで経験値稼ぎです。

 完全に作業ですが、エンペラーのレベルを上げておきます。

 翌朝までにレベル100になったので、そこで切り上げることにしました。


 エンペラー100レベルで増えたスキルは?

 【絶対命令】です。

 他者に命令を強要する精神系のスキルですね。

 かなり強度が高いため、生半可な耐性では命令に抗うことはできません。

 なんて邪悪なスキルなんだ……。


 さて転職を起動します。


《【転職】

 エンペラー(レベル100)

 ノーブル(レベル55)

 ファイター(レベル61)

 スカウト(レベル68)

 フェンサー(レベル52)

 ランサー(レベル52)

 ライダー(レベル62)

 グラップラー(レベル31)

 プリースト(レベル20)

 メイジ(レベル40)

 ブラックスミス(レベル50)

 アルケミスト(レベル26)

 マーチャント(レベル1)

 オフィシャル(レベル1)

 メイド(レベル1)

 トリックスター(レベル28)

 テイマー(レベル60)

 バード(レベル27)

 ダンサー(レベル50)

 ロード(レベル25)

 ウォーロード(レベル26)

 カースドナイト(レベル1)

 アサシン(レベル21)

 ハンター(レベル1)

 エクスカリバー(レベル49)

 グングニル(レベル36)

 ドラゴンナイト(レベル1)

 チャンピオン(レベル20)

 ビショップ(レベル23)

 オラクル(レベル1)

 セージ(レベル24)

 ウィザード(レベル100)

 サモナー(レベル60)

 ネクロマンサー(レベル1)

 パペットマンサー(レベル20)

 パラディン(レベル30)

 モンク(レベル21)

 ルーンナイト(レベル22)

 バトルマスター(レベル28)

 セイント(レベル61)

 ハーミット(レベル22)

 ダンジョンマスター(レベル100)》


 さて次に極めるクラスはどうしましょうか。

 せっかく剣を使うのだし、エクスカリバーにしようかな。


《名前 クライニア・イスエンド

 種族 人間 年齢 15 性別 女

 クラス エクスカリバー レベル 49

 スキル 【日本語】【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【算術】

     【礼儀作法】【宮廷語】【全属性魔法】【闘気法】【真闘気法】

     【聖闘気】【練気】【仙術】【呪歌】【魔曲】【舞踏】【馬術】

     【騎乗】【人馬一体】【錬金術】【魔法付与】【鍛冶】【量産】

     【人形使役】【剣技】【剣術】【葬剣】【剣理】【槍技】【槍術】

     【葬槍】【鎚技】【二刀流】【多刀流】【武器伸長】【霊鎧】【聖殻】

     【素手格闘】【投げ】【関節技】【格闘術】【回避】【対人戦闘】

     【後の先】【魔法斬り】【鎧貫き】【突撃】【気配察知】【罠感知】

     【罠設置】【魔力制御】【魔法範囲拡大】【魔法収束】

     【魔力自動回復】【同時発動】【多重魔力腕】【消費魔力軽減】

     【多重詠唱】【無詠唱】【魔法武器化】【魔力強化】【耐性貫通】

     【怪力】【宗匠】【俊足】【跳躍】【魅力】【気品】【美声】

     【カリスマ】【威厳】【獅子心】【幸運】【夜目】【鷹の目】

     【夜の王】【毒無効】【不眠不休】【誘惑】【威圧】【畏怖】【指揮】

     【鼓舞】【士気高揚】【福音】【光輪】【光翼】【飛翔】【絶対命令】

     【魔法創造】【創世神信仰】【神託】【シャルセアとの絆】

     【ルマニールとの絆】【ヨルガリアとの絆】【アルマルドとの絆】

     【小型召喚】【騎獣強化】【迷宮管理】【迷宮帰還】【迷宮の申し子】

     【迷宮外設置】【迷宮介入】【迷宮破壊】【経験値20倍】

     【熟練度20倍】【転職】》


 さて朝食を外交使節団と一緒に食べたら、休日です。

 師匠のところは蒸留器づくりで忙しいでしょうし、ミアラッハはブライナー前辺境伯と一緒に過ごすし……私、何をしましょうかね。


 あ、温度計をあと少しで九十個できるんでした。

 まずはそれをしましょう。


 ……。

 …………。

 ………………。


 よし、温度計はこれで良し。

 後はセバスチャンとヨルガリアと都市計画について話し合いでもしましょうかね。

 任せっきりになっていますから、どうなっているのか確認しておきましょう。


 どうやら目抜き通りに主要施設を並べて、住宅街、職人街などキッチリと分けていく感じですね。

 問題はないのですが、地面が草原だったので道を作るのに難儀しているらしいです。

 地魔法を使って、道路工事をしていきましょうか。


 大きめの道を優先して道路を整備していきます。

 ヨルガリアの姿にビックリしている住民もいますが、どちらかと言えば慣れている住民の方が多いですね。

 むしろ地魔法を使って道路整備している私が何者なのか分かってない感じです。

 顔が知られていない皇帝とは……まあいいんですけどね。


 道路整備で一日が過ぎました。

 夕食前に師匠のところへ寄って、蒸留器を受け取ります。

 これで蒸留器は六十台になりました。

 きっとこの街の需要くらいは満たせるはずですね。

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