これにはミアラッハもニッコリ。

 王城の客間に戻った私は、ドレスに着替えさせてもらって、待機です。

 しばらく待っていると、昨晩みた王子のひとりが、エスコートをしに来てくれました。


「アレクトル・キウスと申します。クライニア皇帝のエスコートを仰せつかっています。今夜はよろしくお願いします」


「クライニアです。よろしくお願いします」


 腕をとって、パーティ会場へ向かいます。


 会場では、既に大勢の貴族が集まっていました。

 どうやら、主役が一番最後にやってくるという趣向のようですね。


 壇上に上がり、ジルベリク国王から紹介を受けます。


「この方がクライニア帝国のクライニア皇帝である。我が国との友好条約をこの度、締結することとなった」


 年若い女皇帝を値踏みする視線も多いですが、魅力スキルや威厳スキルの効果もあって、口を挟むような無作法ものはいないようですね。


 条約に調印し、金貨1000枚の入った袋が積まれた台車が運ばれてきました。

 〈ストレージ〉にそれらを仕舞うと、「時空魔法か……」とため息のような声が貴族たちから聞こえてきます。


 さて面倒ごとはさっさと終わりにして、パーティが始まりました。

 アレクトル王子は私をダンスに誘ってきたので、応じることにしました。


 さあ、頑張れ私。


 貴族院での社交ダンスを思い出しながら、なんとか踊りきりました。


 その後は、挨拶に来る貴族の相手をしたり、ダンスを申し込んでくる人と踊ったりします。

 熟練度20倍が仕事をしているのか、ダンスは誰の足を踏むことなくなんとか踊りきりましたよ。


 しばらく目が回るほど忙しい時間が過ぎて、アレクトル王子が食事を皿にとって持ってきてくれました。

 お腹、空いていたんだよね。


 まあこの手のパーティの主賓である私が忙しいのは覚悟していたので、仕方のないことだけども。

 王子の心遣いに感謝しつつ、料理をいただきました。


 ひとしきり食事と軽くお酒を楽しんだ後、私は王子にエスコートされて客間に戻りました。


 はー……しんどかった。


 ドレスから普段着の装備に着替えて、〈ディメンションゲート〉で帝国に帰還します。

 城へ戻り、寝室を覗くと、ミアラッハがちょうど休むところでした。


「あれクライニア、また帰っていたの」


「うん。無事に条約に調印したりして、疲れたわ」


「お疲れさま」


「明日、王都からこっちに戻る予定。帰りは転移ですぐだね」


「そっか」


「まあそれだけ。じゃあおやすみ、ミアラッハ」


「……で、クライニアは第三階層に行くわけ?」


「え? うん。だって夜中、暇なんだもの」


「まったく……本当に戦うのが好きね」


 呆れられましたとさ。


 * * *


 早朝までにダンサーのレベルを50まで伸ばして、王城の客間に〈ディメンションゲート〉で戻ります。

 今日は挨拶をしたらそのまま王都を出る予定。

 さてダンサーでふたつ新しいスキルが入手できるわけだけど。

 ちなみに【舞踏】は素で習得しました。

 パーティで結構、踊ったからね。

 新しいスキルは?

 【誘惑】と【跳躍】です。

 誘惑はその名の通り、相手を魅了するスキルですね。

 跳躍もその名の通り、ジャンプ力を上昇させるスキルです。


 転職を起動します。


《【転職】

 ダンサー(レベル50)

 ノーブル(レベル55)

 ファイター(レベル61)

 スカウト(レベル68)

 フェンサー(レベル52)

 ランサー(レベル52)

 グラップラー(レベル31)

 プリースト(レベル20)

 メイジ(レベル40)

 ブラックスミス(レベル50)

 アルケミスト(レベル26)

 マーチャント(レベル1)

 オフィシャル(レベル1)

 メイド(レベル1)

 トリックスター(レベル28)

 バード(レベル25)

 テイマー(レベル1)

 ロード(レベル25)

 ウォーロード(レベル26)

 カースドナイト(レベル1)

 アサシン(レベル21)

 ハンター(レベル1)

 エクスカリバー(レベル49)

 グングニル(レベル36)

 チャンピオン(レベル20)

 ビショップ(レベル23)

 ウィザード(レベル60)

 オラクル(レベル1)

 セージ(レベル24)

 サモナー(レベル60)

 ネクロマンサー(レベル1)

 パペットマンサー(レベル20)

 パラディン(レベル30)

 モンク(レベル21)

 ルーンナイト(レベル22)

 バトルマスター(レベル28)

 セイント(レベル61)

 ハーミット(レベル22)

 ダンジョンマスター(レベル66)

 エンペラー(レベル60)》


 特にクラスは増えていませんね。

 もうそろそろ上げたいクラスもない感じですね。

 ダンジョンマスターを極めてみましょうか。


《名前 クライニア・イスエンド

 種族 人間 年齢 15 性別 女

 クラス ダンジョンマスター レベル 66

 スキル 【日本語】【レクタリス地方語】【算術】【礼儀作法】【宮廷語】

     【全属性魔法】【闘気法】【真闘気法】【聖闘気】【練気】【仙術】

     【呪歌】【魔曲】【舞踏】【錬金術】【魔法付与】【鍛冶】【量産】

     【人形使役】【剣技】【剣術】【葬剣】【剣理】【槍技】【槍術】

     【葬槍】【鎚技】【二刀流】【多刀流】【武器伸長】【霊鎧】【聖殻】

     【素手格闘】【投げ】【関節技】【格闘術】【回避】【対人戦闘】

     【後の先】【魔法斬り】【鎧貫き】【気配察知】【罠感知】【罠設置】

     【魔力制御】【魔法範囲拡大】【魔法収束】【魔力自動回復】

     【同時発動】【多重魔力腕】【消費魔力軽減】【多重詠唱】【無詠唱】

     【魔法武器化】【魔力強化】【怪力】【宗匠】【俊足】【跳躍】

     【魅力】【気品】【美声】【カリスマ】【威厳】【獅子心】【幸運】

     【夜目】【鷹の目】【夜の王】【毒無効】【不眠不休】【誘惑】

     【威圧】【畏怖】【指揮】【鼓舞】【福音】【光輪】【光翼】

     【創世神信仰】【シャルセアとの絆】【ルマニールとの絆】

     【ヨルガリアとの絆】【迷宮管理】【迷宮帰還】【迷宮の申し子】

     【迷宮外設置】【経験値20倍】【熟練度20倍】【転職】》


 さて、今日は王族と外務卿らに挨拶をして、王都を去ります。


 城の前庭に集まった人々に見送られながら、私は外務卿が気を利かせて用意してくれた馬車に乗って、王都の門まで乗せていってもらいました。

 徒歩じゃ格好がつかないものね。


「ライアン外務卿、お世話になりました」


「いいえ。貴国との友好関係を守るため、職務に尽力したまでです」


「それじゃあ、これからはひとりで帰れますので」


「お送りしなくてもよろしいのですか?」


「転移するので、一瞬ですよ?」


「ああ、なるほど……それは便利ですな」


「ええ。それでは失礼しますね」


 私は迷宮帰還で帝国に戻りました。


 城へ向かいます。

 ミアラッハは……第三階層で修行中のようですね。

 私は第二階層に向かい、茶畑を用意しました。

 DPを使って、第二階層を広くするのも忘れません。


 第二階層を弄っていると、ヨルガリアがやって来ました。


「マスター。井戸が足りません。至急、増やしていただきたく」


「ああ、そうですね。数日で随分と街らしくなってきていたので気になっていたんですよ」


 ヨルガリアとともに街に降りて、井戸を設置していきます。

 この仕事、誰かに任せられるといいのだけど。


 さて仕事は終わったので、ミアラッハに会いに行きましょう。

 第三階層に転移すると、ミアラッハがオーガ先生三体を相手にしているところでした。


 魔槍の性能もあってか、ミアラッハはオーガ先生を圧倒して勝利しました。


「あ、クライニア。帰ってきたのね」


「ええ。ミアラッハ、ステータスを確認しましょうか? レベル、多分結構上がっているんじゃないかな?」


「そうね、お願い」


 ミアラッハのレベルは?

 グングニル42レベルです。

 かなり上がりましたねえ。

 スキルがひとつ増えます。

 新しいスキルは?

 【対人戦闘】でした。

 人型の魔物相手なら働くし、悪くはないけど。

 グングニルで入手するスキルとしては期待ハズレの部類かな。

 でもスキルが増えたミアラッハは嬉しそうだ。

 何も言うまい。


《名前 ミアラッハ・ブライナー

 種族 人間 年齢 16 性別 女

 クラス グングニル レベル 42

 スキル 【レクタリス地方語】【算術】【礼儀作法】【宮廷語】【再生】

     【槍技】【槍術】【槍理】【葬槍】【突撃】【回避】【闘気法】

     【真闘気法】【縮地】【空歩】【魔法斬り】【対人戦闘】【馬術】

     【製菓】【醸造】【彫刻】【魔槍召喚】》


 なんと真闘気法を自力で習得していました。

 これにはミアラッハもニッコリ。


「真闘気法が使えるなら、かなり戦力強化になるのでは?」


「そ、そうかなあ」


「ええ。でもイフリート迷宮ほどの迷宮はこの国にはもうなさそうなんですよね」


「そうなの?」


「少なくとも近場にはありません」


「じゃあルテイニア地方にあるっていう迷宮都市は? 大迷宮があるって聞いたことがある」


「ああ有名ですね。しかしルテイニア地方……遠いなあ」


 国をひとつふたつ越えなければなりません。

 言語も異なるため、予め習得しておかなければならないのは、まあスキル結晶でなんとかするとして……。

 確か大迷宮は、複数の迷宮が重なり合ってできた巨大な迷宮だとか。

 入り口こそひとつですが、内部は様々なエリアに分かれている、難所です。

 冒険者ギルドの本部もありますから、厄介な迷宮なのは確かです。


「クライニアなら光翼でさっと飛んでいったりできないの?」


「光翼ですか。うーん、まあゴーレム馬よりは速い可能性はありますかね」


「それじゃ決まり。次は迷宮都市の大迷宮に潜ろう!」


「分かりました。数日以上かかりますけど、なんとかしましょう」


「ありがとう。クライニア大好き!!」


「いえいえ。私も刺激に飢えてますからね」


 ルテイニア地方に行くことが決まったので、『ルテイニア地方語のスキル結晶』をよっつ、生み出しておきます。

 私、ミアラッハ、シャルセア、ヨルガリアの分ですね。


《名前 クライニア・イスエンド

 種族 人間 年齢 15 性別 女

 クラス ダンジョンマスター レベル 66

 スキル 【日本語】【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【算術】

     【礼儀作法】【宮廷語】【全属性魔法】【闘気法】【真闘気法】

     【聖闘気】【練気】【仙術】【呪歌】【魔曲】【舞踏】【錬金術】

     【魔法付与】【鍛冶】【量産】【人形使役】【剣技】【剣術】【葬剣】

     【剣理】【槍技】【槍術】【葬槍】【鎚技】【二刀流】【多刀流】

     【武器伸長】【霊鎧】【聖殻】【素手格闘】【投げ】【関節技】

     【格闘術】【回避】【対人戦闘】【後の先】【魔法斬り】【鎧貫き】

     【気配察知】【罠感知】【罠設置】【魔力制御】【魔法範囲拡大】

     【魔法収束】【魔力自動回復】【同時発動】【多重魔力腕】

     【消費魔力軽減】【多重詠唱】【無詠唱】【魔法武器化】【魔力強化】

     【怪力】【宗匠】【俊足】【跳躍】【魅力】【気品】【美声】

     【カリスマ】【威厳】【獅子心】【幸運】【夜目】【鷹の目】

     【夜の王】【毒無効】【不眠不休】【誘惑】【威圧】【畏怖】【指揮】

     【鼓舞】【福音】【光輪】【光翼】【創世神信仰】

     【シャルセアとの絆】【ルマニールとの絆】【ヨルガリアとの絆】

     【迷宮管理】【迷宮帰還】【迷宮の申し子】【迷宮外設置】

     【経験値20倍】【熟練度20倍】【転職】》


《名前 ミアラッハ・ブライナー

 種族 人間 年齢 16 性別 女

 クラス グングニル レベル 42

 スキル 【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【算術】【礼儀作法】

     【宮廷語】【再生】【槍技】【槍術】【槍理】【葬槍】【突撃】

     【回避】【闘気法】【真闘気法】【縮地】【空歩】【魔法斬り】

     【対人戦闘】【馬術】【製菓】【醸造】【彫刻】【魔槍召喚】》


《名前 シャルセア

 種族 ヘカトンケイレス 年齢 287 性別 女

 クラス ウォーロード レベル 81

 スキル 【巨人語】【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【礼儀作法】

     【剣技】【剣術】【槍技】【槍術】【斧技】【斧術】【闘気法】

     【素手格闘】【投げ】【関節技】【指揮】【号令】【カリスマ】

     【戦技教導】【大工】【農業】【牧畜】【料理】【怪力】【宗匠】

     【俊足】【叡智】【クライニアとの絆】》


《名前 ヨルガリア

 種族 リッチ 年齢 ? 性別 男

 クラス ネクロマンサー レベル 99

 スキル 【古代語】【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【礼儀作法】

     【カリスマ】【基本魔法】【闇魔法】【時空魔法】【仙術】

     【死霊魔術】【魔力制御】【同時発動】【叡智】【スケルトン作成】

     【スケルトン強化】【クライニアとの絆】》


 無事に全員、ルテイニア地方語を習得しました。

 それじゃあ、迷宮都市まで飛んで行きましょうかね。

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