ブリーチ
僕の頭は保護者によって金色にされてしまった。発狂しそうになっている母親をおじさんはなんとかなだめた。いや、丸めこんだというべきだろう。実際のところ、癇癪もなくなり、僕は芸術に打ち込んでいる。母親も世間体以外は喜ばしく思っているようだった。
そんな金色の髪の毛を、僕は密かに気に入っている。ケイ君だってロック・ミュージシャンみたいだし、金色の頭をしたミュージシャンは多い。格好良いと思う人に見た目だけでも近付けるのは悪くない気分だ。僕はギターの練習により夢中になった。
おじさんは沢山のエフェクターをくれる。そしてそれぞれ使い方が分からないでいると、ケイ君が一つ一つ丁寧に教えてくれる。ギターのことになると夢中のようだ。みな同じなのかもしれない。
やっと僕に楽しいといえる日々がやってきた。年上だけど友達が沢山できた上に、打ち込めるものが見つかった。身なりまで変わってしまった。これ以上望むものはない。
そんな僕だったが、人間というのは欲張りだ。僕にまた、求めるものができてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます