巨体ゆえにタフネスが凄いですね。

 大迷宮は変動があって、地図が役に立たない状態にありました。

 迷いながらもなんとか第十五階層の中ボス部屋に入ります。

 ここの中ボスは?

 ワイバーンが十二体です。

 天井が高くなっており、ワイバーンたちは空中から火炎の吐息を吐いてきます。


 私は自分とミアラッハに〈フレイムプロテクション〉をかけて、火炎を無効化しました。

 ミアラッハは空歩と縮地でまず一体を仕留めにかかります。

 私の方も瞬殺コンボを発動、空中を舞うワイバーンを仕留めていきます。

 さすがは亜竜、鱗が硬いですね。

 瞬殺コンボに鎧貫きを上乗せして再度、放ちました。


 ミアラッハの方は、魔槍が相変わらずチートな貫通性能を発揮して次々とワイバーンを屠っていきます。


 一分ほどで十二体のワイバーンは死に絶えました。

 死体を〈ストレージ〉に仕舞います。


「まあまあの難易度でしたね」


「普通、亜竜が十二体も出てきたら全滅しているよ」


「私たち、普通ではないので」


「そうだね、普通じゃないよね」


 ふたり、手を繋いで転移魔法陣に乗りました。

 今日の迷宮探索は終わりです。


 家に帰って〈ディメンションゲート〉から帝国へ戻ります。

 そして冒険者ギルドで素材を売却して、城へと戻りました。


 執事のセバスチャンから、師匠のところで蒸留器が十台完成したとの報告を受けたので、回収しに行きます。


「師匠、蒸留器を回収しに来ましたよ」


「おう、邪魔だから早く持っていってくれ。あと、硅砂も出していってくれ」


「はーい」


 私は蒸留器を〈ストレージ〉に仕舞って、DPを消費して硅砂を出します。


「あと八十台、よろしくお願いしますね」


「分かっておるわい」


 私は第二階層にある蒸留所に蒸留器を設置しました。

 温度計も忘れません。


 これで蒸留器は二十台になりました。

 ブランデーの製造は二倍に。

 少しでも不足気味のブランデーの需要を満たせればいいのですが……。


 夕食後にリュートを引いてのんびりとした時間を過ごした後、ミアラッハに「おやすみなさい」を言ってから第三階層へ。

 さあウィザードを鍛えましょう。


 オーガ先生との戦いもマンネリですね。

 とはいえこれ以上の強化はDP消費が激しいので、躊躇してしまいます。

 作業的に経験値を稼ぐのは退屈ではありますが、効率が良いのは確かなんですよね。

 大迷宮を支配下に置いてDPを得るまでは、このままでしょうか。


 早朝になるまで戦って、ウィザードのレベルは92まで上昇しました。

 さすがに100までは遠いですね。

 レベル80でスキルがひとつ増えます。

 新しいスキルは?

 【耐性貫通】です。

 これは特定の属性に耐性をもつ魔物の耐性を無視してダメージを与えるというものです。

 イフリート相手に炎属性の魔法でダメージを与えたりすることができますね。

 あと地味に武器による攻撃にも適用されます。

 斬撃に耐性のある魔物に剣で攻撃が通りやすくなったり。

 まあまあ悪くないのではないでしょうか。


《名前 クライニア・イスエンド

 種族 人間 年齢 15 性別 女

 クラス ウィザード レベル 92

 スキル 【日本語】【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【算術】

     【礼儀作法】【宮廷語】【全属性魔法】【闘気法】【真闘気法】

     【聖闘気】【練気】【仙術】【呪歌】【魔曲】【舞踏】【馬術】

     【騎乗】【人馬一体】【錬金術】【魔法付与】【鍛冶】【量産】

     【人形使役】【剣技】【剣術】【葬剣】【剣理】【槍技】【槍術】

     【葬槍】【鎚技】【二刀流】【多刀流】【武器伸長】【霊鎧】【聖殻】

     【素手格闘】【投げ】【関節技】【格闘術】【回避】【対人戦闘】

     【後の先】【魔法斬り】【鎧貫き】【突撃】【気配察知】【罠感知】

     【罠設置】【魔力制御】【魔法範囲拡大】【魔法収束】

     【魔力自動回復】【同時発動】【多重魔力腕】【消費魔力軽減】

     【多重詠唱】【無詠唱】【魔法武器化】【魔力強化】【耐性貫通】

     【怪力】【宗匠】【俊足】【跳躍】【魅力】【気品】【美声】

     【カリスマ】【威厳】【獅子心】【幸運】【夜目】【鷹の目】

     【夜の王】【毒無効】【不眠不休】【誘惑】【威圧】【畏怖】【指揮】

     【鼓舞】【福音】【光輪】【光翼】【飛翔】【創世神信仰】【神託】

     【シャルセアとの絆】【ルマニールとの絆】【ヨルガリアとの絆】

     【アルマルドとの絆】【小型召喚】【騎獣強化】【迷宮管理】

     【迷宮帰還】【迷宮の申し子】【迷宮外設置】【迷宮介入】

     【迷宮破壊】【経験値20倍】【熟練度20倍】【転職】》


 このままウィザードのレベルをカンストまで上げましょう。


 朝食を食べたら、迷宮都市キャストルリアーヌに向かいます。

 今日は第二十階層を目指しますよ!


 * * *


 第二十階層の中ボス部屋に入ると、出てきたのは地竜でした。

 アースドラゴンですね。

 巨大な身体に硬い鱗。

 地魔法を自在に使う難敵です。


 私たちとてアースドラゴンが相手となると、気合を入れ直す必要があります。

 亜竜の群れと地竜では、桁違いの難易度になりますからね。


 とはいえミアラッハの魔槍は地竜の鱗もたやすく貫通するし、私には竜特攻魔法〈ドラゴンスレイヤー〉もあります。

 ザクザクと刻んで仕留めました。


 巨体ゆえにタフネスが凄いですね。

 なかなか死にませんでしたよ。


「ふう。地竜もなんとか倒せましたね」


「これでまだ第二十階層だもんね。先が思いやられるわ」


「割りと楽勝だったのでは?」


「うーん、そうかなあ?」


 大して傷も負ってないですし。

 地魔法の〈ストーンブラスト〉がかすり傷をつくったくらいです。

 それらは〈ヒール〉で治療済みですが。


「じゃあ帰りましょうか」


「うん」


 手を繋いで転移魔法陣へ。

 お疲れさまでした。

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