第3話 くっ、これは、

 ………くっ、出て来ませんね。


 皆さん。今からご飯を「配給」します!。


 ぞろぞろ。………ちょっと動きが「ゾンビ」っぽく緩慢な方もいますが、皆さん配給に並び始めましたね。


 ん?。

 カサッ。

 えっ!。

 カサカサカサカサかさ…………。

 ぎゃあ~。


 私はとっさに声を張り、黒光り並みの動きで段ボールが配給の列に並ぼうとしているのを、見送っていました。


 試しに後を追い、そうっと段ボールを持ち上げると、「幼女」がこちらを見上げて来ました。


 …………「何よ!」。


 これが妹君の第一声です。


 私がそれでも注視したままでいると、俯いてしまいましたわね。


 何これ…………可愛いです。非常に尊いわ。


 ……………。


 食事をご一緒しても、良いですか?。


 ……………うん。良いわよ。


 うん。本当に可愛いいです。




 食事をしながら、ちょっとした雑談が終わり、さて「本題」の話をしようとすると、「もしかして「行方不明のにぃ~に」の話?」と、逆に本題を聞かれてしまいました。


 私は「………そうです。」と、答えるのが精一杯でした。

 溢れんばかりの涙を貯めながら、必至に私の話を聞こうとしているその態度、思わず抱き締めていました。


 ひっく、うっ、うっ、「うわぁ~ん」。


 にぃ~にもわたしを置いて「死んだ」の?。


 ……………はい。


 ……………うっく。それで貴女は誰?。


 私は「デルタ」です。貴女のお兄様の「最後」を看取った「物」です。


 ……………最後は何て。


 はい。恵梨香様ともう一度、この綺麗な「夕陽」を見たかった。と言っていました。


 うっ、うっく、うわ~ん。「にぃ~に」。


 ……………。


 私は泣き叫ぶ恵梨香様を唯唯、抱き締める事しか、出来ませんでした。




 ん~ん。デルタは色々と有り難う。


 言え、そんな事無いです。


 にぃ~にも「埋葬」してくれたのでしょ。


 はい。「アンデッド」に成らない様「火葬」し、「霧降高原」の夕陽が綺麗な場所で、永眠して頂きました。


 わたしも大きくなったら、「お墓参り」に行って見たいな。


 大丈夫ですよ。今後はお兄様の代わりに「私」がついて居ますから、恐い物無しですわ。


 えっ、何で助けてくれるの?。


 はい。「命の恩人」で有る、お兄様の遺言にならます。


 えっ、良いの?。

 はい。

 恵梨香と一緒に居てくれるの?。

 はい。

 もう、1人になら無くて良いの?。

 はい。此れからは、ずうっと一緒ですよ。

 …………やったぁ~!。

 ふふふ。


 げひひ。

 何だ、ネーちゃん。

 子供じゃ無くて、俺らの相手をしてく…。


 「ドゴーン!!」。っドガーン!!!。

 プシュウ、バラバラバラ……………ばたん。


 皆さん。五月蝿くして、ごめんなさい。


 良いのよ。その「半グレども」には、私達も困っていたのよ。

 お陰で、スッキリしたわよ。


 お前達。

 はっ、はい。

 悪いが、壊れた壁は直して置いてくれよ。

 はいっ、喜んで!!。




 恵梨香様、ちょっと良いですか?。

 なぁ~に?。

 ここでは何ですし、ちょっと「ドライブ」に行きませんか?。

 えっ、連れてってけれるの?。

 はい。これからは「何時でも何処にでも」誰にも気にせずに行けますわ。

 やった~!。


 良いですか?。

 「シュンっ!」。

 えっ、デルタが「車」になっちゃった?。

 どうぞ「助手席」にお乗り下さい。

 「ガチャ」。

 私は元々はお兄様が「乗って」いた車ですわ。

 ………………。

 お兄様は亡くなる直前に、「最後の力」で私を「進化」させ、恵梨香様を頼む。と言いました。

 ………………。

 ですから、恵梨香様が「もう、良いわ」と言うまでは、一緒に居させて下さいませ。


 ………………すっ、凄いよ!デルタ!!!。もう、わたしはデルタから離れ無いわ!。

 ……ふふふ。そうですか。嬉しいです。

 凄いわよっ、「女の子と車」になれる何て!。

 嫌、違いますわ。「女の子に車、それとドラゴン」になれますわよ?。

 本当に!!!。後で見せてね。

 分かりましたわ。


 それで「何処」にこれから、行くの?。

 そうですね。恵梨香様は「幼女」で、私が居るから身の危険は無いと思いたいですが、物事に「絶対」は有りませんので、最寄りの「ダンジョン」で、レベルを上げましょう。


 ここ、足尾には「3つ」のダンジョンが有る見たいですね。

 最弱部類にはなりますが、丁度良いでしょ。


 「製錬所跡地」にランク「F」ダンジョン。

 (多分、スライム系。ボスはキングスライム。ボス単体はランクD。)

 「銅山跡地」にランク「E」ダンジョン。

 (多分、ゴブリン系。ボスはゴブリンキング。ボス単体はランクC。)

 「庚申山」にランク「D」ダンジョン。

 (多分、ウルフ系。ボスはグレートウルフ。ボス単体はランクB。)

 が出来ている見たいですね。


 えっ、わたしは大丈夫なのかな?。


 もし、駄目でしたら、私も一緒に「死ぬ」だけですわね!。ふふ。


 ………………。

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