第12話 ドリームファクトリー


遠い昔のことさ。


過ぎてしまえば。


この街にだって、素敵な時間が溢れるように流れていたんだ。


夢見てた頃を想い出すのさ。


                 ー「ドリームファクトリー」




遠いところからやって来たような気がした。

かなりの時間を乗り越えたような気がした。

極度の疲労感が襲いかかってきた気がした。

自分がまるで自分じゃないような気がした。

大事なものが過去のものになった気がした。

結局、全部全部気のせいなのかもしれない。


                 ー「我が目覚めはかくなりき」



ぽんぽんぽんぽん


無限に続く。


ぽんぽんぽんぽんぽん


人の数だけ。


ぽんぽんぽんぽんぽんぽん


夜の数だけ。


ぽんぽんぽんぽんぽんぽんぽん


君の願いだけ。


                 ー「君だってそうじゃないか」




夜の底に沈んだ気分だ。

今日は特にね。

飲み過ぎた酒がよくなかったのか。

日頃の行いがよくなかったのか。

どちらにせよ、恐ろしいほどの静寂だ。

無音の圧に鼓膜がやられそうさ。

誰かが居てくれたら違うのかな。

結局みんな独りなのかな。

夜が長いや。


                 ー「聖なる夜に響く鐘の音」




そっと瞳を閉じてみれば。


そこに広がる素敵な世界。


大切なことを忘れてしまった。


だからこの頃、想いを飛ばすのさ。








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